AKB48“モウソウ馬鹿” -25ページ目

AKB48“モウソウ馬鹿”

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“過去と未来”


名古屋で新幹線を降り、タクシーに乗って向かった先は老人ホームであった 気付かれないように尾行を続けると、マエダは二階の個室に入っていった ドアは開きっぱなしにしてあるみたいで、外から中の様子がうかがえる マエダは、ベッドに拘束された老婦人に話し掛けているようだった 拘束されているということは、認知症患者ってことである いったい誰なのだろうか

「マリコじゃない こんなところでいったい何してるの?」
マエダがきょとんとした目をしている

「い、いや、偶然見かけたんでついてきてしまったんだ 悪気はなかった」
苦しい言い訳をした

しかしマエダは怪訝な顔ひとつせず
「奇遇だね、こんなところで会うなんて 入っておいでよ、紹介するから」
と微笑んだ

マエダは父親の仕事の関係で、中学3年のときに名古屋に引っ越してきて、みなみと親友になった しかし、高校1年の秋にマエダをかばって、みなみが亡くなってしまった みなみは幼いときに両親を亡くし、施設で育ったのだそうだ 彼女は、その施設の職員で、いわばみなみの親代わりのようなひとだということだった
「認知症が急激にすすんじゃって、わたしのこともわかったり、わからなかったり ただ、みなみの話をすると正気に戻るんだよ だから、週末はここに来て、みなみの話をするんだ」

「敦子が変わった理由がわかったよ」
サドも優しく微笑んだ

「敦子ちゃん、お友達? まなみにも紹介しなくちゃ あの子ったら、どこに行ったのかしら」

「まなみっていうのはみなみの本当の名前なんだ みなみは双子で、妹の名前がミナミなんだって わたしはずっとみなみが本名だと思ってたんだけどね みなみは、妹が大好きだったんで、自分のことをみなみって呼ぶようになったんだって」

サドは何気なく枕元に置いてあるフォトフレームに目をやった そこには、チームAのキャプテンだったミナミが微笑んでいた
「あ、敦子、もしかしてミナミっていうのは…」

「わからない でも、そっくりだったからねえ 初めて会ったときは、ミナミだと思ったもん それでさあ、その妹のミナミさんが馬路須加女子学園にいるっていうから、わたしも入ったんだよ」

そういうわけだったのか…ものごとには必ず理由が存在する まったく関係なさそうに見えたり、偶然のように感じたりしても、大概はそうなる理由というものが存在するのだ
「それで、ミナミに会ってどうするつもりなんだ?」

「わからない… ただ、みなみに頼まれたから、会わなきゃって思った わたしは、いっしょに介護士の勉強したいと思ってるけど、こればっかはミナミの問題だから さあ、そろそろ帰ろうかなあ… マリコはどうする?」

「わたしも帰る 用事はとうにすんだんだ」

「じゃあ、いっしょに帰ろ 看護学校の話とか聞かせて欲しい あら、寝ちゃってる みなみの話をすると、いつも満足そうな顔して寝ちゃうの なんで、拘束なんてするんだろ こんなにおとなしいのにね」
マエダは老婦人の頭を愛しそうに撫でた





「1990年代前半にイギリスの偉い先生がパーソンセンタードケアっていう方法を考え出したんだって 認知症の患者さんって暴れたりするでしょっ 危ないっていう理由で拘束しちゃうんだよね でも、そんなことを患者さんが望んでるはずないじゃん パーソンセンタードケアっていうのは、ひとを中心においたケアってことなんだって 暴れるっていうのは介護してる側の受け止め方で、患者さんは何かを訴えたいのかもしれないし…」

熱く語るマエダに、サドは自分を重ねていた 昔のわたしを知る人間は、今のわたしをどんなふうに見るのだろうか 不思議なんだろうなあ 病院送りにしてきたわたしが、病院で働くなんて
「それじゃあ、患者さんが暴れたときはどうするんだ?」

