夜のピクニック 恩田陸


恩田陸さんて、男性かと思っていたが著者の写真を見て女性と知り驚いた。

文章の雰囲気から青年ぽいというか、

生真面目な男の人を勝手にイメージしていたので。

もちろん、名前の「陸」からもだけど。


読んだのは「蜂蜜と遠雷」以来、の恩田陸作品。

なんとなく陰陽の陰を彷彿させる。


今回のタイトルに夜がつくこともあるし、内容的にも夜の話がほとんどなので、そう感じるのかもしれないが、この人の作品は湿り気がある。


高校生の夜通し歩くと言う行事はどこかで聞いたことがある。

もしかしたら、もう亡くなってしまった父が言っていたのか。


主人公たちもこの行事の意味がわからないまま強行していると言うのが正しいのだろうが、

脈々と代々続くこの荒業は、

成し得たものでないとわからない、

成し得たものこそがわかりうる何かがあるのだろう。


健康関係の仕事をしている現在、

体壊すからやめとけ、

と思うが。


高校生という体力のある人は、

体が丈夫だったら、

精神的なメリットのほうが大きいのかな。


それにしても、

融と貴子は、卒業してからは仲良くしていてほしい。

不思議な関係だが、

きっと唯一無二の人になれる可能性があるのではと期待を込めて思う。


融の母の気持ちになると、

微妙だが。


でもこれは母の問題でなく、子供たちの問題だから。

母は、母で、生涯かけてのお題なのかも。

お母さん、がんばれ。



カフネ 阿部暁子


2024.本屋大賞とのことでした読んでみた。

後半の怒涛の展開に引き込まれた。

読後感がとてもよかった。

いかにも本屋大賞っぽかった。

大衆受けするのだろう。


自分が還暦を迎え、歳を重ねたせいだと思うが、

40歳の薫子を、大人(世間で言うおばさん)的な前提で書いているが、自分を振り返ってみたり、当時の同世代の人をみたりしても、さして大人でもおばさんでもなく。

これは若い人の書いた話だなぁとふと思ってしまった。

少し寂しくなった。


でも「愛おしく想う気持ち」は理屈ではなく自然に湧いてくる感情。

私自身にもそれがあると感じられてよかった。

答え合わせ

石田明


多くの人がそうだと思うが、

漫才を因数分解したことがない。

要は分析したことなんかない。

テレビから流れてくる面白いことを

なぜ面白い?と思ったことはない。

ただダラダラ流れてくる漫才を

漫然とみて笑いたいだけだから。


でも当然のことながらそこを追求する人がいるというわけだ。


本に表紙に

「この一冊でNSC1年分の価値ありますけど」

というか令和ロマンのくるまさんが書いている通り、

おそらく講義で話しているような

笑いとは?

漫才とは?

面白化するための具体的な事柄などなど

いろんな漫才師を例に出しながら

ホワイトボードできれいに説明できるだろう

内容だった。


自身のことにもページを割いていて、

ここは正直、ノンスタイルの漫才をほとんど知らないので

改めてYouTubeを見直してみたりして。


ノンスタイルの漫才のみならず、

読みながら名前の出てくる漫才師の漫才を

YouTubeで何度も見た。

まさしく答え合わせだわ。


私は今後もただダラダラと面白いと思いながら

頭を空っぽのまま楽しみたいと思うが、

分析好きな人、

実際、漫才をやってみたい人には

興味深い内容だと思った。