秋の巡礼最大のイベントであるG2E(Global Gaming Expo)ですが、ここ数年最大手スロットマシンメーカー数社が軒並み入場者を限定するクローズド出展をするようになりました。それらのメーカーはラスベガスで高いシェアを持っているため、実際にカジノで見かける機械の多くが新旧がわからないようになってしまっています。
ただ、ラスベガスで見られる昨今のスロットマシンは各社ともヒットゲームの類似製品ばかりになって久しく、どれも同工異曲なので大きな害はないと言えないこともないですが、それでもやはり淋しいものです。こんなことならもうG2Eなんて行かなくてもいいか、とさえ思ってしまいます。
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そんな中、最大手の一つであるLIGHT & WONDER (以下L&W)社は、昨年に引き続き来場者を限定しないオープン展示でした。同社は、かつてはBallyの子会社だった「Scientific Games」が、Bally(と、その子会社のShuffle Master)とWMS(ピンボールで馴染み深いWilliamsの親会社)という最大手二社と、それに準大手だったBarcrestを併呑し(関連記事:新・ラスベガス半生中継 2016年9月(5) コンベンション初日)、その後現在の社名に変更して現在に至るメーカーです。
▲オープン展示を行っていたLIGHT & WONDERのブース入口。さすがに人が多い。
このことから、スロットマシンを遊ぶなら今後はL&Wの機械を贔屓にしてやろうとも思うのですが、しかし、先述の通り今のビデオスロットのゲーム内容はどの製品も大差がない状況でワタシはいいかげんビデオスロットに興味を失いつつあり、スロットマシンを遊ぶとしても10年以上前の機械ばかり選ぶようになっています。また同社製のEGT(Electronic Game Table)やテーブルゲームはあまり普及しておらず、贔屓する機会もありません。
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一昨年から、ビデオスロット「Railroad Riches」の大ヒットで一躍人気メーカーとなったSEGA SAMMY CREATIONは、昨年のショウで参考出展していた「Bonanza Brothers」を前面に押し出して展示してきました(関連記事:新ラスベガス半生中継2025年10月(2):Day 2/5)。
▲セガサミークリエイションのブース。昨年参考出展だった「Bonanza Brothers」がメインとして展示されているが、ブースの壁に描かれているのは大ヒット作「Railroad Riches」のキャラ。
長くアーケードゲームを見てきたワタシとしては、Bonanza Brothersにそれほどのネームバリュー(別な言い方をするなら歴史的価値)があるようには思えないのですが、米国では事情が異なるのでしょうか。まだカジノで実機を見ることはありませんでしたが、Railroad Richesにつづくヒットとなりますように(ー人ー)ナムー
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VSR Industriesは、ラスベガスの南のヘンダーソンにある、主として筐体とその周辺(キャビネットのベースなど)の木工製品や鍵などを製造したり、筐体の設置やメンテナンスなどのサービスを提供したりする会社ですが、そんな会社が今回はなぜか「SIGMA DERBY (sigmaのザ・ダービーマークIIIのゲーミング仕様)」を出展していました。
▲VSR Industries社が出展していた「SIGMA DERBY」。
マーキーの白熱球はLEDに代わっているだけでなく、コンパネにはオリジナルには無かったLCDモニターと、さらにおそらくビルバリやカードリーダーが付くと思しきスペースが設けられていました。
▲「SIGMA DERBY」のコンパネ部分。ベットボタンの上の黒い部分にはビルバリやカードリーダーが入るものと思われる。モニターにマーキーのLED電飾が映り込んで見づらいのが残念。
製品名に「SIGMA」を名乗ってはいますが、係員に聞いたところ、「これはリプロダクトしたもので、権利問題については私はわからない」との答えでしたが、ただ、この開発者の中に元sigmaの人がいたとのことではありました。
ただ、まだ完成しているわけではなさそうで、ワタシが見ていたときはオッズがデタラメなレースが行われていました。
▲オッズがデタラメなレース。最低のオッズが11倍なので、全ての組み合わせに同じ数だけベットすれば必ず儲かる。すなわちこれは完成版でないことがわかる。
