小学生や中学生の頃、お気に入りだったものがいくつかある。

 一つめは、ミントグリーンの斜めがけポシェット。本革で巾着みたいに入り口を絞れるものだ。昭和や平成初期は、パッとするような色や模様の雑貨や服が今よりも多かった気がする。小さめのポシェットだが、底にまあるいマチがついていて、見た目よりも沢山物が入ってとても使いやすかった。

 もう一つは、黒地に白い大きな花柄が沢山ついた半袖のパフスリーブとスカートのセットアップだ。上のパフスリーブのTシャツに合わせて、スカートもバルーン型になっていて、母が私に「かわいいでしょう、着てみてね」と買ってきてくれた。

 白黒のセットアップは、半袖、ミニスカートの夏物で、生地も薄手ながらもふわっとしていてとても着心地が良かった。そして、なぜかお気に入りのポシェットと合わせると、どちらも引き立ち、その格好で外を歩くのは少し恥ずかしいほど派手に思えた。

 すれ違う人、すれ違う人みんな見てくる。恥ずかしかったけど、この二つのコーディネートはとても気に入っていた。

 最後は一番のお気に入り、冬によく使っていたものがある。キツネの顔をした毛皮のマフラーだ。長いフェレットみたいなデザインで、下の長い尻尾にくちばしがクリップになっているキツネを止めて首に巻いていた。

 小学5年くらいから中学終わりまで、冬の大切な友達だった。薄くて細い毛皮なのに、吹雪の中もふわっと暖かい。動物の毛だから、ツヤツヤして触ると気持ちいい。でも友達からは「残酷だね。」と言われ、先生からは「学校に高価なものあまり持って来ないでね。」と注意されていた。これも母が買ってきてくれた大切なもの。

 今思うと小中学生が持つには早すぎたり、派手なものが私には色々あったように思える。ブランドものの傘やチェーンつきの黒いバッグ、18金の指輪やブレスレット。母や叔母からもらったものがほとんどで、多分2人とも好みが似てたかもしれない。それに今よりも、金やブランドものが安く入る時代だったから、これはなんとなくの記憶だが、キラキラして活気もあり皆楽しそうに見えた。しかし危険や不安定さはそれと同じように身近にあった時代だったと思う。

 あの頃のお気に入りアイテム。残っているのは、コインの形が沢山ついた金のブレスレットだけ。時々眺めては、買ってもらった店や選んでくれた優しくもたくましい叔母の笑顔や雰囲気を思い出し、時々懐かしくひたっている。