第5話 学生カウンセラー 後編
玄関ドアの横の格子窓から、誰かの気配がする。
「センシュウ、大丈夫か?」
「ああ、とーちゃんか☆」
「そうだ、俺だよ。遅くなってすまない。ドア開けてくれるかい?」
「夜中にノックしてるから、ろくでもない奴がきたなと思ったんだ」
「半分は当たっているな」
「とーちゃんと連絡が取りたくて、何度もゆかりさんに連絡したんだぞ。何してたんだ?」
「すまない。今日は色々あったんだ。」
「チェンチョンが、とーちゃんに急いで話したい事があるみたいだったぞ」
「そうか、まぁドア開けてくれるかな?」
「それは、とーちゃんの頼みでも聞けない」
「なんでだい?」
「部屋が汚いし、夜だから」
「そうか。チェンチョンもセンシュウと同じアパートだったよな。今から行ってみるわ」
「あ、とーちゃん。チェンチョン出かけたよ」
「そうか、上手くいかないな
」
「とーちゃん忙しいからね。チェンチョンには明日、授業で会ったら言っておくよ」
「ああ、頼むよ。チェンチョンも遠慮しないで直接連絡してこいって言っといて。あいつも内気だからな」
「シャイボーイだからね」
「親友が家に来てもドア開けないシャイボーイもいるからな」
「今、俺パジャマだからな」
「パジャマは関係ないだろう。ダイイチロウを待たせてるから、俺行くな」
「あい。とーちゃんありがとうな」
「チェンチョンには会えなかったけどな、またなお休み」
結局、チェンチョンと次に会うのは、奴が死んでからだった。チェンチョンの名前はチムラ。
天然パーマで、おどおどしているが、冗談のうまい奴だった。
