御贔屓の方々からは、
ご心配など
様々なメールを頂戴しました。

心より厚く御礼申し上げます。

私はPCをメインに、
この投稿を書いています。
大昔なら、
PCでしか見なかった画面が、
今はスマホの方が多いでしょう?
で、スマホの画面で見ると、
長文は、まぁ見づらい(笑)
それで文章を、
この、
ブツ切りのレイアウトにしています。

PCで打ったり、
スマホで書いたりしていますと、
レイアウトの調整が面倒で(笑)
何度も繰り返している内に、
誤字がかえって増えたり、
投稿したつもりが、
不完全だったり、
二重投稿していたり…… と、
ドタバタしてしまいまして、
ご迷惑をお掛けしております。
どうかご勘弁下さい。

さて、
みっともない話は
ほどほどにして、
頂いたメールからと、
歌劇団の発表内容を聞いて、
また少し、
思うところを書いてみようと思います。

因みに、とても長いです。
どうぞご了承下さい。

歌劇団の発表を
本当だと思いますか?
と言う内容のメールを、
いくつか頂きました。
今のところは
嘘と断定できる材料が、
ありません。

そりゃね、
イジメがあったという前提
の人たちにすれば、
になるでしょうが、
じゃぁその
嘘だという基準は何か?
については、
今のところ具体的なものがありません。

調査した弁護士事務所に、
阪急関連の役員に就任しているがいたから
忖度したに違いない!
という人もいるようですが、
なら、
再調査すれば良いだけでしょう?
なら、
具体的にどの部分が忖度なのか
指摘できますか?
そういうことが証明されない限り、
嘘だという証拠にはなりません。

まぁ、
そんな言い掛かりを
付けられるかもしれないのに、
依頼した方も、
引き受けた弁護士事務所も、
間抜けとしか言い様がありませんね。

で、

じゃぁ、
どのくらい忖度しているのか?
と思いまして、
歌劇団HPに公開されている
調査報告書の概要版を読んでみました。

率直な感想は、
忖度するような内容がありません。
ご遺族も、遺族側弁護士も、
ヒアリングの対象者になっていますし、
普通に言い難い部分も書かれています。
どこかスポッと抜けているとか、
どちらかを擁護している感じもしません。
むしろ、
亡くなった彼女のことを、
細かく書いてある。
だいたいが報告書ですから、
調べた内容だけが
書かれているものです。
それに概要版ですからね。
聞き取りの中で、
似たり寄ったりの内容であれば、
省略されています。
それ以外の事実があるのなら、
ご遺族か、
遺族側弁護士が提示しない限り、
何度やっても、
調べる内容は変わりません。

よく
本当のことを
言ってるかどうか、
判らないじゃないか!
などと、
アホなことを言う人がいますが、
本当か、嘘かを調べるために、
複数から聞き取りをしているんです。
調べる人間が、
甘いとか、厳しいとかに関係なく、
嘘をつく人間は、嘘をつきます。

どんなに口裏を合わせていても、
人数が増えれば増えるほど、
使う言葉のズレ、
解釈や印象のズレが生じます。
それを報告書から、
読み取るものなんです。

不審のある方は、
調査した弁護士を訴えれば良いでしょう。

まぁそれでもなお、
どこかに穴はないか? と、
物好きにも何度も読んでみました。

何度も、
何度読んでも、
イジメというよりは、
『自分の置かれた立場に悩んでいる』
『コミュニケーション能力が低い』
そんな彼女の印象は、
最後まで変わりませんでした。

退団の機会を逸したことや、
同期が先に退団してしまったことなどの、
ご遺族の話と
合致する内容も、
全く報道されてこなかった、
それ以上のことも出てきます。

というより、
報告書にある不都合な真実は、
わざ報道していない
んでしょうね。
例えば、
火傷の程度とか。

どっかの愚か者が、
日付の欄に「頃」と書いてあるのを見て
劇団は、いい加減過ぎる!
という内容を、恥ずかし気もなく
書いてらっしゃいましたが、
これは
『日付が変わる頃』という意味です。
まぁ、
ちゃんと文章を読めば、
理解できるはずなんですけどね。
おそらく、
愚か者は悪意を持って、
わざと書いたんでしょうね。

