AKB48“モウソウ馬鹿” -3ページ目

AKB48“モウソウ馬鹿”

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グランドで、ラッパッパ軍と反乱軍のヤンキーたちが対峙している ワタナベミユキをセンターに、栄のタカヤナギアカネ、博多のサシハラリノが両脇を固める反乱軍
「優子さん、うちらかて、介護が大事なことはわかってます せやけど、ヤンキーにはヤンキーの生き方があるんとちゃいますか 優子さんの言うてはることはただの綺麗事や」
ワタナベミユキの声が、マイクを通して日本中に配信される



「確かにな」
受けて立つ優子
「だから、無理に手伝ってくれとは言わねえ 俺たちゃ信念に基づいて動いてるんだ」


「あんたら、マジ女を占めてるみたいにでかい顔してはるけど、これを見てください うちらの方が圧倒的に多いやないですか マジ女がどっちのもんか、はっきりさせましょ うちらが勝ったら、ラッパッパは解散してもらいますから」 ミユキの言葉に会場がどよめいた


「いいだろう さあ、始めようぜ」
優子が指を鳴らしながら前に出る それに続くマエダアツコとタカハシミナミ


「サシハラさん、タカヤナギさん、なんばが先陣きらしてもらいます ほな行くで」
ワタナベミユキを先頭に、なんばの兵隊がラッパッパ軍目指して突っ込んでいく 両軍合わせて二百以上のヤンキーが入り交じっての乱闘が始まった









タカヤナギアカネ、フルカワアイリ、ムカイダマナツが、マツイレナを取り囲む
「レナ、元気そうじゃねえか」
タカヤナギが微笑む タカヤナギ、フルカワはK第二中出身で、ムカイダはいっこ下だ レナはS中で、いっこ下がジュリナである S中のトップはクワハラミズキで、ジュリナを可愛がっていた ジュリナは神の仔、原石と呼ばれ、誰からも一目置かれていた レナは、S中に馴染めず、K2中のヤンキーとつるんでいた もちろん、タカヤナギやフルカワともよく遊んだが、レナには相棒がいた ある日、二人で遊んでいると、対立する中学のヤンキー十数人に取り囲まれた 多勢に無勢、袋叩きにあう二人 その時、S中のヤンキーが通りかかったのだが、K2中の生徒だからと見殺しにした レナの相棒は瀕死の重傷をおい、重い後遺症が残ってしまう それ以来、レナはS中の番長グループと距離を置くようになる マジ女でレナが頑張らなかったのは、S中に対する愛情がなかったからなのかもしれない 結果的に、レナに失望したマジ女は、ジュリナをスカウトすることを見送ったのだった


「チュリ、どうして反目に回った」
レナが構える


「そっちについたところで、わたしたちの得にはならねえだろ ユリア(キザキユリア)だけか欲しいんだよ、ラッパッパは ニシシ(ナカニシユカ)はユリアのお守り役だろ ならば、こっちで暴れて、栄の名前を全国に知らしめてやろうと思ってな さあ、たいまんしようぜ レナと戦えるなんて、卒業の思い出にもなる」
タカヤナギがフットワークを使って距離をつめる フルカワとムカイダは、レナについてきたトモナガミオ、タシマメルと戦い始めた











マツイジュリナの前に、ミヤワキサクラが立ちはだかる
「はじめまして 優子さんたちが卒業しちゃう前に、私たちの世代のトップを決めましょうよ」
ミヤワキの右フックをかろうじてかわすジュリナ


「さすがに博多のエースだな」
余裕を見せるジュリナ


「調子こいてられんのも今のうちだけなんだよ」
ミヤワキのローキックがジュリナをとらえた 苦い記憶がジュリナの脳裏を駆け巡る











優子が名も無きヤンキーたちを蹴散らしていく ラッパッパは、いわばマジ女グループのエリート集団だ 一年生も二年生も各校のエース級が揃っている もちろん、彼女たちをスカウトしたのは優子であり、より強い組織にするためによかれと思ってやった ところが、知らず知らずのうちに、格差社会を生み出す結果となってしまったようだ 博多のエースであるミヤワキサクラとコダマハルカは反目に回ってしまった 一年生のトモナガミオとタシマメルに気を取られたために、ミヤワキたちへの配慮を怠ってしまったからだ この戦いは、ワタナベミユキのグループが謀反を起こしたように見えるが、本当のところは、格差社会が生み出す不平不満の捌け口なのかもしれない ヤンキーとしてのエリート集団でありながら、介護やボランティアに尽力して世間の注目を浴びている ちゃんちゃら可笑しくて、へそで茶を沸かすぜと笑い飛ばしながら、釈然としないものがあるのだろう あいつらの方がヤンキーとしても上なんだぜ… 優子は、組織を作ることの難しさを痛感していた もっと細部にまで気が回らなければ、強い組織なんて作れっこねえ