マエダは嬉しそうな顔をした
「そこなんだよ そりゃ抑えつけるかもしれない でも、意味もなく暴れるかなぁ 絶対に、意味があるんだよ だから、観察するの 話し合うのよ」

「そうか… 認知症の患者さんと話し合うっていうのは面白いな」
サドは泣いていた なぜかとても嬉しかった ミナミ、敦子と勉強しろよ 新しい未来が拓けるかもしれねえぜ…
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“策士、策に溺れる”


チュリはいつも3番目だった ジュリナとレナが抜きん出て、その次にわたし マジジョからスカウトされたのもあの二人だけ 別に東京に行きたかったわけじゃないけど、わたしだってSKEのトップだったんだから ちょっと痛い目にあわしてやろう

「ミナミさん、マジジョにはいつ仕掛けるんですか」
そろそろ出席日数が心配になってきた 東京に来て1週間が経つが、動く気配がまったくない

「そうだなあ、そろそろ始めるかな」
ミナミはチュリの喉元にナイフを突き付けた
「てめえ、SKEだったんだろ みなみのこと憶えてるか?」

やっぱり… こいつはあのみなみにそっくりだから…
「えっ、ミナミって?」
取り敢えずはしらばっくれよう

「てめえらに殴り殺されたみなみだよ 俺はみなみの妹だ」
刃がチュリの皮膚に食い込む 鮮血が滴り落ちた

殺される…殺気が半端ない こういう状況は何度か経験したことがあるが、本気の奴なんていない しかし、こいつは違う 下手こいたら、殺されるに違いない

「ミソに、ゲキカラとセンターを呼びにいかせた 来ると思うか? ミソも傷めつけたからなぁ(笑) 来なけりゃてめえを殺すって」




マジジョにたどり着いたミソ
「た、助けてください ゲキカラさんかセンターさんをお願いします」
誰かれともなくすがりついた
「ラッパッパに連れてってください」

「なんだ、てめえは」
学ランは血塗れのミソを担いで部室に連れていった

「ゲキカラさんか、センターさんに会わせてください チュリさんを助けてください、ごほっ」
血を吐くミソ

ゲキカラが現れた
「チュリ? 知らねえな…」

「お、お願いします じゅ、じゅりなさんをお願いします」

「てめえ、じゅりなを知っているのか?」

「はい、ごほっ、ごほっ、直接お話させて頂いたことはありませんが… じ、自分はSKE…」
気を失ってしまった

センターが部室にやってきた
「花音じやねえか てめえがやったのか」
レナの胸ぐらをつかむ

「わたしじゃない てめえ、チュリって知ってるか?」

「ああ… SKEの頭やってたひとだろ」

「こいつが言うには、わたしとお前が二人っきりでヤバクネに行かなければ、チュリっていうのが殺されるらしいんだ」

「なんでチュリがヤバクネに… 花音はヤバクネの一年生で、わたしの中学の後輩だ…」

「そうか… どうする? ヤバクネに行くか?」

「仕方ないだろ こいつの様子からみて嘘ではなさそうだ わたしたちがいかなければ、本当に殺すかもしれない…」


ユウコが騒ぎを聞き付けてやって来た
「いったい何事だ ひどい怪我だなあ 救急車呼んだのか」

「ユウコさん、自分とセンターはヤバクネに行ってきます 二人で行かなければ、こいつの知り合いが殺されるらしいんです」

「マジかよ… まあ、てめえらなら心配いらねえだろうが…」






シブヤに気付かれないように、学校から少し離れた倉庫に紗血穂昂の連中を幽閉した 皆、傷めつけられてぐったりしている


「二人がやってきました」

「そうか… よかったですね(笑)」
ミナミは柱に縛りつけたチュリに蹴りをいれた


ゲキカラとセンターがミナミのもとに案内されてきた
「わたしたちに用があるっていうのはてめえか?」


ミナミはチュリの喉元にナイフを突き付けた
「はじめまして、名古屋のゴミさん(笑)」


「レナ、ジュリナ、すまない… だまされたんだ、こいつに…」


「人聞き悪いっすねえ」
チュリに蹴りをいれる
「てめえらを誘きだすために、わざわざ名古屋から来て頂いたんだよ 目障りなんだ、てめえらがよ それにしても、めでてえ奴らだぜ こいつは、てめえらをやるためにやって来たんだぜ こんな奴を助けるためによお(笑)」