では、
報告書の小難しい言い回しを止めて、
私なりの解釈を書いてみます。
(故人を彼女という表記にしています)
  • 103期はコロナ禍の影響のため、初舞台以降の本公演や新人公演、外部公演などの経験が少なかった。
  • おそらく、そう言った経験不足から、ある意味『ついて行けなくなった』あるいは『活動の場がない』と考えた生徒が多く、103期などコロナ禍の影響を受けた学年は、退団者が多い。
  • 彼女も退団を申し出たが、慰留された。
ここまでが、
文春の記事が出るまでの状況です。

で、

ヘアアイロンが額に当たった、
あるいは
押し付けられたといわれる
事態が発生します。
シャーロック・ホームズの大劇場公演
千秋楽終了後、
東宝公演への稽古中のことです。
このことが、
イジメの象徴のように
伝聞されていますが、
報告書には、
イジメというような内容が
出てきません。

忖度して書いていない……  
ということじゃありません。
言葉の意味が違うんです。

マスコミは、何でもかんでも
イジメ』という表現を使うので、
言葉の整理をしなければなりませんね。

これまでの判例からみて、
イジメは、
相手を傷つけるのが目的の行為です。
殴ったり、蹴ったりという
分かりやすい暴行などの行為や、
あからさまな無視、
常軌を逸した暴言や攻撃的な態度で、
全く落度が無い相手に対して、
正当な理由もなく、
苦痛や屈辱を与えることです。
法的に言うなら、
極めて犯罪に近い、
あるいは犯罪に当たる行為です。

ハラスメントとは、
相手を不快にさせる迷惑行為です。
ハラスメントは受けた側の
感じ方で左右されます。
つまり、
与える側の意識は重要ではありません。
もし、
与える側に、悪意や故意が無くても、
結果として、受けた側が不快に感じたら、
ハラスメントになります。
ただし、
与える側に正当な理由や、
業務上に必要なものであれば、
例え相手が不快に感じても、
それはハラスメントになりません。

似ているようで、違いがあります。

この時の天彩峰里に、
故意や悪意があったのかは判りません。

その後の劇団の聞き取りに対して
『イジメではないと思うが、
天彩がどう思っていたかは判らない』
という内容を、
彼女は話しています。

その後、
彼女は東宝公演に出演していますから、
いわゆる一般的な認識で言う
『大火傷』では無かったと考えられます。
写真で確認されているようです。

東宝公演千秋楽の後、
次の外部公演
『プロミセス・プロミセス』を休演します。

額の火傷の悪化などで、
治療が必要になったのか?
他の原因があったのか?
詳細は判りません。
もし、
火傷が悪化して、
治療したということになると、
診断書などの証拠があるはずです。
今のところ、
ご遺族からは、そう言った資料の
提示はないようです。

黒塗りになっている部分は、
おそらく
彼女のプライベートに関する
心的医療などの記録や内容が書かれて
いると考えられます。
そのために、
前後の文脈や、他の報告内容から、
推察するしかありませんが、
組内での人間関係や、
劇団員としての今後の活動など、
彼女自身の悩みを整理する時間が、
必要だったのかもしれません。
それが休演の理由の一つでは
ないでしょうか?

