AKB48“モウソウ馬鹿” -2ページ目

AKB48“モウソウ馬鹿”

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優子は焦っていた 思いの外、反乱軍の勢いが強い 特に、サシハラリノを中心とする博多勢の鬼気迫る戦いっぷりに、優子は“ひとは変われる”ということを認識せざるおえなかった ミネギシミナミの話では、サシハラは校則違反を犯して、罰として博多に転校させられたとのこと にもかかわらず、サシハラは、若いヤンキーたちを指導するために博多にやってきたとうそぶいている ミヤワキサクラやコダマハルカら博多のヤンキーたちは、大分出身の田舎者がいきなり先輩面することに反感を抱いた しかし、サシハラに何となく従っているうちに、九州中国地方のヤンキー校の頂点に立ち、憧れのマジ女とも渡り合える場所まで来れた ミヤワキたちは、サシハラに絶大な信頼をおくようになり、固い絆で結ばれた超武闘派集団へと成長していったのであった そして、忘れてならないのがオオタアイカの存在だった オオタは、マジ女時代から有名なヤンキーであった しかし、吹奏楽部にスカウトされなかったことを理由に、親交のあったサシハラを頼って博多に転校して来た 彼女の反骨精神が、博多の若いヤンキーたちの向上心に共鳴したということも忘れてはならない

「退くな 戻ってきた野郎は、このサシハラ様がぶっ殺してやる レナ、来いよ 今度は、てめえの鼻の穴に鉛筆をぶっ刺してやるぜ」

血塗れで暴れるサシハラの形相はまるで鬼のようである 優子は、博多についてもっと勉強しておくべきたったと後悔した サシハラを中心にうまくまとまれば、ラッパッパの強い味方となり得ただろう 今からでも間に合うのだろうか

サシハラとオオタがレナをなぶり者にしている 体力の限界を越えているレナに為す術はない そこに、トモナガミオとタシマメルが助けに入った
「サッシーさん、アイカさん、勝負です」
構えるメルミオ


「おう、てめえら来たか 頑張ってるじゃねえか 見直したぜ しかし、勝負は勝負だ 手加減しねえぞ」
調子付いているサシハラを誰も止めることはできない さすがのメルミオも、サシハラとオオタの前に苦戦をしいられた そこに、ミヤワキとコダマが加わる メルミオとレナは地面に倒れ、袋叩きにあっていた


「メル、ミオ」
オカダナナとニシノミキがサシハラたちに飛びかかる しかし、焼け石に水とはこのことで、続々と集まって来る博多のヤンキーたちに取り囲まれてしまった オオワダナナとイコマリナが加勢するが、彼女たちも体力の限界を越えている コジママコは、初めて他人のために涙を流した 友を助けてやれない無力感、自分は何のために生まれてきたのだろう いや、本当に助けられないのか 自分のプライドや周囲の目を気にしていないか もう落ちるところまで落ちたのだ 冷ややかな目で見られても、関係なかろう 体が勝手に反応していた オカダを踏みつけているヤンキーにタックルをかます ニシノを羽交い締めにしているヤンキーの後頭部めがけてハイキックをはなった


「マコ」
オカダとコジマが背中を合わせる
「どこにいたの まあ、いい、後ろは任せたよ」


そこにニシノも加わる
「マコがいたら百人力だよ」


コジマは溢れ出る涙を拭うことなく、戦った 自分を必要としてくれている友がいる なのに、自分は、友を出し抜いて一番になろうとしていた


「マコ、遅い」
メルミオが立ち上がる


「コジマ、てめえがいなけりゃ、マジ女の一年がしまらねえ」
オオワダが微笑んだ


コジマはオオワダの顔を初めて見た気がした 勝手に意識して、真正面からぶつかることを恐れていたのだ


「コジマ、この戦争が終わったら、もう一度、たいまんだ 今度は負けねえ」
イコマがウインクする


こいつら、皆、マジだ だから、私を疑ってはいない
コジマは有り余るパワーで、反乱軍のヤンキーを次から次へと撃破していく 形勢は一気に逆転した 突然のコジマの登場に、さすがの博多軍も陣容を乱され、勢いをそがれた形となった



「ネズミ女じゃねえか」
シライシマイとハシモトナナミが助けにやって来た
「相変わらず汚い手を使いやがる が、しかし、今回は作戦勝ちだな おかげで持ちなおしたぜ」



私は“ネズミ女”だ 信頼を取り戻すには、時間がかかるのかもしれない マジ女のてっぺんは綺麗事だけではとれない 今の自分がラッパッパのためになっているのだとしたら、こういうのをどう考えたらいいのだろうか…

こうして、コジママコは策士としてラッパッパのために働くこととなる パーカーのフードを目深に被り、チューインガムを膨らましながら歩く姿は、近所の子供たちの間で人気を博した 子供たちは、コジマのことを”ネズミ”と呼ぶようになった 優子は、向こうの世界のネズミを思い出して、笑った どこの世界でも、ネズミはてっぺんが好きなんだなあ…
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ワタナベミユキに付き添って救急車に乗ったヤマモトサヤカから優子にメールがあった 優子の人工呼吸のおかげで大事には至らず、意識もあるという 念のため、脳の検査を行い、集中治療室で様子をみるとのこと マユの父親の息がかかった病院であるため、万全の対応が受けられる














