前々回、前回と続けて、

皆様からは、

いろいろなご意見、

お話をお聞かせ頂きました。


心より、

厚く御礼申し上げます。


メールで頂きました方々には、

お返事が大変遅くなり、

真に申し訳ございません。

順次お返事を送らせて頂いております。

どうぞご勘弁下さい。


さて、

メールのやり取りをしておりますと

裁判をするべきでしょうか?

というお話になることが多く、

また重ねて、

賛否両論いろいろお聞かせ頂きました。


やはりね、

イジメ

ハラスメント違いを、

理解していない人が

多くいらっしゃいます。


もう一度簡単に説明しておきます。

イジメは、

相手に危害を加えるのが目的の行為。

傷害罪か傷害罪の可能性が高い犯罪です。


ハラスメントは、

受けた側が感じる迷惑行為。

限度を越えるような行為が重なって、

結果的に、

危害を加えたことなった場合は、

傷害罪に問われることもある。


なので、


私個人としては、

以前から申し上げておりますように、

彼女の自殺に関する、

パワハラの実体を解明するのなら、

裁判をするべきだと

思っています。


が、


それは

ご遺族が判断される

ことですからね。

ご遺族のご事情もあるでしょう。


その会見を受けて、

歌劇団側からは、

再調査を行う意向が発表されました。


歌劇団の調査報告書が、

どう書き換えられるのかは判りませんが、

とにかく、

ご遺族が求められる

パワハラがあったと劇団側が認めるまで、

調査が続くことになるでしょうね。


パワハラを認めたから

終わりってことは

ないですからね。

認めたら、

そのパワハラが罪になるかどうか?

最後まで争うことになるのか?

そうなれば

裁判も長期化することになります。

いずれにしても、

ご遺族のお考え次第です。


パワハラを行ったとされる団員にも、

処分やパワハラ認定に、

不服があるかもしれないでしょう?

一方的に糾弾するわけには、

行かないですからね。


ですから、

部外者がやかましく、

また簡単に『認めろ!』

などと言えることじゃないんです。


前回の遺族側弁護士の会見では、

団員の答えた内容について、

虚偽があるなどの指摘は、

無かったのですから、

団員への再調査は、

見送られるかもしれません。


もしまた、

宙組生全員も再調査となれば、

団員への心的負担が

さらに大きくなるでしょうし、

舞台にも半年以上立てないだけで無く、

その後の活動さえ見通せないのですから、

ご遺族にも、

遺族側弁護士にも、

何らかのご配慮を願いたいですね。


ことに、

初舞台を終えたばかりの団員たちは、

おそらく無関係でしょうし、

いくらご息女が自殺されたとは言え、

関係の無い者の未来まで、

左右する権利はないと思います。

ご遺族もきっと、

そんな影響を及ぼすことは、

不本意でしょう。


そんなことの判断は、

歌劇団の裁量であるとお考えでしょうが、

現状の報道やインターネット上での

暴論、偏向報道を鑑みますと、

劇団側から、

宙組生の舞台復帰について、

言い出すことは出来ないでしょう。

何しろ、

全く関係の無い部外者たちに、

謹慎中に追い込まれている状態ですからね。

謹慎中の人間の発言が、

認められる訳がないでしょう?


