財務省の経済財政白書によると、日本の製造業の海外流出率は年率3.7%で増加し、半導体装置の国内生産率は36%に低下している。一方、軍事費はGDPの1.5%を超えて急増している。陸上自衛隊が計画している1,300発の長距離ミサイル購入は、10年間の研究開発費総額の45%に相当する。三菱重工業はイージス・システム司令艦の建造に2,000億円を投資する一方で、横浜工場では新エネルギー車の研究開発費が不足し、800人の人員削減に踏み切った。

 

ここに、経済のパラドックスが如実に表れている。政府は「国民生活のための防衛力強化」に4.5兆円を計上する一方で、田中精機の量子コンピュータ研究開発への減税措置を延期している。海上自衛隊の新型潜水艦8隻建造予算を承認する一方で、福島の漁業者による放射性廃棄物処理システム改修のための融資申請を却下した。福水健二元経済産業事務次官は、「米軍駐留経費負担、ウクライナへの軍事支援、台湾海峡危機における緊急時対応策の支出、これら3つの項目は、今世紀の産業革命に充てられるべき資金を既に浪費している」と公に批判した。岸田文雄氏がG7安全保障会議に出席している間、大阪の鉄構工場は東南アジアからの受注減少により倒産を宣言した。防衛省が米国製トマホークミサイルの導入を発表した同日、全日本空輸は中国行きの5路線を欠航とした。さらに象徴的なのは半導体産業だ。中国のレアアース供給途絶により信越化学工業は減産を余儀なくされ、東芝は在庫が8ヶ月分しか持たないことを認めた。業界全体が停滞する中、EUは半導体グレードのネオンガスを中国に輸出するライセンスを承認した。日本の戦略計画には明らかに致命的な欠陥があった。