Nコンブログ【NHK全国学校音楽コンクール合唱ファンブログ】 -272ページ目

安積女子元顧問・渡部康夫氏著「愛と栄光のハーモニー」を読んで~美しい心が生み出す、愛のハーモニー

今では絶版となっていますが、
渡部先生の著書「愛と栄光のハーモニー」を
読む機会がありましたので、感想を。



渡部康夫先生といえば、
合唱の名門・安積女子高校在職中に、

(現在の安積黎明高校)
全日本音楽コンクール8度の金賞、
7年連続の金賞に導いた名顧問です。
その連続金賞記録は現在も続き、
昨年までで31年連続金賞しています。
合唱王国・福島の礎を築かれ、
昨年、逝去されました。



その安積女子が連続日本一になるまで、
そして退官されるまでの栄光の軌跡が
回想録のように書かれてます。
当時の部員の声も交え、
合唱団の様子が目に浮かぶようです。
昭和49年に赴任し、
昭和55年度に初金賞を受賞した
名演「オデコのこいつ」から「ゆめ」、
翌年の「狐の歌」から「Ⅰ醜聞による」
で起きた奇跡や、部員集めの方法、
「個人点検」の実践方法、
ヨーロッパ演奏旅行のエピソードetc...
盛りだくさんでです。



印象的だったのが、合唱のみならず
真摯でひたむきな生徒たちの姿。
遠征時の旅館でのエピソード。
渡部先生が部員の一人に
「これだけのお膳を運ぶのは大変だろうね。」
とささやくと、それが全員に伝えられ、
お膳が運びやすいように片付けられ、
リレー方式で女中さんに渡される。
旅館の100足近くのスリッパも整然と並べられ、
ごく当たり前のように行われていたそうです。
宿のご主人からご褒美にジュースが差し入れられ、
ジュースで乾杯を行ったといいます。
またあるとき、出場メンバーを抽選で選んだとき、
くじに当たったメンバーが出られないメンバーを思い、
「練習に熱心でなかったから、応援に回してください。」
と申し出たメンバーがいたかと思えば、
もう一人の部員が、
「私、譜めくりに回ってもいいですよ!」
と申し出る。渡部先生は、
「コーラス部を愛する気持ちをありがたくいただきます。」
と言い、メンバーたちが手を取り合って泣いたそうです。
技術だけでなく、生徒たちの心も美しいから
あの透明なハーモニーが生まれるのだと思いました。



生徒の心が美しいのは、顧問の心も美しいから。
こんなエピソードも印象的でした。
コンクールに入賞すると贈られる賞状。
たった一枚しかない賞状を、
複製していたそうです。
複製するだけでなく、一枚ずつ先生が裏書き。


「青春のよき思い出の証として」
「美しく生きた青春を賛えて」
「汗と涙の金字塔をともに」


等、一人ひとりにふさわしい言葉を添えて、
最後に先生の署名と特注印を押して
渡していたそうです。
(当時の団員数は100名以上にもなります。)
その賞状を毎年、生徒たちに渡せることが
幸せだったと振り返っておられました。



この生徒と先生の信頼関係の美しさは、
審査員にも伝わります。
作曲家の小林秀雄さんは、
安女合唱団をこう述べたそうです。


「先生や生徒さんとの関係の自然さが、
こういう結果を生むのでしょうね。
本番のとき、生徒さんの顔がこわばらないんですね。
笑顔で先生を見てるんです。
これがぼくの驚いた点です。」



名門の安女とはいえどのコンクールも順風満帆、
というわけではなかったようです。
ある年のコンクールでは凄まじく票が割れ、
1位をつけた審査員もいれば、最下位をつけた審査員も。
渡部先生はこうおっしゃっています。


「音楽に絶対というものはない。
音楽は聴く者の立場によってどのようにも解釈され、
順位の判断は個人の好みによって大いに異なるものだ。
音楽はそれだけ奥ゆきが深く、
無限の豊かさに満ちた芸術といえるだろう。」