本当にねぇ……

前回の

遺族側弁護士の会見で、

団員への言及が無かったのは、

非常に

残念でした。


宙組生たちも、

未来があると信じればこそ、

調査に協力し、

正直に話したのだと思います。


遺族側弁護士からは、

公演中止を望まない

という発言もありましたが、

ことのついでに

言うことじゃないんですよ。

中止を望まないのなら、

言い方が違うと思いますよ。

遺族側の弁護士さん。


でもまぁ何も考えずに、

そんなもの

『劇団が何とかしろ! 』

という愚か者が、

現実にウンカの如くいらっしゃいます。

しかしそれは、

素人考え

あるいは

無責任な戯言

というもの。



だってねぇ、

パワハラ過重労働公演は、

分けて話をすることが

出来ないんです。

1人で

やってんじゃないんですよ。

役者だけじゃなくて、

裏方スタッフさんもいる。

ベテランもいれば、

初心者もいるんです。


なので、

とにかく歌劇団側は、

他の公演を続けて行くためにも、

パワハラ

過重労働分けて

提示してきたんでしょう。


理由は簡単です。


過重労働は、

時間を調整すれば、

とりあえずは解決します。

一方のパワハラは、

先ほども簡単に説明しましたが、

人間関係で、

あるいは個人の能力で

左右されますから、

いくらガイドラインを設定したり、

教育や指導をしても、

完全に無くすことは不可能です。


受け取る側の

気持ち次第ですからね。



メールを頂いた方の中で、

よく勘違いなさっていたのは、

パワハラ=上級生の叱責だと

限定されているんですね。


しかし、

遺族側弁護士が訴えているのは、


能力以上の過大な要求

をされるから、

それが過重労働に繋がっている。


という構図なんです。

能力以上の過大な要求

というのが、

厚生労働省が定義する

パワハラの項目に当たるんですよ。


ご遺族としては、

上級生の叱責が、

自殺の最大の要因とお考えのようです。

もちろんこれも、

度が過ぎれば

パワハラになる可能性があります。

あくまでも可能性であって、

確実ではない。

一方、

遺族側弁護士の方は、

過重労働をメインにしたいようです。

まぁ、

今まで過重労働を

専門的にしている方のようですからね。

訴えるなら、確実な内容と言えます。

なので、

ご遺族側にも

微妙な温度差があるように感じますし、

劇団側とも温度差がある。

このままでは、

三者は平行線のままでしょうね。


先ほど、

過重労働は、

時間を調整すれば解決する

と申し上げました。

これは厳密に言うと、

企業と雇用関係を結んだ社員、

つまり、

一般的に言う

サラリーマンの場合を基本に、

想定したものです。


宝塚で言えば、

研究科5年生以下の団員と、

社員として働いている

スタッフさん達が対象となります。


なので、

それ以外の出演者、

個別に契約を結んでいるスタッフは、

基本的には、

過重労働の対象にはなりません。


遺族側弁護士の最初の会見が開かれた時、

役者の過重労働について、

随分と突っ込んだことを

話し始めたもんだなぁ…… と感じ、

本当に、

そんな線引きが出来るのか?

怪しみもしましたし、心配もしました。


裁判になれば、

その判決は、

おそらく全世界で驚かれる

画期的なものだったでしょう。

おそらく

線引きは不可能ですから。


それは、

役者という職業が

個人の能力によって

成り立っている仕事だからです。


他に例えるなら、

職業ではありませんが、

オリンピック選手が適当でしょう。


個々の能力が違う選手の練習量を、

とにかく管理して

一律にするということですからね。

それで

オリンピック選手が育つかどうか?

はたまた、

記録を次々に更新できる選手に

なれるかどうか …………


皆さんは、

それで才能や能力が開花したり、

より進化発展すると思われますか?


普通に考えても、

練習量を一律にしたり、

制限することで、

個々の選手の能力の差が、

埋まることはないでしょう。


結局は、

各選手の裁量に任せるしかありません。

当然なんですよ。

みんな

同じ才能や

能力じゃないんですから。


オリンピック選手なら、

まだ他の道を選ぶことも出来ます。

というより、

才能が開花しなかったり、

能力が伸びなければ、

代表選手に

選ばれることもありません

それに、

基本的には個人プレイですからね。

調子が良くても、悪くても、

それは本人の責任です。


オリンピックは

4年に一度ですから、

各種目の決勝戦にピークがくるよう

調整できれば良いでしょう?