そして、
文春の記事が出た後は、
彼女の、
かなり動揺している様子
記載されています。
当時は、
真風涼帆と星風まどか の不仲説や
イジメがあったとされる記事が、
先に文春に掲載されて、
話題になっていました。

ヘアアイロンの件が、
イジメであるという文春の記事に対して
抗議するため、
組担当のプロデューサーが、
彼女と天彩に対して
事実確認を行っています。
この時には、
彼女も、彼女の母親も、
イジメではないと認識しています。
むしろ、
記事の内容に、
事実無根のことが含まれていて、
『娘がかわいそうだ』
との発言が母親からあったと、
プロデューサーが記録しています。

しかしご遺族側は、
プロデューサーから
彼女に事実確認の電話があった時
『天彩が故意にヘアアイロンを当てた』
と答え、
さらにプロデューサーの
『天彩に故意があったと思うか?』
という質問に対し、
『それは天彩に聞いて下さい』
と彼女が返答したと証言されています。

両者の記憶に食い違いがあります。

『イジメがあった』と言ったのか?
『イジメではない』と言ったのか?
報告書では、客観的証拠がないために、
判断できないとしています。

実は、
ヘアアイロンの出来事があった翌日に、
彼女は母親との
LINEのやり取りの中で、
確信はないものの、
ひょっとしたら、
故意だったかもしれない
という内容を書いています。

しかし現時点で、
劇団が把握している資料や
おそらく
ご遺族から提示されている資料の中に、
このLINEのやり取り以外の
イジメに関する具体的な内容は、
見つけられ無いと報告されています。

ご遺族と劇団の双方に
理解の違いがありますが、
『天彩がどう思っていたか判らない』
『それは天彩に聞いて下さい』
という内容は、
1年半前のLINEとも一致しているので、
彼女は間違いなく、
同じようなことを話したのでしょう。

まぁ、普通に考えると、
『1年半前のことを、
今さらイジメかどうかと聞かれても、
そんなこと判りません』
というのが、
彼女の本当の気持ちではないでしょうか。

もっと平たく、
突っ込んだ言い方をすれば
『天彩が私のことが嫌いなら、
イジメだったかもしれないし、
そうじゃないならイジメとは言えないし、
好きか嫌いかは、本人に聞いて下さい』
という意味ではなかったのか?
と思うのです。

そう判断できるのは、
やはり
1年半という期間です。
もし、
本当にイジメがあって、
実際に危害が加えられた後、
他に何ごともなく、
1年半が経過するとは考えられません。
さらなる
イジメのエスカレートがあっても
おかしくはないはずです。
また、
火傷以外のイジメの具体的な内容や、
その証拠となるものが、
今のところ
ご遺族側から出てきていません。

彼女やご遺族にしても、
イジメであると認識していたのなら、
いくら慰留されても、
退団を選ぶなり、
長期の休演をする、
犯罪として公に訴えるなどの
手段が模索できたはずです。

現に彼女は、
『プロミセス・プロミセス』を
休演していますし、
他のことでもプロデューサーに
相談していたことがあると、
報告書には記載されています。
もし、イジメがあるなら、
その時にでも訴えることは
可能だったはずです。
ここは重要なところです。

先に進めましょう。

報告書には
『6月4日頃』と記載されているので、
おそらく
6月3日の稽古終了後、
日付が変わる時間帯に、
文春の記事に関して、
組内で話し合うことになりました。
このままでは、
稽古に支障が出ると判断した
演出家の小池修一郎の提案です。

この話し合いのため、
事前に寿つかさ 前組長が、
文春に掲載された団員に対し、
個別に聞き取りを行っています。

文面から考えれば、
真風が『自分の言葉で説明したい』と
要望したため、
彼女と天彩らに対しても、
発言をするかどうか、
寿 前組長が個別に確認をしました。

その内容が先述の、
  • イジメとは思っていないが、天彩峰里がどう考えているかは判らない。
  • 宙組の他の団員がいる前で、火傷の件について話したくはない。触れたくない。
と、言うものです。

なぜ、
彼女が話したくないと言い出したのか?

