犬が音だけ聞いても唾液を出さなくなったような時に、誰かがバタンと実験室のドアをあけると、犬は急に唾液を出すようになります。
驚いたパブロフは、この現象を次のように説明しました。
犬は抑制の結果、唾液が出なくなっているのですが、これにもう一度外部から抑制がかかると「抑制」の「抑制」で、かえって抑制がとれて唾液が出るようになるのだと。
この考え方は、現在の生理学の見地からも正しいのです。
犬は、単調な刺激のくりかえしに対し、前頭葉から抑制をかけています。
目覚めは、脳幹の網様体から出た刺激が、脳全体にひろがるので起こるのですが、パブロフの犬と同様、これが抑制されるから、われわれは単調な刺激で眠り込むようになるのです。