コジママコは、校舎の陰で、乱闘の様子をうかがっている 盟友であるオカダナナとニシノミキが、また、トモナガとタシマ、シブヤナギサ、そしてオオワダナナが、ラッパッパの一員として戦う姿を、複雑な心境で見守っていた いったい自分は何をしていたのだろうか マジ女グループのヤンキー全員が戦っているのに、自分独りだけがここにいる 何故に… 必要とされてないからだ 自分がいなくても誰も困らないし、いなくても気にもならない イコマリナが血塗れになりながら暴れている ホリミオナがなんばの一年生たちを相手に奮闘している 同世代のヤンキーがキラキラ輝いているのに、自分はこんなところに潜んでいる ネズミ女… 駄目だ、恥ずかしくて、出ていけない 屈辱と孤独が、コジマに容赦なく襲いかかる
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マユの父親の提案で、戦いの舞台は福島県会津若松市の廃校に移されることが決まった 彼は、友人であるプロデューサーのアキモトヤスス氏と相談し、被災地の町興しを兼ねてイベント化することにしたのだった テレビカメラを入れ、戦いの様子を有料サイトにて放送する また、全国からヤンキーが応援に集まることが予想され、警備の問題や救急対策も綿密に計画したのだった この戦いは、ただのヤンキーの喧嘩ではない ラッパッパが勝てば、日本の介護、地域包括ケアシステムが変わるかもしれないのだ マスコミやメディアも興味を示し、政治家たちも無視するわけには行かなくなった 公がヤンキーの喧嘩を見過ごしていいのか 一部、否を唱える者も現われたが、陰で行われるよりも、ちゃんとした管理の下で戦わせた方が安全だし、格闘技だと見なせばいいのではないか マユの父親とアキモト氏は、様々な不測の事態についてシュミレーションし、万全の対策をとることを約束したのだった













ヤマモトサヤカは、会津の土を踏みしめ、尊敬する土方歳三に思いを馳せた そういえば、ワタナベミユキを初めて見たとき、その頭の回転の早さから、山南敬助を思い浮かべたものだった 一説によると、土方と山南は仲が悪かったというが、両雄あいまみえずということなのだろうか 新撰組の黎明期、土方と山南が京都の町を奔走したという史実が残っている しかし、土方の政治に敗れ、切腹を余儀なくされる山南 脱走した山南を追い、連行した沖田総司の目は涙でぐちゃぐちゃだったという そして、土方も泣いた 士衞館で切磋琢磨した時間を思い出し、士道不覚悟という汚名を着せられて腹を切る盟友の姿を見ることはできなかった やっぱりミユキはサンナンさんやってんなあ… そう呟くと、ヤマモトは晴れ渡る青空を見上げて号泣した きっと土方さんが、私たちをこの場所に導いてくれたんや サンナンさんが生きてはったら、土方さんとここで戦ってたかもしれん ミユキ、勝負や うちには土方さんがついてる あんたには絶対負けん ヤマモトはとめどなく流れる涙を拭うことなく、盟友であり永遠のライバルであるミユキの名前を何度も叫んだ














仙台の仮設校舎に本陣を構えるラッパッパ軍 総大将は優子、シノダマリコ隊とタカハシミナミ隊にわけ、シノダ隊には、マジ女からマツイレナ、マツイジュリナ、コジマハルナ、シマザキハルカ、ヤマウチスズラン、カワエイリナ、イリヤマアンナ、シマダハルカ、カトウレナらが 栄からは、キザキユリア、ナカニシユカ、オオヤマサナ、スダアカリ、マツムラカオリ、キモトカノンらが 博多からは、レナを慕ってトモナガミオとタシマメルが配された 一方、タカハシ隊には、マエダアツコ、ワタナベマユ、カシワギユキ、ミネギシミナミ、ヨコヤマユイ、イワタカレン、タカハシジュリ オオシマリョウカ、タケウチミユ、オオワダナナ、栄のイシダアンナ、フルハタナオ、なんばのヤマモトサヤカ、ヤマダナナ、オガサワラマユ、コタニリホ、シブヤナギサが、そして乃木坂学園のシライシマイのグループ、ホシノミナミとホリミオナのグループも参加した 以上が、ラッパッパ軍の主要なメンバーであるが、対する反乱軍は、ワタナベミユキを大将に、なんば隊、栄隊、博多隊という布陣であり、数でラッパッパ軍を圧倒している 優子のもとに、反乱軍が名古屋を出発したとの情報が入った 優子がヤマモトサヤカの肩を抱く
「ワタナベのマジにちゃんと応えてやれよ 奴は、いろんな不満や矛盾をすべて抱え込んで立ち上がったんだ いつか奴とも仕事ができる日が来ると信じてるよ」


