第15話 孤独 後編
コンビニのビニール袋に2袋分、どっさりと牡蠣を拾ってきた。
「ユカリさん!ただいま!」
一階の駐車場から、二階に向かって大きな声をかける。
ガラリと窓が空き、ベランダにユカリさんが現れた。
「おぉ、センシュウも来たのかい。」
ユカリさんに、声をかけられて、センシュウも赤ら顔で応える。
「姉さん、僕なんかが来てしまって、すいません。」
ベランダに出てきたユカリさんは、エプロンをまいていた。
「今、ご飯作ってるから、あんた達も食べてきな。」
マツダがヘルメットとサングラスをとらず、俺につぶやく。
「パールも連れてくれば、ユカリさん喜んだかな。」
チーマー、暴走族、オタク、お水と風俗嬢、静岡の大学生の共同体の俺達に、狂犬病の中学生パールまで混ざると、さらにややこしい。
「マツダ、あの中学生は、少なくとも俺達には馴染まないよ」
そう言うと、センシュウは、「俺、チェンチョン呼んで酒を買ってくるわ。」と残して出かけていった。
多くの色んな奴が集まるが、俺達は孤独かもしれない。
どこかから引っ張ってきたホースで、牡蠣をガシガシ洗うマツダは、孤独とは無縁かな。
ユカリさんが、一階に降りてきた。
スーパードライを、六本持っている。
「あれ、センシュウどこにいった?」ユカリさんは、いつでも綺麗だ。
「ユカリさん、センシュウは、酒の買い出しとチェンチョンを呼びにいったよ。」
「まだ、離れていないよね。私の買い物付き合ってもらおうかな」
赤いマスタングに乗っかり、エンジンをかけたユカリさんは、窓を下げてマツダに聞いた。
「それ、何洗ってるの?」
「牡蠣ですわ。」
「食べれるの?」
「知らんです。」
「ふーん。あたるかもね。」
大量の牡蠣、食べれるかわからない牡蠣は、俺達みたいだ。
牡蠣は、あたるらしい。
やっぱりケチらず、潮で焼きそば買ってくればよかった。