オオスカシバ | めんどくさい

オオスカシバ

日本で見られる、空を飛ぶ昆虫の中で、
テクニック的に見て一番スゴイなと感心するのが
オオスカシバです。

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スピード的にみて、昆虫の飛翔のチャンピオンはトンボのヤンマ類らしい。
スズメガ科のオオスカシバの仲間は、スピードではひけをとるけれど、
ホバリングで上下左右前後と自由自在に移動できるし
なんていうか動きが「芸術的」って感じがする。

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庭に、毎年必ずやってきます。
暑い時期、どっからかやってきて、
あちこちの花の前で空中静止して花蜜を吸って、
またよその庭にお出かけ。
毎日デパ地下でコースを決めてひたすら試食してるイメージ。
可愛いやら、にくらしいやら。
(成虫は今の時期は来ないです、画像は夏に撮ったもの)

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デザインやフォルムも美しいと思う。
顔もかわいい。
もしオオスカシバのぬいぐるみがあったら
きっと買ってしまうと思う。

とはいえコイツは困ったものです。
来訪を手放しで喜べないというジレンマが・・・。
夏場、クチナシの木でホバリングしているのを見てると、
案の定、時々木のそばで停止して
お腹をうんしょって曲げて、黄色い卵をくっつけていく。
卵を産んでるのを見つけたら、すぐに取り除かないと、
秋になってクチナシの木がえらいことになります。

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現在えらいことになっちゃってるクチナシ


虫食いだらけのクチナシの木の近くで、耳を澄ませていると
「ガジガジガジ・・・」って音が聞こえます。
よく探すと、どこかで幼虫が葉っぱをモリモリ食ってます。
1匹2匹くらいなら許せるけど、大抵10匹とかいます。
クチナシは丈夫なので枯らしちゃう事はないんだけど、
ちょっと目に余る時は捕まえます。

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捕まえたのはいいが、どうする。
クチナシをたらふく食べてよく肥ったイモムシ、貴重なタンパク源です。
節足動物だからエビカニと同じ仲間です(くくりすぎ)。
食べちゃうか?

さすがに自分では食べません・・・。
(以前、知人のアフリカ土産で、現地の乾燥イモムシ食材を頂き
みんなで食べたことがあるけど、わりと微妙だった)

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こういう生き物は、お庭の水槽に入れます。
水に浮かべてしばらく待ってると
「ボグォッ!」って派手な音がして、幼虫は消えます。
クワイや藻が水面を覆ってるせいで、姿は見えないけれど
この爆音は、水槽で飼っているタウナギが
水面の空気ごと幼虫を吸い込んで補食したときの音です。
まったく人間の都合だけでやってる勝手な介入ではありますが、
いのちはできるだけ巡らせるに越した事はないと思う。