「優子さん…」
ヤマモトが優子の胸に顔を埋める これが最後だ もう二度と泣くまいと心に誓った
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組織というのは、構成員が同じ目標を共有する必要がある それぞれが違う目標を掲げ、ただ集まっただけならば烏合の衆と言わざるおえない 優子は、ラッパッパを組織に成長させたいと考えていた 明確な目標はまだないが、目指す方向は確立されつつある 少なくとも、優子、マエダアツコ、タカハシミナミ、そしてワタナベマユは同じ価値観でもって活動していると自負していた もし、ラッパッパが、この国の地域包括ケア制度の変革に寄与することができたとしたら 独居の要介護老人に限らず、在宅療養している老人すべてを地域で支え合うような社会をつくりたい 口で言うのは簡単だが、莫大なマンパワーとお金を必要とする ならば、時にはたいまんの代わりに介護のボランティアをしようじゃないか ヤンキー界のてっぺんの言葉なら、大概のヤンキーは耳くらい傾けるだろう そのためにも、ラッパッパを組織化して、強固な集団にする必要がある 優子は、ワタナベミユキらの反乱を絶好の機会と考えていた もしかしたら、ワタナベはラッパッパの矛盾を抱え込んで去る気なのかもしれない しかし、奴は最後に花火をあげるつもりだ 黙って、時代の表舞台から去るつもりはない もし、ラッパッパが負ければ、奴らの天下だ 負け犬の話など聞くヤンキーはいない だから勝たねばならないのだ ラッパッパが最強でなければならない












マジ女の一年コジママコは、乃木坂の一年ホリミオナを呼び出した コジマの狙いはただひとつ、優子を倒してマジ女のてっぺんに立つこと 最強と言われたシノダマリコ部長率いる吹奏楽部を倒し、センターの常連マエダアツコ、番長であるタカハシミナミを従えて、ラッパッパなる奇妙な集団の頭となった優子を倒せば、自分が最強であることが証明できる 一から積み重ねるのなんてかったるい コジマコ様は、シード扱いでじゅうぶんだ(笑)

「ミオナ、まず(ホシノ)ミナミって奴からやっちゃおう 坂本竜馬にうろちょろされたら、維新が見えにくくて仕方ねえ」
ケラケラ笑うコジマ


反して、ホリの顔に笑顔がない
「てめえ、誰に口きいてんだ」
コジマの胸ぐらをつかむ
「ミナミはわたしのダチなんだよ ミナミはな、うちのばあちゃんの面倒もよくみてくれてんだ てめえ、調子に乗るのもいい加減にしろよ 番長(シライシマイ)は、てめえのことを“ねずみ女”って呼んでる 乃木坂じゃ、てめえは卑怯者の代名詞なんだ もし、てめえとつるんでるって勘違いされたら、わたしたちまで卑怯者扱いされるんだよ てめえ、ここで死ね(笑)」
ホリが口を歪めて笑う いつの間にか、コジマを、金属バットや木刀を手にした乃木坂の一年が取り囲んでいた
「ばばあの相手は、ばばあに 一年のネズミ女は、一年が…」
ホリの合図で、いっせいにコジマに襲いかかる









栄のタカヤナギアカネ、フルカワアイリらのグループが反ラッパッパを宣言した 理由は明確にはしなかったが、どうやら卒業記念的な要素が強いらしい 中退するムカイダマナツも含めて、最後の思い出作りにラッパッパと戦うという感じか


博多から、サシハラリノ、オオタアイカ、コダマハルカ、ミヤワキサクラらが、栄にやってきた ラッパッパについたところで埋もれるのが関の山、ならば反乱軍として暴れよう コダマとミヤワキは、台頭してきたトモナガミオ、タシマメルを叩くつもりだった
「博多のセンターはハルカとわたしだ」
ミヤワキはメルミオが微笑む写真立てに回し蹴りをかました ガラスの割れる音に呼応して、博多軍が威勢のいい雄叫びをあげる


なんばの渡辺派が、栄に合流する ワタナベミユキは清々しい気持ちで、同志を率いてきた 我がヤンキー人生に悔いなし いつかは、ヤマモトサヤカと戦わなければならない運命だったんだ 副将格のジョウニシケイは、かつてヤマモトとつるんでいた しかし、ワタナベの人懐っこい性格と独特のオーラに魅力され、支持することを決めた いつまでもサヤ姉にでかい顔はさせない なんばの頭はミユキで決まりや 渡辺派も、介護の問題に興味がないわけではない しかし、順番が違うだろ ヤンキーは喧嘩してナンボ、ボランティアは卒業してからすりゃいいんだ 特攻隊長のヨシダアカリが前に出た
「てっぺんとったんで!」


乃木坂学園には、番長グループに入れてもらえなかったアンダーと呼ばれるヤンキー集団がある ハタナカセイラやノウジョウアイミらは、中坊時代から名の通ったヤンキーであったが、上に上があるということか 格差社会の色濃い乃木坂では、アンダーはホリら一年の番長グループからも馬鹿にされていた ホリがホシノミナミ(ラッパッパ)側につくことを表明したため、アンダーたちは栄に向かう決断をした このまま卒業するわけにはいかない 自分たちの生きてきた証を、この戦いに刻んでやるぜ…


栄に様々な思惑を持ったヤンキーたちが、ぞくぞくと集まってきた ラッパッパ、いやマジ女を叩いて名を挙げてやろう 人生は尺とってナンボや!!