Lady Strawberry アパレル君 -37ページ目

第24話 ダイナー

久能海岸沿いにダイナーへ向けて走る車中で、ポツリポツリと角刈りのオッサンは、俺に質問してきたり、オヤジギャグをつぶやいた。

「今日は仲間いないのか」

「ダイナーのカレーは辛ぇだろ」

「学校は行ってるのか」

「薬やってるのか」

確か、そんなような言葉を、しっかりと間を取りながら話していた記憶がある。

今、思えばマスターにソックリの話し方だ。

「おじさん、助けて頂いて、ありがとうございました」

「スズキだ」

「スズキさんは、警察ですか」

俺から投げる会話は続かない。

窓の外を眺めて、苺狩りの看板をしっかり読んで退屈を紛らわす。

ダイナーに到着すると、タケ、サトウ、ジュン、ウチヤマ、リョウトの単車が綺麗に並べられていた。

向きと角度を揃えてキレイに並べられている。

一人合わせていないチョッパーは、マツダだ。

新しいサドルバッグがついていた。

「お前の仲間か?」

「サトウさん、店には少なくとも一人行動が、おかしいのがいますが、薬でなく、天然です」

「そうしておこう」

サトウさんは、薬物を取り締まる警察かなと思った。

カラカラとベルが鳴る扉を空けると、入り口には、下半身裸の奴が自家塗装の青いジェットヘルメットに、

石原裕次郎のタレ目サングラス。

ヒラヒラが腕いっぱいについたブラックレザージャケット

下半身は、ジーンズを足首まで下ろし、

パンツも足首まで下ろしたマツダだ。

「いらっしゃいませ、ご主人様」

俺に、そう声をかけると、マツダは、そのままトイレに、ズボンとパンツをずり落ろした状態で、ゆっくりと進んでいった。

フリンジジャケットが長い為、股関は若干隠れている。

「チラっ、チラっ」
サングラスの下には、御満悦な笑顔。

「チラっ」の声に合わせて、俺を視姦しながら、ジャケットを上下させ、股関をチラ見させる。

笑わないように、こらえていると後から、スズキさんが入ってきた。

スズキさんは、無表情で、マツダの股関を蹴り上げ、カウンターに座った。

股関を抑えながら、「おぅおぅ」言っているマツダには、余裕があった。寸止めなんだろう。

「マスター、例の話なんだけど」
スズキさんは、何もなかったかのように、マスターに話かけている。

股関を押さえて、おぅおぅ叫びながら飛び跳ねていたマツダは、スリラーのサビを歌いながらトイレにゾンビポーズで向かった。