第26回 淀川工科高等学校グリークラブ 定期演奏会レビュー(2012.1.15)
今年も涙あり、笑いあり、
感情を切り換えるのが忙しい、
とても充実した定演でした。
私も未だに涙でまぶたが痛いです。
終演後、あんなにすすり泣きが聞こえる
定演もめずらしいんじゃないでしょうか。
さすが26年の歴史がありますね。
演奏会のプログラムをのぞいてみます。
【1stステージ】
◎童声合唱とピアノのための「がっこうのうた」より
(詩:ねじめ正一、作曲:鈴木輝昭)
「ろっぱつおなら」
「こうてい」
「こたえができたら」
「うんどうかい」
「こうていの木」
鈴木輝昭さん作曲の2部合唱曲です。
鈴木さんらしいつかみどころのないメロディですが、
ねじめさんの詩がいきいきと遊んでるようでした。
出典は「がっこうのうた」ですが、
今年のNコンの自由曲でも歌われた
「おりたたみせんせい」が収録されている
ユニークな詩の絵本です。
会場からは時折笑いが漏れてました。
【2ndステージ】
◎たのしいコーラス
「となりのトトロ」(作詞:宮崎駿、作曲:久石譲、編曲:冨澤裕)
「あなたひとりじゃない」(作詞・作曲:いんぐりもんぐり)
「不協和音」(作詞・作曲:ブリーフ&トランクス)
「あなたひとりじゃない」は
過去の定演演目から。
ちょっとお下品なあるあるも含んだ
コミカルな楽曲。
これまた笑いが漏れてましたね。
ブリーフ&トランクスの「不協和音」は、
いつもハモる淀工グリーが、
ハモらない淀工グリーに変身。
OBと現役のあの人数で奏でる不協和音は
ある意味圧巻でした(笑)
無伴奏混声合唱のための「アニソンオールディーズ」より
「にっぽん昔ばなし」(作詞:川内康範、作曲:北原じゅん)
「ゆけゆけ飛雄馬」(作詞:東京ムービー企画部、作曲:渡辺岳夫、編曲:信長貴富)
不協和音の直後の「にっぽん昔ばなし」は
非常に美しいハーモニー。
このギャップが凄かった。
思わず涙ぐんでしまったり。
こんなにいい曲だったんですね。
「ゆけゆけ飛雄馬」は、アニソンのミクスチャー。
「アタックNo.1」と「タイガーマスク」が
ミックスしていて、3人のソロ演奏付き。
1人は現役で鮎原こずえの名ゼリフを(笑)
「糸」(作詞・作曲:中島みゆき)
中島みゆきの名曲「糸」。
関西では最近CMソングでも流れてましたね。
会場がしっとりとした感動に包まれます。
私も改めて歌詞を噛締めました。
この後、15分休憩だったんですけど、
涙の後の休憩は焦ります(汗)
【3rdステージ】
◎コンクール報告演奏
男声合唱とピアノのための
(詩:星野富弘、作曲:北川昇)
「貧乏くじ」
「難転」
今年の超少人数で挑んだ全日本の演奏曲。
大阪大会で金賞、関西大会で銅賞でした。
昨年に引き続き、北川昇さんへの委嘱です。
来年も2曲お願いしているそうで、
計6曲を来年の定演で披露する予定だそうです。
会場には今年も北川さんのお姿が。
「貧乏くじ」はジャズ調(?)のシャレた曲です。
人生の逆境を“なかなか手に入らないすごいもの”
という逆転発想で喩えられてます。
続いての「難転」は「貧乏くじ」のアンサーソングでしょうか。
引いてみた貧乏くじはとても辛い逆境でしたが、
神様に感謝したくなるような幸せなものも
同時に与えてくれたという「災い転じて福となす」的な歌。
近くの観客の方が何度も歌詞カードの詩を
噛締めてたのが印象的でした。
【4thステージ】
◎OB単独演奏
無伴奏男声合唱のための小組曲「見よ、かの蒼空に」より
(短歌・詩:石川啄木、作曲:信長貴富)
「少年」
「終曲」
男声合唱とピアノのための「くちびるに歌を」より
(詩:ツェーザー・フライシュレン、訳詩・作曲:信長貴富)
「くちびるに歌を-Hab' ein Lied auf den Lippen-」
普段の淀工の定演の選曲には
テーマは特にないそうなのですが、
今年は自然と東北の復興を願った
選曲となったそうです。
まずは東北出身の石川啄木の詩と短歌を歌った楽曲。
やっぱり、う、上手すぎる。
上手すぎるというより、
詩の意味が誰にでもわかるように歌われています。
ハーモニーも美しい。
うっとり・・・
「くちびるに歌を」は震災後に盛んに歌われている楽曲。
何度も歌詞を読み返しながら聴きました。
◎OB・現役合同演奏
男声合唱組曲「季節へのまなざし」より
(詩:伊藤海彦、作曲:荻久保和明)
「みのる」
「ゆめみる」
こちらも東北の復興を願い、
秋と冬の季節が歌われました。
9人の演奏もいいですが、
やはりこれだけの人数がそろうと
演奏の深みが増します。
「ファイト!」(作詞・作曲:中島みゆき)
淀工グリーのオハコともいえるこの曲。
これはぜひ生で聴いていただきたいです。
淀工グリーの魅力がこの曲に凝縮してるといっても
過言じゃないのではないでしょうか。
中島さんにもぜひ聴いてもらいたいですね。
【アンコール】
「高校三年生」(作詞:丘灯至夫、作曲:遠藤 実)
「マイウェイ」(作詞:G・ティボー、作曲:J・ルヴォー、訳詞:中島淳)
卒業する3年生5人が紹介されました。
高嶋先生の淀工グリーへの想いが、
今年も語られました。
今年の淀工グリーのメンバーは
昨年の11人から今年は9人と
更に過去最低になりました。
たった9人のグリークラブで
ほとんどが席が埋まってしまうんですから、
淀工グリーの魅力がわかると思います。
ステージの途中でも
「もう引き算が怖いです」
と司会の方もおっしゃってましたが、
今年は5人の3年生が卒業します。
来年は新入生が入らなければ4人です。
高嶋先生も「もしかしたら今年が最後かも・・・」
ということをおっしゃってました。
「淀工グリーがなくなる覚悟もできた」
ということもおっしゃってました。
アンコール後の3年生たちやOBたちが
抱き合っていたのが印象的でした。
会場にいる観客の方々も
わが子を見守るような視線を投げていました。
今年も感動的でちょっと笑いもある
淀工グリーらしい定演だったと思います。
以前、部員の一人が、
新聞の取材にこう答えたそうです。
「コンクールはあまり好きじゃないんです。
勝つことよりも、聴く人に曲の意味が
伝わるような合唱がしたい。」
・・・しっかり伝わってきました。
本当にありがとう!
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