9月上旬、寒っ!なかなか春にはならないニュージーランドです。
私はオークランドにあるホテルでハウスキーピングとして働いています。
多種多様な民族がいる多国籍な職場です。
ハウスキーピングとは言え、私はパブリックエリアを担当していて部屋以外のホテル全館を清掃します。
昼間、ロビーエリアに行くと給水器の前で「あれ、無いね〜」と言いながら水を出すボタンを探しているおば様2人組がいました。
日本の方です。
ロビーにある給水器はボタンではなくセンサーが感知し勝手に水が出てきます。
ただ、水筒用なのでセンサーが真ん中あたりについていて、コップでは感知しないのです。
センサーに手をかざせば水は出てくるので日本語でお声掛けしました。
「あら、日本の方」
ついお喋りが始まります。
聞けば参加されているツアーは本日「ワイトモ、ロトルア1日観光」に出ているけれど、体力が心配なので残ったそうです。
確かに〜(笑)
わりかしご年配の方でしたので、朝7時出発で夜8時にホテルに帰ってくる脅威の13時間ツアーはキツイかも。
「旦那様はコチラの方?」
出ました!この質問っ!!
私は11年前まで日本からやってくるツアー客を案内する現地ガイドという仕事をしていました。
カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国で約14年間やっていましたが、その時にお客様からされる質問の第1位がコレだったのです。
旅をしている国についてより、私個人への質問の方が圧倒的に多かった。
ちなみに多い質問第2位は「出身大学」
私は、大学どころかエスカレーターで行けるはずだった短大にも行けず、苦肉の策”学校推薦’で受験した短大にも受からなかったほどのアホ。
「旦那様もおらず、大学にも行ってない」
いつも質問してきた人が少々気まずそうにしていたのが懐かしい。
”子供がいない”事を怒ってくるお客様もいらっしゃいましたね〜。
今ではこういう質問もアカンくなったのかもしれませんが、10年以上前の事ですから。
私は特に”独身主義者”でもなく気がついたらこうなっていただけです。(笑)
それこそNZに来た時は「結婚して永住権を獲得!」目指し、今で言うマッチングアプリ的なものをやったこともあるし、紹介してもらいおデートなんかもして頑張っていましたが、結局自分の力で永住権を取ったので、そこまで焦らなかったのです。
ただ、女性としてのタイムリミットはあります。
周りにいた友人の中で出産した一番の高齢を自分の限度と決め、常に旦那様募集中ではございました。
出産する気配もないまま時はどんどん過ぎていきます。
私は、自分の決めたタイムリミット年齢の誕生日が来た日”絶対床に突っ伏して泣き叫ぶだろう”と思っていました。
床をダンダンと叩きながら「もう子供を持つことは出来ない自分」を悔やみ恨みまくって涙が止まらなくなるだろうと。
そして、とうとう泣き叫ぶその日をひとりで迎えました。
一滴の涙も出ません
もうこれで「子供のこと考えたら早く結婚しないと」と言われることはないんだ。
肩の荷がふっと降りたような気がしました。
もしかしたら私は、こうなる事を願っていたのかもしれない。
のらりくらりと「早く結婚を」の言葉をかわして、この日を待っていたのかもしれない。
結婚し家庭を持ちマイホームを建てる
やってはみたかったのかもしれないけれど、強く望んではいなかったのかもしれない。
本気でやりたかったのなら、永住権を取った時のように必死になっていたと思うから。
なので私はきちんとした道を歩み子育てしている人たちをすごく尊敬しています。
私がやろうとしなかった大切なことしてるから。
幸せのカタチなんて人それぞれなので自分の人生に一切の後悔はないけれど、両親には「申し訳ない」と、ちょこっと、思っています。
旦那様も子供もおらず大学も短大も出ていない私が海外移住するまでの物語は、
コチラ↓からお楽しみくださいっ。