「てめえがラッパッパの大将として指揮をとれ わたしたちは引退する」
優子、シノダマリコ、マエダアツコ、タカハシミナミが並んでいる
「レナ、キザキの補佐を頼む」
キザキユリアもレナも満身創痍であったが、ここからが勝負だ 反乱軍に、キザキがてっぺんであることを認めさせるためには、ここからが頑張りどころなのである ナカニシユカ、マツムラカオリは傷をおってリタイアした ボロボロになったスダアカリがキザキに寄り添っている 実を言うと、優子たち幹部はあまり手を出していない これは、キザキたち次の世代の者たちが進むべき道を決める戦いであるのだから ラッパッパの陣容は、大将にキザキ、その両脇をスダとレナが固める 2列目にシマザキハルカ、マツイジュリナ、ワタナベマユ、乃木坂のシライシマイ、ハシモトナナミ、3列目にオオワダナナ、オカダナナ、ニシノミキ、博多のトモナガミオ、タシマメル、栄のキモトカノン、乃木坂のイコマリナが控えている 無傷な者など誰ひとりとしていない












「優子はどうした」
サシハラが叫ぶ 対峙するラッパッパと反乱軍


「優子さん、シノダさん、マエダさん、ミナミさんは参加されない だった今、引退を表明された」
真っ直ぐなキザキは駆け引きをしない 優子たちがいないことは、ふせておいた方が有利なはずだ


「それじゃ、そろそろやろうか」
この戦いの前までなら、優子がいないことを知ったら大喜びしただろうが、今のサシハラは違う 優子がいようがいまいが関係ない 勝ち負けなんてどうでもよくて、自分の戦いをするだけだ ミヤワキやコダマに見せなけりゃなるまい サシハラリノが何故に博多にやってきたのかを…













「サヤカちゃん」
ワタナベミユキが意識を取り戻した 検査の結果が出るまでは絶対安静だ
「皆のこと、頼むで うちは消える これで、なんばは一枚岩や」
ワタナベはヤマモトの手を握り締め、再び目を閉じた


ヤマモトはワタナベの泥まみれの髪の毛を撫でた 涙が溢れて止まらない 出会ったときから、運命を感じていた こいつとなら、てっぺんをとれる しかし、ワタナベを、山南敬助に似てると感じた瞬間から、別れの予感がつきまとった 自分もワタナベも強過ぎる 似てないようで、実は似てるふたりだったのかもしれない さっきのワタナベの微笑みをみて、ヤマモトはすべてを察した なんばを一本化する 渡辺派の存在は、ワタナベにとっても重荷だったのかもしれない ヤマモトは思う ワタナベがいなくなったら、なんばはどうなるのか 自分はワタナベが思ってるほど強くない
“サヤカちゃんならやれる”
ワタナベの寝言に心臓が止まりそうになった ワタナベは、瀕死の重傷をおいながらも自分のことを気に掛けているのか


「ミユキー、うちを見放さんといて うちを見守ってて」
ヤマモトの涙がワタナベの額を濡らす 宿命のライバル、そしてかけがえのない戦友 ヤマモトは唇をワタナベの唇に重ね、そして立ち上がった
「決着つけたる ミユキ、ちょっと待っててや」
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「さやかさんに可愛がられてるからって、調子こくなよ われがうろちょろさらすから、目障りで仕方ないんや なんばのてっぺんに立つんはうちや」
ヤブシタシュウは、シブヤナギサがラッパッパに登用されたことに反発して反乱軍入りを決めた シブヤはマジ女の一年生であるオカダナナやニシノミキと親交があり、彼女らの推薦でラッパッパ入りが決まったのだ なんばの一年の番格はヤグラフウコであったが、ヤブシタの眼中にはない しかし、急に売り出してきたシブヤだけは見過ごすわけにはいかなかった


「じゃかましい フウコに言われるんならわかるけど、なんでわれみたいな下っ端にそんなこと言われなならんのじゃ ごたく並べんと、はよかかってこんかい」
シブヤが口を歪めて笑う

ヤブシタが少しずつ距離をつめる シブヤのパンチ力には定評があり、一発食らうと終わってしまう ヤブシタは寝業を得意としていた つかまえれば勝機はある シブヤのジャブがヤブシタの顔面をとらえる リーチはヤブシタよりも長い シブヤの右フックが空を切った パンチのスピードが速くて、なかなか懐には入れない












キザキユリアの周りをナカニシユカ、スダアカリ、マツムラカオリが固めている この戦いは、マジ女の次の世代を占う戦いでもあり、キザキはその先頭を走るひとりだ 栄をライバル視するなんばにとっては、キザキをのさばらせておくわけにはいかない 特に、コンドウリナのキザキに対する嫉妬心は尋常でない ヨシダアカリ、ジョウニシケイとともに、キザキの動きを注視していた スダらが優子を倒したという噂は聞いている 簡単にはやれないだろう しかし、最後はラッパッパの中枢と戦わねばならないのだ 今、ここでキザキたちを倒しておけば、戦いを有利に進められる ジョウニシがなんばの兵隊を集めにいった 一気に勝負をつけよう















