北海道に暮らすNDNスタッフが、
足寄町にある「ありがとう牧場」の見学会に参加しました。普段いただいている牛乳や乳製品からは
なかなか見えない生産者さんの取り組みから、
畜産の未来への期待が見えてきます。
7/23に北海道足寄町にあるありがとう牧場への見学会に参加してきました。
足寄町は酪農が盛んな十勝管内内にある、人口約7千人の小さな町です。
オーナーの吉川さんは北海道大学を卒業後、道内で有機農業を学びましたが、
当時から草食動物である牛に配合飼料を与えることに疑問を持っていました。
その後ニュージーランドへ渡り、現場を中心にNZ放牧を学び、
最終的には現地で牧場経営を任されるファームマネージャーとして採用されました。
その仕事の中で、放牧酪農が酪農家にとっても時間と経済的余裕が生まれることを実感されています。
その後「日本の酪農を変えることができるのではないか」という気持ちが高まり帰国、
2001年から足寄町で完全放牧で牛を育てで生計を立てています。
ありがとう牧場
ニュージーランドは農場の敷地は100ヘクタール、
約60頭の育成牛をご家族と2名ほどのスタッフで飼育しています。
2月~4月に子牛達は生まれてから40日で離乳し、成牛と同じように牧草地で自由に牧草を食べていました。
成牛も然りでしたが、ありがとう牧場の牛たちはとても人懐こい子が多く、
手を差し伸べれば寄ってきてすり寄ったり、あちこち匂いを嗅いで舐めてくる子もいました。
吉川さん曰く、牛たちの成長過程の中で性格も変化していくそうで
子牛の時は人懐こく、思春期の頃には一旦人間と距離を置くようになり、成牛になると再び人懐こくなるそうです。
牛は干し草で一日に20kgものの牧草を食べる動物のため、
同じ牧草地で牛たちが食べ続けてしまうと、あっという間にその土地の草を食べつくしてしまいます。
そのため、牧草地は電気牧柵を設置し、日によって行動できる牧草地を変えながら牛たちの行動範囲を制限していますが、
一度感電した牛たちは柵に近づかなくなるため、吉川さんは一度牛たちが学んだ後の柵は通電していないそうです。
広大な牧草地も元々は急傾斜地の湿荒地でした。
藪ななどの雑草も多く最初は草刈機で人が刈っていましたが、その後育成牛を放したら自然と倒れ、
牧草の種を撒いたら牛たちの肥料で自然と牧草が出てきたそうです。
吉川さんは「荒地が放牧によって草地化するのを見て放牧の凄さを日々体感した」と振り返っています。
搾乳は一日に2回、牛たちは自分たちの脚で歩いて牧草地から搾乳場(ミルキングパーラー)へ向かいます。
行列を作る順番も牛社会が反映されているそうで、
先頭は立場の弱い牛、中間が一番立場の強い牛、行列の最後は人間を怖がらないマイペースな牛という順番だそうです。
道中で言葉通り「道草を食いながら」パーラーへ向かう牛たちはとてものびのびと気持ちよさそうでした。
ミルキングパーラーではNZ式のパーラーで牛たちが搾乳を受けています。
パーラー内の中央に垂れ下がっているミルカーで両サイドの牛たちの乳を搾ることができます。
このミルカーを採用したおかげで、今まで2時間掛かっていた搾乳が半分の1時間で可能になっているそうです。
吉川さんは牧草が最も伸びる夏季に全体の9割の乳量を絞れるよう季節分娩をさせることで
飼料費を抑え、飼い主自身が冬季の時間の余裕を生むことを可能にしています。
吉川さんの元で放牧を学び、独立や6次産業(チーズ工房)で生計を立てている若い卒業生も多数います。
こちらは同じく足寄町でありがとう牧場の生乳で作っているしあわせチーズ工房
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