書かれている内容から、
推察するしかありませんが、
  1. すでにプロデューサーに話しているので、改めて発言する必要がないと考えていた
  2. 火傷を負った日から、すでに1年半以上が経っていて、今さら蒸し返す必要はないと考えていた
  3. 天彩の発言内容と、彼女の発言内容に食い違いが生じた場合、天彩との関係に影響すると考えたから
  4. 掲載された中で、唯一、名前が伏せられていたことから、発言の内容によっては、自分が、文春の情報源とみなされると考えたから
  5. 他の団員が情報を漏らしていると考え、自分の発言内容を、再び利用されることを警戒したから
などが、
発言を望まなかった理由として
考えられます。

その後も寿 前組長は、
彼女に発言しなくても良いのか? と、
何度か確認しているようです。

最終的に、
他の団員の前で、
彼女は一切発言しませんでした。

天彩も、
彼女が発言しないということに合わせて、
ヘアアイロンの件には言及せず、
それ以外の掲載内容について
説明したということです。
ただ、
発言の過程で、
一部触れるようなことがあったと
記憶している団員もおり、
『彼女には発言権が与えられ無かった』
と勘違いする下級生もいました。
この件があったことから、
上級生、上層部に対し、
下級生の一部が
不信感を持ったと書かれています。

言い方を替えれば、
天彩の説明を
ヘアアイロンのこともを含めた説明だと
解釈した団員がいたと考えた方が
正しいでしょうね。

この話し合いの結果を受けて、
歌劇団は、
文春に対する抗議声明を出します。

この部分を何度も読み返すと、
やはり彼女は、
文春の記事に掲載されて、
相当なショックを
受けていますね。

文春が、
彼女の自殺直後の号で、
彼女が記事になったことを
『気に留めていなかった』
などと書いていましたが、
報告書の内容を信用するなら、
かなり
悪質なデタラメになります。

また、
私が前回の投稿で書いた
情報源はご遺族ではないか?
という推測も、
報告書の内容を信用するなら、
私の推測は間違っていて
ご遺族以外の第三者
いることになります。

もしこの件が、
ご遺族が主張されるように、
彼女を窮地に追い込む
重要な出来事
とするならば、
文春への情報提供者が
誰であったのか?
明らかにする必要がありますね。

それは、
もし第三者が情報提供者なら、
その第三者には、
誰かを窮地に追い込む目的
確実にあったイジメ
判断できるからです。

またもし、
この報告書の内容を全く信用せずに
劇団が『イジメ』を隠蔽するため、
彼女に発言をさせなかったとしても、
文春への情報源が
特定されていなければ
隠蔽の意味がありません。
この時点で、
誰が情報源なのか?
と言った犯人捜しが行われていたなら、
また違った見解もできるでしょう。
しかし、
そんな犯人捜しは行われていません。

もし、
犯人捜しが行われていたとしても、
現実に、
情報提供は、今も続いています。

行動が制限されていないんですから、
第三者の情報提供者は、
『彼女の発言は隠蔽された』
と、いつでも発信できたはずです。

しかし、その後は途絶えていました。
記事掲載から半年ですよ。
彼女が死を選ぶまで、
半年もの間、
具体的なアクションが出て来ません。

彼女に発言権が与えられず、
事件は
『隠蔽された!』とか、
ヘアアイロンの事が起きた時も
『目撃者がいない』
『二人だけだった』などと
これらを問題視して騒ぐ人達が
大勢いらっしゃいますが、
それなら
その情報提供者は、
どうやって
知ったのでしょうか?

もし、
我々の知らないところで
他にも『何か』があったのなら、
ご遺族側からの
提示を待つしかありませんね。

ただね、
ここが本当に、
とても不思議なんです。
なぜご遺族は、
この情報提供者を
追及しないんでしょうか?
確実に
悪質な加害者の可能性があるのに。
スキャンダルに巻き込んだ
張本人なのに。

またもし、
この情報提供者が、
彼女に代わって告発していたというなら、
その情報提供者に
身の危険があるかもしれません。
一刻も早く、
安全を保障しなければならないでしょう?
遺族側弁護士は、
そんなことやってますか?