金属バットを持ったヤンキーたちが殴りかかった 反撃するゲキカラとセンター

「ぎゃあああ…」
ミナミがチュリの腕にナイフを突き刺した
「動くんじゃねえ こいつをぶっ殺すぞ」


ひるむゲキカラに金属バットが振り下ろされた


「てめえ…」
センターが蹴りをいれる

「動くんじゃねえ」
今度は足にナイフを突き立てた 反応しないチュリ

センターにヤンキーたちが襲いかかった…







ゲキカラとセンターが病院送りになったという情報が、日本中を駆け巡る カツオはチュリたちを矢場久根にやったことを後悔していた あの二人が、普通に喧嘩してやられるわけがない ミナミって奴が、卑怯な手を使ったに違いあるめえ チュリから連絡が途絶えて一週間以上になる おそらく五体満足ではなかろう カツオは、SKEのOBたちを集めて東京に向かう決意をした
「あの野郎、ただじゃ済ませねえぜ」






ネズミはラッパッパの部室にユウコを訪ねた
「失礼します」

「なんだ、ネズミじゃねえか」

ネズミは泣いていた
「センターの仇をとりたいっす あいつがやられるなんて… でも、あっし独りの力ではどうにもならないっす」

ユウコがネズミの肩を抱いた
「すまん、俺が頼りねえばっかりにセンターまでよ…」

ユウコは考えていた ちょっと異常じゃねえか? ヤンキーの喧嘩なんて、殴り合えばいいだけじゃねえのかよ それがなんだ、殺すの殺されるの おとりを使って呼び出して、武器を使ってフクロにする 陰湿過ぎるぜ ミナミって野郎はチームAの頭だったんだろ  正統派のヤンキーじゃねえのかよ シブヤの野郎も狂っちまったのか…






「いってえ、どういうことだ」
シブヤがミナミの胸ぐらをつかむ
「ダンスに聞いたがよ、てめえ、名古屋の連中までやったのか」

「ああ… あいつらはアネキの仇だ」

「なんだと?」

「それに、ゲキカラやセンターと普通にやって勝てるのかよ もうガキじゃねえんだからよお、頭使わねえと(笑)」

こいつ、本当にミナミなのか チームA時代は、曲がったことが大嫌いで、ばか正直なくらいだったじゃねえか…





トリゴヤの報告によると、マエダは、学校が終わると病院でアルバイトをし、週末は新幹線に乗ってどこか旅行に行くらしい それも毎週… サドは、思い切って、マエダと同じ新幹線に飛び乗った 矢場久根との戦争にまったく興味を示す様子のないマエダ しかしサドは、どうしてもマエダが無関係だとは思えなかった 何か秘密を解く鍵なないか 取り敢えずは、マエダの身辺から調べてみることにした しかしながら、サドも看護学校が忙しい そこで、ヒマな女子大生のトリゴヤにマエダの行動を調査してもらったのだ
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“義と偽”


「久しぶりじゃねえか、タコヤキよお」
ユウコはユカをハグした タコヤキというのは、大阪生まれで顔の丸いってところから、ユウコが授けたあだ名である 一応、追出夜叉でもタコヤキで通してはいるが、大阪でたこ焼きは珍しくもなんともないし、あまりインパクトのあるあだ名ではない だから、仲間はユカと呼ぶことが多い