早朝から始まった乱闘は、深夜になっても決することはなかった 基本的に戦うことをやめるか否かは本人次第なので、皆、ふらふらになりながらも戦い続けている 数では圧倒的優位であった反乱軍だが、所詮は烏合の衆 組織的に統制のとれているラッパッパとは勝負にならない ジュリナと戦ったミヤワキサクラ、シマザキハルカと戦ったコダマハルカ、ワタナベマユと戦ったオオタアイカなど反乱軍の猛者たちの体力はかなり消耗していた レナとたいまんしたタカヤナギアカネにいたっては救急車で病院に搬送される始末 ワタナベミユキは、最後の戦いとすべく、ヤマモトサヤカを探した ワタナベのもとに、ボロボロになったコンドウ、ヨシダ、ジョウニシがたどり着いた
「ミユキ、キザキとやったで」
コンドウが苦しそうに微笑む
「悔しいけど、やられてしもうた せやけど、キザキの顔もぐちゃぐちゃにしたったわ これで、ミユキはうちの…」
気を失うコンドウ ヨシダ、ジョウニシも力尽き、気を失っている

コンドウを抱きしめるワタナベ
「あほやなあ ユリアちゃんは強い言うたやろ まあ、ユリアちゃんにやられたんなら本望や もうすぐ大阪に帰れるからな」
コンドウの唇に唇を重ねる それから、ヨシダとジョウニシの頬にも口づけた ワタナベは意を決したように立ち上がる さあ、サヤカ、最初で最後のたいまんや















優子がそこで見たものは、言葉では表現しがたい光景だった いわば二匹の獣が何かをめぐって争う様 もはやふたりの顔は原形をとどめていない


「死ねや」
ヤマモトのストレートが、すでに潰れているワタナベの鼻をさらに押し潰す しかし、ひるむことのないワタナベ

「こんなパンチでは死ねん」
顔を引きつらせたワタナベ 自分では笑っているつもりなのだろう

足を止めて殴り合うふたり パンチが当たる度に、夥しい血飛沫が辺りに飛び散る ヤマモトは、カウンターを狙っていた ワタナベの顎は完全にあがっている あそこに入れば、勝負は決するに違いない ヤマモトは、ワタナベにパンチを打たせるためにガードを下げた そして、その時にヤマモトははっきりと見たのだった ワタナベが微笑んでいる 血塗れの顔で、仏様のような穏やかな微笑みをたたえているのだ ワタナベの拳が近づいてくる ヤマモトは渾身の右アッパーを放った 後方に吹っ飛ぶワタナベ 仰向けに倒れ、動かないワタナベの口から血と泡が吹き出していた 優子は、ワタナベに駆け寄った いくら声をかけても反応がない いわゆる心肺停止状態であることを確認した優子は、人工呼吸を施し、救急隊員を呼びに行かせた その様子を呆然と見ているヤマモト
「ミユキが笑ってた 穏やかな顔でうちを見つめてた ミユキのパンチの方が早かったんや うちはやられたって思った ミユキは、うちに本気を出さすために…」
そう呟くと、膝から崩れ落ち、その場で気を失った


救急蘇生によって呼吸を取り戻したワタナベは、救急車で病院に運ばれていった 優子は、反乱軍の大将となったサシハラリノを探し、降伏を促した ワタナベミユキのリタイアにより、実質上勝負は決したことになる しかし、必死に戦っているミヤワキやコダマの姿をみると、サシハラは首を縦に振ることができなかった 奴らはプライドをかけて戦っている ワタナベがやられたとの噂は、反乱軍のヤンキーたちの戦意を喪失させ、その数は激減していた
「優子、わたしたちはまだまだやれる ラッパッパに一泡吹かせない限り、博多には帰れないんだ」
サシハラのもとに、オオタ、ミヤワキ、コダマ、モリヤスマドカ、マツオカナツミ、ナカニシチヨリ、ムラシゲアンナ、タナカナツミ、タニマリカ、フチガミマイが集まってきた そこに、なんばのタニガワアイリ、ヨギケイラ、シロマミル、キノシタハルナ、オオタユウリが合流、さらに栄のヤカタミキ、シバタアヤ、ウメモトマドカ、カネコシオリ、ミヤマエアンナ、マジ女のキクチアヤカ、ミヤザキミホ、サトウスミレ、フジエレイナも合流した 反乱軍は、最後の戦いを挑む前に円陣を組む やれることはやり尽くした しかし、体が動くうちは屈するわけにはいかない 救急車で運ばれた多くの友たちの無念をはらすために、わたしたちは最後まで戦いぬく ラッパッパだけがマジ女じゃねえ 路傍の石にだって、プライドも夢もあるんだ…