というより、
今まで不思議なくらいに、
一度も触れたことが
ないですよね?
ここも重要なところです。

先ほどの
重要な…… 』と合わせて考えれば、
彼女は度々、
担当プロデューサーに相談しています。
ご遺族のコメントにも、
劇団に何度も訴えたとありますから、
彼女と
担当プロデューサーの面談は、
確かにあったことでしょう。
ですが先述のように、
イジメに関する内容が出て来ません。
彼女が、
天彩や同期との人間関係に
悩んでいる内容は出て来ますが
文章や文脈から判断する限り、
それは
『付き合い方』や
彼女の『ポジション』の問題です。

と言って、
彼女が特別粗末な扱いであったとは、
考えにくいですね。

劇団側からの
『イジメの証拠を出して欲しい』
という会見での一言に、
噛みついている人がいましたが、
何方か、
その証拠をご存知なら、
出されては如何でしょう?
今のところ、
彼女をイジメていたと言えるのは、
文春への情報提供者だけです。

まぁとりあえず、
時系列に戻りましょう。

その後、
真風涼帆のサヨナラ公演が始まり、
彼女も東宝公演まで出演します。

プロデューサーから慰留されなければ、
彼女も、
この公演で退団するつもりでした。

東宝公演千秋楽が6月11日
6月18日から『エクスカリバー』の稽古
8月5日千秋楽
8月16日から『パガド』の稽古開始

この稽古開始辺りから、
彼女の『空回り』が始まったようです。

例えば、
正式発表前に、
新人公演の配役を通知してしまったり、
本役からの『振り写し』や、
『お声掛け』『コミュニケーション』
と呼ばれる上級生からの
アドバイスを受ける機会を、
『必要ない』と言ったり、
『忘れる』と言った
いわゆる『ポカミス』を重ねて行きます。

『振り写し』や『お声掛け』と
呼ばれる行動は、
コロナ禍の期間中には
中止されていました。
それが、
GW明けから
第5類にコロナ感染症が移行され、
各組では、復活されていました。

彼女が
『長の期の長』と呼ばれる
新人公演の責任者の立場となって、
初めて経験する
振り写しやお声掛けになった訳です。

コロナ禍以前に、
何で宝塚には『お声掛け』とか
ヤクザみたいに『挨拶しろ! 』って
上下関係の確認みたいな習慣が
残ってるんです?
と、宝塚ビギナーの人から
聞かれたことがあります。

これね、
別に宝塚独特のことじゃないんですよ。
まぁ『お声掛け』ってネーミングは、
宝塚独特ですが、
芸能界では、
様々な形式で行われています。
一般的な会社で言うなら、
『業務連絡』『業務引き継ぎ』
みたいなもんなんです。
なので、
上下関係を維持、確認するために
やってる訳じゃないんですよ。
でもたまに、
そんなことを考えない人も確かにいます。
ただ単に
『礼儀だ』『社交辞令』
くらいにしか思わない人もいる。

そんな習慣って日本だけでしょ! 
なんて、安っぽい芸能人は
考えてるかもしれませんが……
まぁ単に、
海外を知らないだけです。

歌舞伎などの他の楽屋内でも
『挨拶』は必ず行われます。
この『挨拶』のタイミングで、
前日のダメ出しや、演出の変更などが
伝えられたり、相談されます。

劇団やカンパニーによっては、
初日から数日間は、
毎日ミーティングをするところも
ありますし、
テレビや映画の世界でも、
必ず撮影開始前には、
『打ち合わせ』などと呼ばれる
ミーティングの時間が設けられています。

特に舞台の場合は、
ほんの少し立ち位置が違うだけでも、
全く違う環境になってしまうので、
慣れていないと、
大事故になる場合も多いんです。
知らない人には、
判らないでしょうが。