しかし今を去ること3年前、国内の某メーカーの開発部長が、ダウンタウンのカジノ「The D」で大人気のSIGMA DERBYを見て、「競馬ゲームは必ずしもリアルを追求しなくても、これでいいんだよなあ。ウチで検討してみようかなあ」と言っていたのですが、先を越されてしまいましたね。それはともかく、今もダウンタウンの「Golden Gate」カジノで大盛況の「SIGMA DERBY」をリプロダクトしたこれ、普及しますように(ー人ー)ナムー
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LT Game社は、香港に拠点を置くParadise Entertainment社の子会社で、昨年はその日本法人である「LT Game Japan」社が開発したバンダイナムコの「鉄拳」をテーマとしたスロットマシンとロボットディーラーをG2Eに出展していました。
昨年出展されたロボットディーラーは、実は10年前の2016年にもIGTのブースに出展されていたものだったことは過去記事「新ラスベガス半生中継2025年10月(4):Day 4/5」で言及しています。
▲昨年出展していたロボットディーラー。10年前に出展されたものと、少なくとも外見上の違いは見当たらない。
そしてLT Gameは今年もロボットディーラーを出展してきましたが、外見がずいぶんと洗練されていました。
▲今年出展されたロボットディーラー。
昨年のロボットは無表情な人間のようで薄気味悪いとさえ思われるものでしたが、今年出展されたロボットは、目をバイザーのようなもので覆って(無)表情を隠し、唇は赤く染め胸を膨らませた女性型に変化していました。さらに手にも人の手のような型が取り付けられ、より人間に近い印象を与えるようになっています。また、肩の関節も少し改良されているように見えます。
ただ、このロボットはバカラ専用のようですが、動作が遅く、実際のゲームでこの程度の動きではじれったくて長続きはしないでしょう。ロボットの発展はまさに秒進分歩の現代、スピードの問題はいずれ解決するとは思いますが、実用化するには少しまだ時間がかかると思います。
ロボットディーラーと言えばもう一つ、小さなベンチャー企業が積まれているフライヤーから1枚を取って来場者に手渡すロボットを出展していました。
▲ベンチャー企業が出展していたロボット。右手で積んであるフライヤーから1枚を取り、左手に持ち替えて向かいの人間に差し出す動作をする。
ワタシもそのフライヤーを受け取ったのですが、他の荷物に紛れて見つけることができず、社名がわかりません。聞けばロボット自体は中国製とのことですが、親指と2本のフィンガーで束ねてあるフライヤーの上から1枚を取り出すマニピュレーション(手指の動作)を行っており、これはLT Gameのロボットよりもずっと精巧な動きです。
しかし、その動作はLT Game以上に遅く、まるでナマケモノのようにゆっくりです。なお、ワタシはこれをショウの初日に見ていますが、ショウ3日目に再訪したときにはロボットは動いておらず、止まったまま展示されていました。
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最後に、日本のトランプメーカーであるエンゼルトランプが買収したカジノ用品メーカーのGPI社も言及しておきます。
GPIは、カジノのチップやカードなどのメーカーを統合した企業グループでしたが、2019年に日本のエンゼルトランプに買収されました(関連記事:新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(4) DAY 2:G2Eショウその2)。グループに含まれる会社の中には人気の高いクレイチップのトップメーカーであるPaulson社も含まれていて、当時はカジノのない日本の企業がこんなことして大丈夫なのかと思ったものでした。
▲2019年のGPI社のブース。看板に大きく「ANGEL」の文字が見える。ブース自体は決して大きくはないが、同社グループが扱うチップやカードが華々しく展示されていた。
しかし今年のGPIは、小さなカウンターと僅かな椅子とテーブルがあるだけで具体的な展示品はなく、僅かにカタログとPaulson社のチップのサンプルをギブアウェイとして配布するだけでした。
▲今年のGPIのブース。2019年と比べると1/3程度の広さで、展示品はほとんどなく、フライヤーとギブアウェイが入ったビニールの小袋がカウンターに並べられているだけだった。
話を聞くと、プレイングカードは北米では大きな商いがないので、アピールはPaulsonのチップを中心にして出展規模を縮小しているとのことでした。ただし、G2Eアジア(マカオで開催されるG2Eショウ)ではおそらく最大規模のブースを出展しているそうです。アジア圏のカジノはバカラが盛んなのでカードの需要が大きいことは想像できます。こちらも頑張ってほしいものです。
((3)につづく)























































