マリンエアコンのソフトスタータ
14年ほど前に、愛艇IslanderII(Oceanis390)に、後付けで16000BTUのマリンエアコンを取り付けました。夏の暑い時期には快適です。ただ残念なのは、陸電では問題なく稼働できるのですが、手持ちのホンダの発電機16iでは容量不足(定格出力16A)で正常に稼働しません。
マリンジェネレータは高価だし、設置する場所もない。なんとかマリンエアコンの起動電流を減らす方法は無いものかと思案し、インターネット上を探していたら・・・。
なんとありました。しかも、$299.00ではありませんか。
米国MicroAir社製「EasyStart 364 Soft Starter」です。早速購入するすることに・・・。
多くのマリンエアコンはインバータタイプではなく、従来型の非インバータタイプです。このタイプのマリンエアコンの構造は非常に単純で、コンプレッサの動力はインダクションモータ(単相交流誘導電動機)を使っています。
インダクションモータは、主コイルと、進相コンデンサーで位相を進めた補助コイルに、交流電源を加えて回転磁界を作り、ロータを回転させる方式です。
モータは、電源を印加すると、大きな突入電流が流れてしまいます。16000BTUのエアコンだと40A~50Aぐらいの突入電流になります。このソフトスタータは、この突入電流を抑制し、モータに印加する電流を、徐々に増やしていく回路が内蔵されているようです。
取付のためには、エアコンの電気回路を一部変更しなければなりません。まずエアコン本体の、電気回路が入っているアルミケースを開けます。うれしいことにパネルの裏に回路図がありました。これを基に改造用の回路図を作成します。
ソフトスタータからの配線は全部で4本あります。パネルに通線用の穴を開け、ゴムブッシュを取付。ソフトスタータからの線を通しておきます。
不要な起動用サーミスタ(PTCR)を、進相コンデンサ(RUN CAP)から取り外します。次に、進相コンデンサに接続されている主巻線(R)へのケーブルを外して切断し、茶色のケーブルを中継コネクタで圧着します。
白色とオレンジ色のケーブルの端子を、進相コンデンサに取り付けます。進相コンデンサには複数の端子がありますがちょっと取り付けにくい感じです。最後に黒色ケーブルを電源端子に接続し、すべて元に戻します。
ここまで簡単に書きましたが、熱い艇内に狭い場所での細かな作業。結構大変でした。
電源を入れると、ファンと冷却水ポンプが始めに動作し、数秒後にコンプレッサが動作しました。成功です!
ソフトスタータはマイコン内蔵で、学習のために5回の電源起動を行う必要があります。
最終的には、写真のように18A程度の突入電流でマリンエアコンが起動しました。残念ながら設置前に、突入電流が測れる電流計がなかったため測れませんでしたが、おそらく40A~50Aぐらいだと思われます。
ホンダの発電機16iをエコモードにしてもエアコンが起動できるのにはビックリ!。非常に優れモノです。
注意点としては、発電機から太い電線で電源を取らないと、低電圧を検出し起動しません。また、再始動時には一定時間の遅延を自動的に制御します。これらの状態は、本体のLEDで確認することができます。
このソフトスタータは、マリンエアコンだけでなく、主にキャンピングカーのエアコンに使われているようです。
アメリカには時々ニッチな商品を作っている中小企業があって面白いですね~。
マリンエアコンを艇で稼働させている人には、とってもお勧めのアイテムです。