宝塚の舞台は、
広さも照明も、出演者の数も、
他の舞台とは桁が違いますからね。
わずかなミスが、
致命的な事故になっても
全く不思議じゃありません。

ピンスポットなんて当てられた
経験が一度もない下級生が、
新人公演で、
銀橋に出て歌うことになったら、
上級生やスタッフは
『無事に渡り切れるか?』と
みんな冷や冷やしながら見守ります。

銀橋って、
ただカーブしているだけじゃないんです。
中央に行くに従って、
前後左右に傾斜がキツくなっています。
この普通に歩けない場所を、
足元も見ず、足の裏の感覚を頼りに、
客席を見回しながら、
ピンスポットも2発か3発当てられて、
視界は『ほぼ真っ白』な状態で、
芝居して、歌って、
ダンスをしながら渡るんです。
しかも、
暗転で引っ込むことになったら、
真っ暗な中を、ダッシュで舞台袖や
鳥屋口に駆け込むんですから、
慣れだけでなく、
身体能力も優れていなければなりません。

なのでね、
本役のアドバイスが
『必要ありません』なんて、
軽々しく言えないんです。

もしあなたが、
業務連絡をしてくれない、
引き継ぎもしてくれない
上司の部下だったら?
あるいは、
あなたの部下が、
業務連絡もせずに直帰したり、
『引き継ぎをするから』
と呼び出して
『必要ありません』
などと答える部下だったら?

叱責したら、
ハラスメントになるから
『まぁ~ 仕方ないわぁ~ 』
で終われますか?
それで仕事になりますか?
事故が起きたら、
誰の責任になりますか?
……と、
脱線が長くなりました。

彼女がどうして、
ミスを重ね、
負のスパイラルに陥ったのか、
理由や原因は判りません。
単に、
過重労働だけが問題とは、
どうも考え難いですね。
特に彼女のミスが酷かったのは、
自分のことでだけではなく、
後輩にも迷惑をかける
可能性があったことです。

この部分……
割りと彼女を擁護するように、
報告書には書かれています。
主な内容は、
新人公演の長として、
負担が大きかったとか、
不慣れであったという内容です。
もちろん、
彼女だけが悪い訳ではありません。
新人公演担当の演出家にも
不手際があったりしています。

ただ私には、
そんな感じに思えません。
『長の期の長』ではなくても、
彼女はその前の公演で、
『長の期』のメンバーの一人として、
参加しています。
しなくてはならない内容は、
理解していたはずです。
全くの未経験者ではありません。

確かに、
初日が開いて、
終演後の
演出家からのダメ出しや、
本公演中の不手際への対応など、
やる事が沢山ある上に、
初めてのことも沢山あったとしても、
それならば尚更、
先輩からのアドバイスが必要でしょう。

これが本当のイジメなら、
彼女に何も教えず、無視する方が、
本公演も新人公演も、失敗に繋がります。
そうなれば、
彼女の劇団員としての立場も、
新人公演の責任者としての立場も、
丸潰れになるでしょう。
さらに、
新人公演で主演を勤める
下級生にも、大きなダメージになります。

しかし、
また文春に
記事にされるかもしれないのに、
ハラスメントと
言われるかもしれないのに、
上級生たちは、
彼女に対し、
指導することを
止めようとはしていません。

そりゃね、
新人公演が失敗すれば、
『長の期』を管理する立場の
上級生たちの責任にもなります。
でも、
『長の期の長』である彼女が、
『必要ありません』と断ったのなら、
上級生たちに責任は無いでしょう?
宝塚以外の芝居の世界なら、
断わった時点で終わりです。
誰かが教えてくれることなど、
決してありません。

上級生たちが、
繰り返し、繰り返し、
何度も彼女に大声を上げているのは、
叱責ではなく叱咤です。
みんな、
何とかしようと必死になっている。
上級生も公演を終えて、
疲労困憊しているはずです。
彼女より、
出番も、負担も、
責任もある立場の団員のはずです。