というより、

それが調整できないと困りますよね(笑)


しかし舞台役者は、

毎公演が

オリンピック決勝戦です。

しかも宝塚歌劇の場合は、

出演者全員が、

個人種目、団体種目のどちらにも、

多種目に出場しなければなりません。

役者だけでなく、

演出家を始め、

裏方スタッフ全員が、

その多種目に、

決勝戦態勢で対応しなければなりません。


同じ役者でも、

映画やテレビの映像だけに出る役者ならね、

カメラの前に立つ時だけに、

ピークを持って来れれば良いんです。

それも難しいことなんですよ。

でも、

よほどの作品じゃない限り、

多種目に出る必要がありません。

なので、

映像専門の役者は、

舞台に立つのは難しい。

まぁ、出るだけで良いなら、

素人でも出れますからね。

別に映像専門の役者が、

ダメな役者だということじゃないですよ。

念のため。


でね、

どっかの愚かな記者が、

できませんとは言えない

異常な状況

などとアホなことを書いていましたね。

もし、

日本代表に選ばれた選手が、

できません』となったら、

それは他の選手に替わるしかありません。


出来ない役者は、

出来る役者に替わる。


これは宝塚歌劇団に

限ったことじゃなくて、

他のどんな仕事でも同じでしょう?


というより、

ちょっと冷静に考えてみて下さい。


できません❗️

なんて言わなきゃならない

仕事の方が異常でしょう?


『できません!』って

言わなきゃならないのは、

どう考えても不可能なことを言うから、

断る言葉なんでしょう?


サラリーマンが言うとすれば、

談合やインサイダー取り引きと言った

法を犯すような仕事だったり、

3日間で20万人に電話をかけろ!なんて

振り込め詐欺だったりすれば、

そりゃ大きな声で

できません❗️

でしょう(笑)


でも


オリンピック選手も、

舞台の役者も、

サラリーマンではないですからね。

ましてや、

法を犯すような仕事をすることも

ありません。


その難題に、

挑戦するか否かを決めるのは

本人の判断です。

また

不可能かどうかを

判断するのも本人です。

他人や外部が、

内容を想定したり、

指図するものじゃない。

オリンピック選手や

舞台役者は、

個人才能能力

見せる仕事ですから。


至極当然のことを言いますが、

その要求が、

過大であるかどうかは、

当事者の才能や能力で変わるものです。


先ほども書きましたが、

舞台には、

ベテランも初心者も、

一定のレベルで立たなくてはなりません。

無理なら辞めるしかない。

それがプロの役者の仕事です。


例えば、

羽生結弦 選手に対して

そのジャンプは無理だ!

止めろ! なんて

全くの素人が言いますか?

まず誰も言わないでしょう?


おそらく羽生選手は、

私達の想像を絶するような

過酷な練習や

日頃の鍛練を行っているでしょう。

それをね

あなたは過重労働ですって、

練習を削減するように強制できますか?

きっと、

そんなことを言い出す愚か者は、

いないでしょう。


これって、

認識の差なんです。

自分が出来ないことを認識しているから、

止めることが愚かだと理解している。


私が、

前回の遺族側弁護士の会見で、

パワハラだとされる15件の項目を

見ていて、

どうにもこうにも

気持ち悪さを感じたのは、

認識の違いばかり

並んでいたからです。

どう読んでも

コミュニケーション不足にしか思えない。

プロの役者の話じゃない。


この15項目以外にも、

やれ、稽古着に費用が掛かるだの、

アクセサリー作りが大変だの……


そりゃまぁ大変でしょうけど、

そこまで含めて、役者の仕事でしょう?

やっぱり認識が違う。

本当に、

自殺した彼女が、

そんなことを考えていたのかも

判りません。


内容だけを読んでいると、

結局は

遺族側弁護士も、

ネット上の愚か者たちも、

舞台役者については、

全く無知な人々なんですよ。


そんな人々が、

聞いた情報だけを材料に、

自分たちの

尺度だけで判断している。

さらにそれが

正しいことだと押し付けている。


これは

ハラスメント

です。


今年、

礼真琴が『1789』を休演した時、

どこかのアホ雑誌が、

重病説を勝手に流しました。


一体どうやって裏付けを取ったのか?

実際は、

車椅子で移動したってことだけでしたが、

その程度で重病説はオーバーでしょう(笑)

ストレッチャーに載せられて、

酸素吸入でもしながら運ばれたなら、

『それは大変! 』でしょうけどね。


で、


とにかくそれを読んだ

文春の回し者のような愚か者が、

重病なら、辞めて治療しろ! 

なんてことをブログに書き始め、

『礼真琴は重病』だと大騒ぎしてましたね。

他の大勢の愚か者も、

代役は何のためだ!

