0529
2月最後の夜、
疲れた身体を、引きずるように歩いてた。
信号待ちで、ふと見上げた夜空に浮かぶ月が、あまりにも綺麗だったんだ。
これから、君が来るであろう場所に、着くまで僕は、上を見ながら歩いた。
なんだか何もかも、どうでも良い気分だ。
どんどん身体も軽くなり、歩くスピードも早くなる。
あまりにも歩くのが早くなったから、僕が先ついてしまって、待つ事になったけど
それは、それで良かったんだ。
待つ時間は、嫌いじゃない。
本を読んだり、君の事を考えながら過ごす時間。
僕を探す君を見つけるのが物凄く得意だったり、焦ってキョロキョロしてる君を
ぼんやりと遠くから見つめているのも、趣味が悪いけれど好きなんだ。
東京の夜空は星が少ないけれど
か細く弱弱しく輝く星を見つけ出すのは、物凄く素敵じゃないか。
そんな事を考えていたら君が来た。
『ごめんね、待ったよね。』