普通に考えて、
彼女が自殺を選ばずに、
無事に新人公演が行われていたら、
新人公演の主演者だけでなく、
『長の期の長』を勤めた
彼女の成果となったはずです。

新人公演が不評だったり、
事故でも起きていたら、
大問題になっていたでしょう。
それが、
今回の新人公演の
出演者たちの将来に
影響することとなったら、
彼女だけでなく、
上級生たちも、
詫びて済むことではありませんね。

そりゃ、
『頑張りなさい!』
『しっかりしなさい!』
と、叱咤するのは
普通ではありませんか?

それを
『やり過ぎだ! 』
と第三者が非難するのは、
単に結果論の話です。

文春の記事を信用するなら
『マインド』という言葉が出てきます。
以前にも書きましたが、
言葉には必ず、
その言葉が出てくる
人間関係やその場の状況、
相手の態度が反映されます。
場違いの言葉や、合わない言葉が、
選らばれることはありません。
逆に、
場違いや合わない言葉が出るのなら、
それはイジメの可能性があります。
例えば
『お前のかぁちゃん! 出べそ! 』
などと言った、脈絡の無い、
その場には、おそらく関係の無い
個人攻撃の言葉が並ぶでしょう。

そう言う視点で見れば、
彼女が『嘘つき』などと呼ばれる原因、
例えば、
上級生から
『(下級生が)お声掛けをしたか? 』
と訊かれ、
確認もせずに、
『しました』と、
思わず口に出し、
さらに上級生から指摘されて、
『いえ、まだです』
と訂正する。 
そんなことが積み重ねられた結果
『嘘つき』という
言葉が出てきたと考えられます。

イジメ前提の人たちからすれば、
上級生たちが
必要以上に叱責したと
考えているでしょうが、
叱責は当然のことです。
問題にするのなら
必要がどの程度なのか? 
という基準や妥当性の議論となるでしょう。
そうなると、
イジメの問題ではなく、
ハラスメントの問題です。
が、
ハッキリとした
指導の目的があるものを、
ハラスメントとは断定できないでしょう

本当にね、
報告書のこのくだりを、
何度も読んでいると、
彼女と上級生の、
芝居や新人公演に対する
激しい温度差を感じてしまいます。

彼女に
やる気が無いとか、
愚鈍ということではありません
コミュニケーションが取れていない
と言った方が良いでしょうね。

入団して丸々6年、
7年目も半分過ぎようとしていた
彼女のキャリアを考えれば、
コミュニケーションが
取れていないなんて……

やはりちょっと、
おかしな行動ですよね。

もし、
そのおかしな行動の原因が、
イジメだったとしても、
なぜイジメられる要因があったのか、
見当がつきません。
これが、
誰かから妬みを買うような
大抜擢があったのなら、
話が変わるでしょうが、
残念ながら彼女は、
そんな立場ではありません。
先ほども書きましたが、
上級生が、
彼女をイジメて、
あるいは邪魔をして、
新人公演に悪影響が出たら、
取り返しがつきません。
また、
これも先ほど書きましたが、
もし彼女が悩んでいたとするなら、
今後の娘役としての
組内でのポジションでしょう。

ヒロインを目指すとしても、
脇の重要な役割を担うとしても、
スキャンダルに巻き込まれて、
それがプラスになるとは、
到底考えられません。

退団するとしても、
『幸せな退団』は、
誰もが願うはずです。
でも、その直前にスキャンダルです。
そのせいで、
簡単に辞めることも
出来なくなったでしょう。

きっと彼女の心の内は、
『情報提供者ではないのか? 』
と他の団員たちから疑われることに怯え、
辞めるに辞められぬ状況に追い込まれ、
精神的に病んでいたのではないでしょうか。