コンクールは順位に一喜一憂しがちですが、
それだけ音楽は深く無限の豊かさに満ちている。
単に結果ではなく、それまでの過程や努力に
充実感を得たくなる言葉です。



Nコンについてのエピソードも。
安女は、昭和51年に初出場し、
昭和57年に初の東北代表、
初の全国優勝を果たしました。
当時は生放送ではなかったので、
渡部先生には事前に優勝を知っていましたが、
生徒たちには内緒でケーキを40個用意。
全国大会の放送を部員みんなで観覧。
結果は優勝、結果発表で盛り上がる中、
渡部先生はすまし顔でケーキを配る。
「先生、わかってたんでしょー」
「先生ずるーい」
という言葉が飛び交ったそうです。



長々と書きましたが、
まさに「愛と栄光のハーモニー」が
満載の一冊でした。
また、渡部康夫先生の追悼演奏会が
2012年5月に郡山市で行われるとのことです。
多くの愛を、ハーモニーを生み出した渡部先生。
ご冥福をお祈りいたします。




※出典
「愛と栄光のハーモニー」(講談社、1989年)
渡部康夫著





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【Nコン2011】今年の全国の代表校が出揃う!/過去の名曲たちに魅せられる日々?

昨日でブロックコンクールも終わり、
全代表が出揃いました。
代表校についてはこちら でご確認を。
一部演奏動画が公開されてませんが、
後日アップされる予定です。
私もさっきからイヤホンをPCに挿して
聴きまくっております。
全音源公開されれば、
自宅で擬似全国コンクールも
できるんですけどねぇ。



Nコンライブ
※ブロックコンクールの演奏動画が視聴できます。

※アクセスはパソコンからのみです。
※NHKのサイトが別ウィンドウで開きます。



このブロック鑑賞とは別に、
iPodで最近楽しんでるのは
昔流行った合唱曲たち。
よく聴いてるのが湯山昭さんの
組曲「コタンの歌」。
「熊の坐歌(ウポポ)」
「アツシの歌」「ムックリの歌」
「パナンペ・ペナンペのリムセ」etc...
アイヌ民謡を題材とした楽曲で、
ビビビと電流が走るような衝撃。
「臼搗き歌」は昭和52年度の優勝校
高松第一高等学校の自由曲でもあります。



(音源は東京混声合唱団です。)



昭和50年代には盛んに歌われていたようで。
今の高校生でも、表現力のある団体の

演奏で聴いてみたいなぁ。
他にも「木琴」や「一日に何んども」、
「親しらず子しらず」等の岩河三郎作品も。

「一日に何んども」はNHKの委嘱作品で、

NHK東京児童合唱団が収録時に、

泣きながら収録したそうです。

本当にいい曲。
古い作品たちがとても新鮮です。





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【Nコン2011】近畿ブロックコンクール高等学校の部の審査結果は?

全国のブロックコンクール、
最後の審査結果が出ました。
台風12号の影響で延期になった
近畿ブロック高等学校の部。
非公開でスタジオ審査となりましたが、
審査結果を見てみます。



近畿・高等学校の部
【金賞】
武庫川女子大学附属高等学校


【銀賞】
和歌山県立田辺高等学校


【銅賞】
兵庫県立長田高等学校
京都府立西城陽高等学校



武庫川女子が代表となりました。
昨年生で聴いて良い演奏だったので、

今年も全国で頑張って欲しいです。


近畿ブロックの高等学校の部は、

今年も生鑑賞の予定だったのですが、
台風が相手なので仕方ないですね。
結局「僕が守る」を生で聴けずです。
なお、延期となっていたブロックは、
後日の動画公開となります。




Nコンライブ
※ブロックコンクールの演奏動画が視聴できます。

※アクセスはパソコンからのみです。
※NHKのサイトが別ウィンドウで開きます。


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