Lady Strawberry アパレル君 -74ページ目

第9話 ガガーリン 後編

ペタしてね

ダイナーに向かう間に、数台のパトカーとすれ違う。

日本平の入り口近くにあるダイナーは、不良が集まる喫茶店。

駐車場には、ウチヤマやパンクが、だべっていた。

ジュンが話かける「何かあったんすか?」

「いや、何もないよ」

マツダの派手に壊れた単車と、俺達を見て、マツダが背中からヌンチャクを取り出し、ウチヤマに放り投げる。

「それ、やんよ」どや顔で話すマツダに、ウチヤマは、笑顔で応えた。

「ジャッキーチェーンじゃないですか。…でも、いらないっす。」

「チェーンじゃなくて、チェンな」と突っ込みながら、ゴリラ達と喧嘩した事、シェルに突っ込んで死んだ中に、俺の友人がいた事などを伝えた。

「ところでカイチョウとゴッチ君は、いるかな?」

「今日は、来てないみたいです。」

「何か、タクヤさん尋ねて、沼津からビジュアル系が来てますよ。」

金のかかった沼津ナンバーの単車が二台あるなと確認し、店に入ると、カウンターの背中越しに、男前オーラを臭わせる色男と、バイブスに乗るようなキャバ嬢風の美女が二人座っている。

「タクヤさん、久しぶりです。」

…誰だろう。
すいません、申し訳ないけど、どこでお会いしましたっけ?

二人でウインナーコーヒーを飲んでいるカップル。

ウェッジウッドのカップが似合っている。

この店で1000円もするウインナーコーヒーを頼むのは、あまりいないはずだ。

マツダも、ウインナーコーヒーを笑顔で頼むので、俺も続いた。

店内なのに、ヘルメットを脱がないマツダは、ティアドロップ型のサングラスをつけながら、マスターに話かけた。

「ウインナーさんの一つは、上にぶっかかってる白い元気なトロトロさん多めで
御願いします」

マスターから、タオルがマツダの顔に飛ぶ。

「マツ…うまいな」

「ありがとうございます」

俺も娘さんに伝えた
「俺は、ウインナーの上のソレ抜きで」

「さて、沼津からわざわざどうしましたか?」

「実は、彼女は夜で、俺はバンドやってるんですよ。それで、御願いしたい事がありまして」

何だかな。

マスターから、抜きは、どっちだっけ?と問われると、マツダが、にやつく。

この店、やめようかな。

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