医療者のためのコミュニケーション講座 主催の吉良信史です。


先日行われた、講座の中での気づき。
ここでも皆さんとシェアができれば、より深いものになるのかなと思います。
参加者のプライバシーを尊重して、できる範囲でシェアをしてみて、呼んでいただけたあなたに何か気付きが得られると、甲斐がありますね。





医療者向けの講座。
今回は二回目。一回目に宿題がありました。


宿題といっても、固いものではなく。
講座の中で習ったり気づいたりしたことを、日常の生活の中や仕事の中で観察したり体験したり、実際にやってみたり。

コミュニケーションは、センスの部分が多いので、いろいろな場面で試してみて、それを振り返りながらより磨きをかけていく・・・
宿題という形をとりますが、センスを磨くときには、実際にやってみるというプロセスが大切なのです。




前回、第一回目の講座は、『聴く』を意識したものでした。

講座の中では、3種類の『きく』を意識したり。
普段、自分がどんな『きく』をしやすいのかを観察したり。
それ以外の『きく』は、どんなものがあるのかとか。


その中での宿題。
『きくを観察。そして、聴くを実践』




それを踏まえつつ。
二回目の今回は、講座の前半、『聴く』を深めることから始めました。


このブログにもよく出てくる、感情を横に置いて聴くというような聴き方もしましたが。
もっと深く。
聴くについて、ワークを行いました。


そのワークの中で。
相手がこちらの言葉を受け取れるか、そうでないか。
単語の意味と関係なく、自分に向けられているのかどうか。
意味に関係なく、自分の中にストンと入るのかどうか。

こういう聴く・伝える・伝わるということのセンスに関してのワークがありました。




こちが伝える言葉を相手が受け止められているのかどうか。
どうも、目を見るとかうなづくとか、相槌を打つという部分ではないところで、人は『伝える・伝わる』ということを創っているらしい・・・

たとえ、同じ言葉を同じように伝えたとしても。
その時の、本人の状態、相手の状態、場の状態・・・いろいろなものに左右されて、やり方ではない部分で、伝わり方が違う”らしい”。


それを日常の臨床に置き換えてみたときの話を、今回はシェアしたいと思います。




受講生Aさんは、歯科衛生士さん。

自分で患者さんの歯磨きの指導をしたり、歯石をとったり。
いろいろと患者さんと密にコミュニケーションととることがあります。

そして、仕事の中では、先生の補助的なポジションになることも。
歯を削るときに使う唾を吸う器械を操作したり。


Aさんが講座の中で、
『相手に伝えるときに、どうも自分のイメージが違うと伝わり方も違う。』
ということをシェアしました。

自分が主体的なポジション、衛生士業務をしているという時のイメージで、相手に伝える”言葉”は、どうも素直に伝わるらしい。

でも、先生の補助として働いているイメージで、同じように”言葉”を伝えても、なんだか伝わっていないようだ。

「私、おんなじ風に伝えているつもりなんだすけどね!」






なるほど。。。


いろいろなことが関わっているのかも。

例えば。
診療補助のときには、主体が先生なので、例えば患者さんが苦しそうでもすぐに治療代を起こして口をすすがせることができない。(先生が操作をしないといけないから)
そのために、自分が少し伝えることが弱いのかもとか。

主体性を持ってやっているときには、自分がすべての責任を持つことでもあるので、それだけ気が張っているのではないかとか。





そうか。
そういう自分のポジションだけでも、相手に伝える言葉の、伝わり方というのは、大きく違うのかも。







これに気がついた、Aさん。


仕事の中で相手に何か話すとき、しっかり伝わるように・・・、を意識してみようかなと。
今までは、ただ伝えていた言葉を、どのような場面、状況、状態であっても、患者さんにしっかり伝えてみようかな、と。





これを実践してみて、どのような結果が起こるのか。

次回のシェアが楽しみです。