などと勝手なことを言ってましたっけ?


それで、

暁千星らが代役公演をすれば

代役を観に来た訳じゃない!

と文句を言う輩が出て、

礼が復帰すれば

あれは録音だ!

口パクだ! 

言い掛かり

をつける……


休演してた人間が、

いつ口パク用の録音をしたんです?

前もって録音してたなら、

急遽休演までする必要がないでしょう(笑)

で、

『ポリープになったことがありません』

と礼が発言すれば

そんなもん信じられるか!

証拠に診断書を出せ!

などと言いたい放題。


よくもまぁ、

そんなことを書ける人間がいるのかと、

心底呆れました。


これは

ハラスメント

じゃないですかね?

これがハラスメントでないのなら、

むしろ

その証拠を見せて欲しい


代役公演をすることになれば、

役者だけでなく、

裏方、スタッフさんも、

時間外労働を強いられたでしょう。


代役公演だけじゃなくってね、

初日や千秋楽の

度を過ぎたカーテンコールは、

過重労働じゃないでしょうか?

それとも

サービス残業なんですかね?


本当に、

あなたはファンですか?


私は、

報道や週刊誌だけの情報を元に、

歌劇団や団員を一方的に糾弾している

愚か者たちを、

イジメをする者=犯罪者だと

思っています。


宝塚に住んでらっしゃらない方々には、

ご存知ないことでしょうが、

彼女が自殺をして以降、

大劇場周辺から、

自殺の現場となったマンション周辺一帯で、

警備員や警察車輌を見かけることが

明らかに多くなりました。

特に、

宙組の公演が

再開されるかもしれなかった日や、

雪組公演の初日には、

明らかに異様な雰囲気でした。


聞くところによると、

10月の半ばくらいから、

脅迫めいた

メールや手紙、電話が、

ひっきりなしに歌劇団にあったそうです。

近隣がパニックになったり、

迷惑がかからないよう、

警察とも連携をしていたそうですが、

またアホな報道機関が

勝手に、

そんな情報を流しましたね。


さらにそれを読んだ愚か者が

劇団が

毅然とした対処を

しないからだ!

と、的外れなことを言う……


それじゃ、

どうやってそんな犯罪者に対処します?

犯罪者が出てこない方法があるなら、

ネットで吠えてないで、

警察に教えて上げてください。


吠えてるあなたの声で、

寄って来た野良犬かもしれないんですよ。

犯罪者は。


と思うまま、

愚痴をダラダラと書き連ねました。


歌劇団が

改めなければならないところも、

沢山あるでしょう。

特に裏方スタッフさんの多くは、

サラリーマンですからね。

給金が支払われないなんて言語道断。

『企業の甘え』と指摘されるのは当然です。


しかしそれと、


役者が精進するのとは別の話です。


以前、

私は以下のような内容を書きました。


俳優という職業は、

上手い下手は別にして、

誰にでも簡単にできる職業です。

が、

続けて行くには

『人生を担保にしなければならない仕事』

です。

働いたからと言って、

それが確実に収入となる

職業ではありません。

むしろ、

収入にならない『鍛練』に

費やす時間の方が長い職業です。


何の保証もなく、頼れるのは

『観てくれる人』= ファンしかありません。


それでいながら、

ファンというのは実に勝手なもので、

ファンになるのも、

辞めるのも自由。

俳優を

『死』へ追い詰めることもあるのに、

責任を取ることは一切ありません。


本当に、

ファンというのは極めて横暴な

暴君です。


そんな

暴君を相手にするしかないのに、

どうして

役者、芸能者になる理由があるのか?

私には判りません。

が、

きっとあるんでしょう。

それを知るために、

みんな

命を削って精進を重ねているはずです。

叶うものなら、

そんな命懸けの仕事をしている人たちを、

私はずっと見守っていたいですね。



毎度、

長文を読んで頂き、

真にありがとうございます。


末筆ながら、

本年も御贔屓を賜り、

心より感謝を申し上げます。


2023年も、

あとわずかとなりました。


来る2024年が、

皆様にとりまして、

素晴らしい一年となりますよう、

お祈り申し上げます。