Lady Strawberry アパレル君 -38ページ目

第23話 表と裏

角刈りのオッサンは、俺の懐でショートフックを寸止めした。

「タクヤ、ガキ共が追いかけて来てるぞ。」ニヤりと笑う顔が怖い。

知らない奴らが増えた。鍛え上げた体と角刈りが、警察じゃないかと思わせた。

茂みの中から木刀を持ったチンピラが現れ、すぐに振りかぶってきた。

俺は角刈りのオッサンとくっついた位置のまま、左から右のチンピラに向けて、サーフボードを振り回した。

オッサンは、またダッキングをして、俺の腰に手を回し、どっちの足か見えなかったが、チンピラに、バックキックを飛ばした。

サーフボードは、よけた木刀を吹き飛ばし、側頭部近くにあたった。

オッサンのキックは、空振りじゃないかと思う。

俺の腰を掴むオッサンの手から衝撃がこなかったから。

頭を抱えてうずくまるチンピラの後ろから、サングラスにアフロのチンピラが現れたが、俺一人でなく、仲間が頭から血を出してしゃがんでいるのを見て、走る勢いが止まった。

かけたボードを持ち直し、大振りに振り回したが、軽く避けられた。

サーフボードは、武器にならないなと、崩れた体制で感じた。

角刈りのオッサンは、俺を見てる。

板をそのままぶん投げようかと思ったが、空振りで体制が崩れた。

アフロがタックルしてきたが、馬乗りにはさせず、もつれてDDTの形で落とした。

道路に頭からは痛いなぁなんて思ってたら、角刈りのオッサンから、声をかけられた。

「タクヤ、行くぞ!」

「どこに行くんですか?警察ですか?」

「いや、ダイナーだ。」
角刈りのオッサンは、ニヤついている。

ダイナーのマスターは警察OBだからな。

考えてる間に、腕をつかまれ、ランドクルーザーに入れられた。

派手なチンピラ達の乗ってきたと思われる単車や四輪は、ざっと1ダース。

確かに捕まったらヤバいかもしれないと思い、素直にオッサンの運転に任せる事にした。

車内には、格闘技通信というマガジンや縄跳び、フィットネス器具があった。

I LOVE YOU とホワイトペンで落書きされた写真には、常夏のビーチで笑顔のフィリピーナの横にニヤニヤした角刈りのオッサン
と、やっぱりニヤけたマスターが、ビキニの外人を挟む、やけに鍛え上げた体のオッサン二人が写っている。

マスターも脱いだら 凄いのかなんて、考えてたら、エルビスプレスリーのハウンドドッグをかけて、車は静かに駐車場を出た。