「スキャンダルが本当に嫌いなんです」
キザキユリアのこの一言が、権力闘争に拍車をかけることとなる スキャンダルの二大女王といえばサシハラリノとミネギシミナミ 彼女たちが、キザキの発言を許すはずがなかった キザキは4の副キャプテン キャプテンであるミネギシを批判したともとれる言葉に、ミネギシチルドレンである三銃士ことコジママコ、オカダナナ、ニシノミキが反応した 彼女たちは敵意を剥き出しにし、キザキを無視するようになる また、旧ミネギシ4のメンバーは、急に現れた副キャプテンに馴染めずにいたことも相まって、キザキはチーム内で孤立することとなる 唯一、初代4のメンバーで、チームプリズンのひとりであるカトウレナがキザキに近寄るという状態であった また、サシハラは、ナカニシユカに詰め寄り、キザキの真意をただした キザキの真っ直ぐな性格を知るナカニシは、大意がないことを知ってはいたが、それが余計にややこしい 特に、最近のサシハラは、調子に乗って、恋愛肯定論を展開している 要
するに、キザキとは、水と油ということになるのであろう さすがのヨコヤマユイも、頭を抱える羽目に陥った 地方組を利用しようと画策していたのだが、サシハラとナカニシの間に不調和が生じ始める タカハシミナミ総督をも圧倒する権力をかざして、サシハラはキザキを攻撃した ジュリナやレナはキザキを擁護しようとするが、下手に関わると、アーカーベーを割る可能性がある また、スキャンダルによって失脚したワタナベミユキも不快感を露にした 「綺麗事を言う奴ほど、裏で何してるかわからん」 ワタナベに賛同する声が高まり、キザキはますます窮地に立たされる サシハラは、お灸をすえてやろうと、キザキのもとを訪れた 独りでぼーっとしていることの多いキザキを、いたぶってやろう しかし、そんなサシハラの耳に飛び込んできたのは、キザキたちの笑い声だった 控え室のドアを少し開け、中を伺うサシハラ キザキの周りには、キモトカノン、オオタアイカ、ワタナベマユ、ミ
ヤワキサクラ、イコマリナ、モリヤスマドカらが取り巻いている ガビーン!!! お膝元のケーⅣのメンバーたち もし、これが公になれば、自分の立場が危ない サシハラは、何事もなかったかのように、輪の中に入っていった オオタが、スキャンダルの女王を弄る ヘラヘラ笑うサシハラ キザキが、サシハラに言う 「私は、スキャンダルが嫌いです でも、それに打ち勝ったサシハラさんを尊敬しています」 キザキとキモトの目が合う 微笑み合うふたり キザキの窮地を知ったキモトが、オオタに助けを請うたのだった ハカタを割る恐れがあるからと二の足を踏むオオタの背中を押したのがマユである 「キザキは正しい 今、やらなければならないことは、アーカーベーのために頑張ること 写真なんか撮られている場合ではない」 マユが、キザキについたという情報は、アーカーベーを震撼とさせる いよいよマユとサシハラがぶつかるのか 妙に盛り上がる
周囲をよそに、サシハラがキザキを可愛がり始める 尊敬しているという言葉に、ご満悦だった マユは、後継者にキザキを指名した アーカーベーを、王道アイドルグループに戻すためには、キザキの真っ直ぐさが必要だと考えたからだ ミユキが言うように、恋愛を否定するのは、綺麗事のように感じる そして、私もいつかは結婚するのだろう ならば、その運命の相手に出会うまでは、アーカーベーのことだけを考えていればいい どうしても好きでたまらないときは、ファンに謝ればいいのだ スキャンダルで一番傷つくのは、ファンに他ならない 世間から嘲笑われ、それでもメンバーを擁護する 見返りのない愛を注ぎ続けてくれるファンのためにも、私たちはよそ見しちゃいけないんだ ファンは、私たちと付き合いたいなんて思ってはいない 自分が推した“運命のひと”に輝いていて欲しいんだ スキャンダルは、私たちから一瞬にして輝きを奪い取る マユは、キザキの輝きに、アーカー
ベーの未来をみたのだった
サシハラは、アーカーベーのてっぺんに興味を失っていた もし、キザキやマユの考えが正しいのなら、自分の居場所がないように思えるのだった 考えてみれば、今の自分があるのは、あのスキャンダルのおかげのような気がする サシハラは、ふと傍らに立つタナカミクとヤブキナコをみた もし、こいつらが、何らかのスキャンダルに巻き込まれたらどうする もし、フミハルに写真を撮られたらどうする おそらく、殴り込みをかけるだろう キザキが言うように、スキャンダルを起こすには、それなりの覚悟がなければならない サシハラは自分の胸に手を当てて考えてみた 果たして、覚悟していたと言えるだろうか 何も考えてなかった… この私でさへ、何も考えずに行動していたのだ 好きだったから… おい、キザキ、てめえは、男よりもファンの方が大事だって言い切れるのか 覚悟って、なんだよ 急に叫び出したサシハラを、不思議そうに見つめるナコミクであった
ミネギシは恋愛したいと考えていた 年頃の女の子なんだから、仕方ないだろ キザキだって、口だけに違いない 好きな男が現れたら、デートするに決まってるんだ フミハルに撮られたら、思いっきり馬鹿にしてやる 顔が丸いから、坊主にしたらうけるだろうな そう考えながら、ふと目の前の鏡に目をやる ブスだな…嫌な顔… あの涙はなんだったんだ お前は、またファンを裏切るのか 脳裏に、三銃士の顔が浮かぶ てめえらは、キザキについて行けよ こんな醜い大人になっちゃいけねえ ミネギシの頬を、涙が伝う そろそろ潮時かもな アーカーベー権力闘争劇の舞台からミネギシが降りたという噂が、つわものどもの士気を高めたのかどうかは定かではない…
マユがキザキの後ろ楯に回ったことにより、てっぺん争いの位相が一気に変わった ユウコがマユを導いたように、マユがキザキをてっぺんに導くのか 冗談じゃない シノダマリコとコジマハルナが気炎を上げる てっぺんはジュリナだ 同世代のキザキにうろちょろされると、てっぺんからの景色が見えにくい イタノトモミもシマザキハルカを持ち上げる タカハシミナミに約束が違うと詰め寄った シマザキ自身はてっぺんに興味ない しかし、イタノの気持ちを考えると、あとには退けない やるしかないか やるしかない…