なのでね、
ずっと書いていることなんですが、
どうして文春は、
彼女の名前を
伏せて記事を書いたのか?
この部分が、
どうしても理解できないんです。

それは、
ご遺族のコメントが発表されてから、
より一層、不可解になりました。

今回の報告書で明らかになったのは、
文春側から事実確認のために、
問い合わせが来ていたということです。
この時は、
文春から彼女と天彩の名前が、
確認の対象になっていたはずです。
プロデューサーが、
2人に対して、確認をしていて、
食い違いはあれど、
プロデューサーの確認の電話のことを、
ご遺族も認めています。

つまり、
文春は彼女の名前を把握していた。
なのに、
記事にはわざと書かなかった。

名前を伏せることで、
彼女が守られることもあったでしょうが、
憶測が、
他の団員に向けられる可能性も
十分にあったでしょうし、
ネット上では、
彼女の名前がすぐに上がっていました。

そんな状況になることを、
文春が
予測できなかった
はずがありません。

なぜご遺族は、
文春に対して、
彼女の心的負担を増大させた責任を、
追及しないのでしょうか?

もう一点、不可解なところを。

産経新聞に掲載された
ご遺族のコメントの中に、
彼女に対して退団を促した時
「そんなことをしたら上級生に何を言われるか、何をされるかわからない、そんなことをしたらもう怖くて劇団には一生行けない」
という内容の、
彼女の言葉がありました。
退団前提の休演と考えても、
『劇団には一生行けない』の意味が、
理解しにくいですね。
辞めるのに、戻る必要はないでしょう。
これでは
『戻る意志』があることになります。
遺族側弁護士の作文ミス、
あるいはチェックミスでしょうか?
それとも、
上級生のパワハラを
印象付けるための言い回しでしょうか?

もし本当に、
彼女がそんな言い方をしたのなら、
意味が理解できていない
錯乱状態です。
その時、
その状態を知り得たのは、
電話をしているご遺族だけです。
コメントでも悔やんでおられますが、
本当に、
何とかできなかったのかと、
他人の私でさえ、悔しく思います。

以上が、
巷で聞いたことや、
ネットで見せられたことと、
劇団の報告書を読んだ、
私の感想です。

最後に、

結果論で言うなら、
生きる道を閉ざし、
自殺という手段を選んだのは、
彼女自身です。

私個人の思いを言えば、
どんなに追い詰められて、
心を病んでいたかは判りませんが、
なぜその選択をする前に、
ご両親や妹さん、
家族のことを
一瞬でも考えなかったのか?
そればかりが悔やまれます。
彼女が
自殺という手段を選んだことで、
ご家族だけに止まらず、
友人や仲間の多くも、
心に傷を負ったでしょう。

命は大切なものです。
あらゆる可能性の源です。

自殺で解決できることなど、
何一つありません。
命を使って、
何かを動かすのなら、
自爆テロを肯定するようなものです。
そんな愚かなことは、
決して許されてはなりません。

どんなことが、
上級生のパワハラになるのか?
なぜその四名なのか?
ご遺族や遺族側弁護士は、
何を根拠に、
その四名を確定したのか?

ご遺族は、
その場にいなかったのですから、
危惧されるのは、
誰かの私怨を晴らす方法として、
『利用されはしないか?』
ということです。
何しろ
情報提供者が不明
なんですから。
あること、ないことを言い立てて、
真実からズレているかもしれません。

前回も書きましたが、
この国には司法があるのですから、
裁判をした方が良いですね。

上級生に故意も悪意もなく、
熱心に指導したことが
仇となったと言われるなら、
大変残念なことですが、
仕方ありません。
罪があるとするなら、
相手を見誤ったと、
納得するしかないでしょう。
歌劇団に要望するのなら、
その裁判をしっかり受けて立ち、
上級生たちをきっちり弁護することです。
それが、
イジメだのパワハラだのと
好き勝手に言う、
関係の全くない部外者に対して、
一番の説明になるでしょう。

長くなりました。
最後まで読んで頂き、
ありがとうございます。