「タコヤキだって? おお、タコヤキ、柔らかい(笑)」
学ランがいきなり胸を揉む

「ユカはん、元気してはったん ほんま久しぶりやねえ」
オタベまでもが胸を揉む タコヤキはかなり巨乳なのだ

「ユウコさん、ご無沙汰してます 微力ながら何か手伝えることがあればと思いまして 紹介します こいつが副番の山本彩、さや姉といいます そして、こいつが特攻隊長の渡辺美優紀、ミルキーといいます そして、こいつらが山田菜々と城恵理子で、ババアとガキっていうコンビです」

「あはははは、なんだ、そりゃ」
ユウコが腹を抱えて笑っている

「こう見えても最強コンビですから(笑) すいません、旅費の都合でこんだけしか連れてこられませんでした」
タコヤキは皆にユウコを紹介した

「よろしくお願いします」

「ありがとよ、タコヤキ 数なんて関係ねえよ てめえんとこの兵隊だろ、やってくれるに違いあるめえ」
ユウコの目に涙が溢れている 学ランも泣いている チームKの縦のつながりは絶対なのである

また、チームK出身の梅ちゃんもマジジョに寝返った ヤバクネに退学届けを出してきたとのことである そして、彼女の口から重大な情報がもたらされた ヤバクネの影の番長が、元チームAのミナミだというのである なんと尺は、ミナミと会ったことを報告するのを忘れていたのだった 普通に考えれば、これは大失態なのであるが、ユウコのこの一言で水に流された
「尺の野郎、頭殴られ過ぎて記憶喪失にでもなりやがったか(笑)」
やはり、ユウコは大物なのだった






ブラックが、ネズミとヤバクネのカムバックを誘ってお茶している
「マジ、むかつくんですけど、ユウコの奴」
興奮し過ぎて、唾がネズミやカムバックの顔にかかる
「だいたい何でわたしがあなたの教育係を仰せつからなければならないんですか ユウコはあなたのことが嫌いじゃないんですって よかったわね」


「ブラック先輩」

「ブラックって呼ばないでよ ここはマジジョじゃないんだから ゆきりんでいいわよ、ゆきりんで」

「まあ、そう興奮しないでくださいよ あっしを教育するって、どういうことっすか」

「知らないわよ ユウコはあなたとセンターでラッパッパを仕切って欲しいんだって あなた、汚いことばっかするから、ラッパッパに相応しくないんですってよ どぶねずみが汚いのは仕方ないわよねえ」

「あはははは」
カムバックがお腹を抱えて笑っている

「カムバック先輩まで…」

「カムバックっていうのもやめて もうチームBは卒業したんだから、あやりんでいいの、あやりんで」
あやりんは恋愛禁止のチームBで、男がいることがばれて追放されたが、精進が認められて復帰が許された それ以来“カムバック”と呼ばれている

「ところでカムバック(笑) 冗談、冗談だって それで、ヤバクネはどんな感じなの?」

「それがですねえ、わけわかんないんです 実は、うちの本当の頭はシブヤさんではなく、ミナミってひとなんです ほら、チームAのキャプテンにミナミっていたじゃないですか めちゃくちゃ有名だったから、ご存知でしょつ?」

「わたし、あんまり他のチームに興味なかったから いっこ下? おない? 何でおないが高校生やってるわけ?」

「わからないっす まあ、シブヤさんも高校生やってますから… いろいろあるんじゃないっすかねえ」

「それで、何がわけわかんないわけ?」

「それがですねえ、ミナミさん、全然戦争する気なさそうなんですよ」

「マジかよ てめえ、ガセ流して、マジジョを罠にはめるつもりじゃないだろうな」

「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ うちは、ヤバクネよりもチームBの絆の方が大事っすから」

「だよねぇ(笑) だいたい戦争中にこうやって会ってるわけだし 考えてみれば、ユウコとシブヤの喧嘩でしょっ わたし、関係ないし…」






ミナミは、シブヤにさとられないようにミソを呼び出した シブヤの舎弟のダンスもSKE出身 計画がばれたら、邪魔される可能性がある ゲキカラとセンターは現れるだろうか…