生産農家さま訪問の報告その2です。
普段なかなか聞けない、生産者としてのストーリーや動物たちへの思い。
すこし長くなりますが、ぜひその想いが届きますように
お読みいただければ幸いです。

2.『AW畜産協会認証農場 クリーマリー農夢』





旭川の中心地から少し走ったところに

農場とかわいいSHOPがあります。

農場主の佐竹さんと愛犬のボーちゃんが出迎えてくれました。

靴の消毒をして、さっそく牛舎に入いただき

牛たちを見てまず思ったことは「牛がふわふわ」。

汚れは付いていなくて身体がキレイなのはもちろんですが

それを通り越して手入れのされた犬猫のように

毛がふんわりしているのです。

 

それを佐竹さんに伝えると、「あぁ、これですね」

と言ってスリッカーブラシを指されました。

柱ごとに、頭数分のスリッカーブラシがかかっていたのです。

私に説明をしてくださりながらも

常にブラシをかけていらっしゃいました

牛たちもブラシをかけてもらうのが大好きで

身体を向け脚を上げ、やってほしい場所をアピールするそうです。




佐竹さんがAWに関心を持ったのは在学中に

アニマルマシーンを読んだことがきっかけとのこと

それまでは一般的な酪農を学ばれていたそうですが、

もっと持続可能な酪農をすべきだと気づき、

オーストラリアへの研修で放牧酪農を学び

ご夫婦の思い描く農場経営を目指して

乳製品加工からスタートしたそうです。

 

HPに、ご夫妻の素敵な想いが記されています。

 

最近、家畜たちは産業動物と

呼ばれるようになってしまいました。

農畜産物を工業製品と同じように大量生産すれば

生産コストを下げる事はできるでしょう。でも、

「生き物を機械と同じように扱っていいのかな?」

と思うのです。私達は、そのような

ストレスの多い産業動物から生まれる食べ物と、

ストレスの少ない可愛がられた家畜から生まれる食べ物とは

違うと考えています。

牛乳はどれも同じ白い液体なので

見た目はわかりませんが、「牛の飼い方の違い」

によって、区分けされても良いのではないでしょうか?

また、私たちは牛が好きで牛飼いになりました。

牛たちは私たちのために食べ物を

生産してくれているのです。ですから、

「アニマルウェルフェア」(家畜福祉)を実践しています

 

 

牛は3頭から始められ、現在は6頭。

生乳は出荷せずに隣の130件に配達するのと

余分を自社加工して販売していらっしゃいます

 

佐竹さん夫妻が研修に行かれた酪農先進国オーストラリアでは、

乳業メーカーがスポンサーとなり農家への融資をするそうです。

 

優秀な(乳がきれいな)農家の乳は高く買い・低利で貸す。

そうでないところは乳も安く買われ・貸し付けも高利になる。

しかも3日に1回の(本当の)抜き打ち検査まであるそうです。

動物へのケアが評価としてきちんと乳価に反映されるのは

とてもいい仕組みだなぁと思いました。

 

奥様も畜産を学ばれた同級生とのことですが

本当に牛が大好きでにこにこ話しかけながら

掃除や誘導をしていらっしゃいました。

牛たちも穏やかで一声も発さない落ち着いた子ばかりでしたが、それでも、優位付けのときに若くて身体の小さい子はけがをすることもあるのでなど目が行き届かない時間は小さい子だけが入れるようなスペースを作って入れてあげているそうです。

 

牛舎を建てるときに工夫をされていて

壁がパネル状になっているので夏は解放して

山から吹き下ろす風を取り入れることができるようになっています。

搾乳室にもファンをつけ牛たちの負担にならないようにとの

思いやりがそこかしこに見えました。

牛舎の外は放牧地となっていて自由に出入りできますが

それでも年のような猛暑の中では

みんな牛舎で休んでいたとのこと。

 

猫もいて、猫は(普段は2階に)いるだけで

ネズミから餌を守ってくれるので

殺鼠剤も必要ないそうです。

犬も猫も事情が許せば牛も家の中で飼いたいくらい

おっしゃるほど本当に動物が大好きなことがよくわかりました。

 

 

佐竹さんのところでは、牛たちみんな名前で呼ばれています。

4歳くらいになると、言葉を理解して

ちゃんと指示に従うそうですが

現在の一般的な酪農では2.7産(4~5歳)で

廃牛となってしまうため

これからが一番楽しい時期なのになぁ、と残念そうでした。

佐竹さんのところでは10産以上、

最高13産くらいまでお世話するそうです。

現在の最高齢は14歳のハルちゃん(今は乾乳期でした)。

「ハルちゃんこっちだよ」と佐竹さんが呼ぶと、

本当に自分の寝台に上がっていました。

 



↑ハルちゃんと佐竹さん

 

 

搾乳作業も見せていただきました。

絞る子は搾乳室の前で待ち

他の子は配合飼料を食べて自分のスペースで待つ。

搾乳室は行き止まりだし向きを変えられない広さで、

どうやって出るのかなと思ったら

作業が終わると、誘導されるでもなく

上手に後ろ歩きをして退室していました。

佐竹さんが搾乳は牛と人の共同作業

おっしゃっていた通りでした





クリーマリー農夢はAW畜産協会の認証農場で、

商品は自社直売店、近隣のJA直売所のほか通販でも販売されています。

ぜひお取り寄せしてみてください!

 

HP:http://www7a.biglobe.ne.jp/~creamery-gnome/




ブラッシングの順番待ち






 

 

 

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