「社畜心を溶かして」 | ちょこっと、つぶやいてよろしいでしょうか。

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海外生活26年、現地でのオモロ苦労話や、時々する旅話をつぶやいています。

6月中旬、がっつり冬到来ニュージーランドです。

 

 

私はオークランドのホテルでハウスキーピングとして働いています。

 

まもなく勤続10年Σ(゚Д゚)

驚きですよね〜。

 

まさかこんなに続くとは思いませんでした。

 

ハウスキーピングって思ったより力仕事で、私には最初っから無理だったんです。

それを部屋ではなくパブリックエリアを担当することで体の負担を減らして続けてこられたんですけど、、、

 

 

去年の5月に国境が開いてからというもの、ホテルは大盛況。

さらに今年に入ってからオークランドを何度か襲った大洪水で家に帰れない方々が長期で滞在されているので、連日満室状態です。

 

人手不足を補う為、どんどんスタッフを雇ってはいるのですが、

 

過去記事↓のように

出勤して来ないんですよ〜。

 

スタッフの頭数はいるけれど、無断欠勤の嵐で人数が仕事分揃ったことがない。

なので、私は部屋係もパブリックエリアもやらなければならなくなっています。

 

 

私が担当するのは、すでに滞在しているお部屋の清掃です。

 

日々日々どんどん担当部屋数が増えていき最初は”ワンフロアーのみ”だったのが”全館”になり、ウチは2つのホテルが一緒になっているので、全部お願い〜になっていったのです。

 

そこで苦しいのは、全室なんて無理なので清掃する部屋を選別しなくてはならないこと。

 

昨日チェックインした人はしない。

一人で滞在している部屋はしない。

VIPはする。

希望者のみする。

家族連れはする。

ランクの低い方のホテルはしない。

 

と、通常は受けられるサービスをすべての方々に提供できない日々が続いています。

もちろんゲストからも「清掃がない」とクレームが来ます。

 

日本の「仕事魂」を持っている私はゲストに申し訳なくてしかたありません。

 

NZのいいところは、ここで頑張らなくても「出来ません」で済ませられること。

なので私も適度に手を抜いているつもりではありました。

 

だけどやはり無理はしていたようで、足腰が駄目になってしまいました。

 

ドクターストップがかかったので少々のお休みを頂き仕事復帰すると、

 

「ゆーちゃんに3027号室のゲストから」

 

と、チョコレートを渡されました。

 

 

NZに来た人なら買っていかない人はいないであろう、NZが世界に誇るmade in NZ、ウィタッカーズチョコレート。

 

クリスマスやイースターでも、とにかくコレを貰います。

NZでは知らない人はいないし、食べたことない人もいないと思うNZ唯一無二のチョコレート。

 

 

 

 

季節の特別バージョンやコラボ商品も時々でます。

 

NZでは普通の大きさなんですけど、少々デカいことはさすがに気づいているのでお土産用に小さいサイズありますよ!

 

 

3027号室、覚えてる〜!!

 

何度かお部屋でお会いした、車椅子のおじいさん。

 

車椅子の方用の部屋はある程度その仕様にはなってますが、グラスやゴミ箱など少々不便な位置にあるので、「ここに置いておくね〜」と移動させたり、ベッドも寝やすいようにまくっておいたり、タオルも取りやすい位置に置いたりと、工夫して清掃していました。

 

おじいさーん!

(≧▽≦)

 

 

見かけも、会話した英語のレベルからも私がNZ人でないことはわかるから、NZの味”ホーキーポーキー”を選んでくれたのかな。

とくにメッセージはなかったけど「Thank you」しっかりと伝わりました(´Д⊂ヽ

 

 

お休み中にもハウスキーピングのグループメールに

 

 

ゆーちゃんにゲストからメッセージあるよ〜、と写真があげられていました。

 

そうそう、1042号室ね。

長期滞在の方だったんですけど、部屋のコップに小さな木の枝が活けてあってそれを見るたびに癒やされていました。

 

なので、ゲストがチェックアウトする前日に「この木々たちに癒やされてました、見られなくなるのが寂しいです」とメッセージを書いて残しておいたのです。

 

これは、そのお返事。

 

お会いしたこともあるので日本人だと分かってくれたのかな?

「盆栽になるよう育てます」

って、オモロい。

そんな木じゃなかったから(*´艸`*)

 

 

ハウスキーピングの仕事に就いた時、何人もの人から「そんな仕事」呼ばわりされたけれど、私がこの仕事を続けているのは、このホテルが好きになったからです。

 

続けてこられたのは、無理をしなくてもいいというNZの雇用環境のおかげです。

 

日本の人からすると考えられないくらい自分のことだけを考えて仕事が出来る。

 

NZでは絶対に

 

社畜にはなれないっ。

 

 

仕事に一生懸命な人なんていないから。

 

私だってこの仕事に一生懸命になったことはないつもりでした。

 

でも私の心のどこかに日本の社畜文化が残っているから、どうしても無理してしまうんですけどね。

海外から見ると日本の仕事事情は異常。

でも、自分の中に染み付いちゃっている文化なので100%取り除くことは出来ません。

 

それが時々私を苦しめます。

 

皆のように「出来な〜い、さよなら〜」とはなれなくて、一部屋でも多く清掃しとこう!って思ってしまう。

 

忙しくて少しだけ心と体が痛かったけれど、おじいさんのくれたチョコレートがすーっと溶かしてくれました。

 

しばらくは治療でカイロプラティック通いですが、これは国がある程度負担してくれるので助かります。

(治療によっては無料、ドクターの診断書があるので休んだ分の給料は補償されます)

 

 

少々リフレッシュができて、また頑張れそうです。

いやいや、いかんのよ、NZは頑張ったらダメだった

 

年々体がアカンくなっていくのは感じるけれど、まだしばらくはハウスキーピングとして働いていたいのでゆるりとがんばりまーす。