ちょこっと、「探し物は何ですか?」 | ちょこっと、つぶやいてよろしいでしょうか。

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海外生活28年、現地でのオモロ苦労話や、時々する旅話をつぶやいています。

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そろそろ、春の足音が聞こえて来た、オークランドです。

「私がやれる仕事でしょうか、、、」といいつつ、多くの人たちに教えてもらい、導いてもらいながらやっているコーディネーター、もちろん、今でも手探りで、それでも必死にやっています。

ちょこっと、つぶやいてよろしいでしょうか、、、。

「長男長女は、忘れ物が多い」(特に統計なし)というのは、私自身長女で、忘れ物が多いというだけの、ただの持論ですが、やはり、両親の注意を100%もらっていた第一子というのは、比較的多いような気がします(^o^;)

その男子生徒さんは、私の期待を100%裏切らない’忘れ物名人’でした。

制服の上着、ベルトポーチなどの持ち物を始め、「明日は私服」という連絡事項。

留学は、午前中は留学生のみの英語の授業、午後からは’バディ’という現地校の生徒さんと受ける現地の授業というのが一般的ですが、その男子学生は、’バディ’を忘れて自分だけで授業行く、という’人を忘れる’神業も披露してくれました。

でも彼は、注意をしても、忘れ物を渡しても、お礼も言わず、ただふてくされ、言い訳ばかり、、、。

まったく反省がない。

それでも、一番たくさんおしゃべりをしてくれ、提出する日誌は、ぎっしりと文章が書かれていて、それを読むのが、楽しみでもありました。

ある朝、「日誌なくなった」と、ふてくされて登校してきました。
聞くと、昨日の最後の授業の場所に忘れてきた、との事。

日誌だけでなく、筆記用具や電子辞書など一式忘れてきていました。

自分で見にいってもらいましたが、「なかった」。そして、言い訳が始まります。
朝は一番忙しく、彼だけにかまっている暇はありません。

英語の授業が始まり、「辞書ないから、わからん」「ペンないから書けない」もう、ぼやき放題です。

これは、もう、ここで何とかするしかない!!

引率の先生に私の気持ちを話し、授業中ですが、彼を外に連れ出しました。
私は彼自身でなんとかしてもらいたかった。

これが、正解かどうかはわかりません。「コーディネーターに自分で探させられた」と言われたら、アウトです。さらに、もし、見つからなかったら、、、、。

彼を連れ出す前に、私は現地校側の担当者に「彼の英語を理解するフリをし、彼自身で探させるように即してほしい」という話はしてありました。担当者は快く引き受けてくれ、昨日最後まで授業が一緒だったバディも呼んでくれました。

彼自身に受付で「なくし物」の手続きをしてもらいます。

’Name’の部分ですら「何て書いてあるかわからん、書けない」と言い出す、慌てぶり。

私自身もじれったくありました。「いやなんだだろうな、緊張隠すためにふてくされてるんだろうな、どうしていいのか、わからんのだろうな」と彼の心を勝手に察して、いたたまれない気持ちにもなってきます。

やがてバディが到着し、男二人の探検隊が、昨日の記憶をたどりながら、校内を捜索し始めます。

授業中でも、人の出入りがあたりまえのNZです、バディはどんどん教室に入って行き、「ここ来たか?」「ここ、座ったな」と言いながら、探していきます。

いつしか彼も「最後はあそこだった」「ここには置いてない」と話をするようになっていました。

そして、教室の隅によけられていた筆記用具一式を見つけました。打ち上げ花火

二人は握手を交わし、それぞれの教室に戻って行きました。

ゴキゲンで受けていた留学生活最後の英語の授業が終わり、彼を呼んで、受付の人へのお礼、バディへのお礼をするよう話します。

「もう、バディとの授業ないよ、どうやって会うの」

学校中探してでも、お礼しなさーーーーい!!\(*`∧´)/

ランチ終わり、バディを連れて彼は現れました。一緒に写真が撮りたいとの事で、カメラを取りに帰ってきたそうです。

カ、カメラを取りに???
ま、ま、まさかですけど、カバンは?
もしや、あの受付のテーブルの上にある、ベルトポーチは!!私も見慣れたそのベルトポーチは!何度か忘れてあったベルトポーチでは!!

またここに忘れていったんか〜いっ!!


「だから、こうなるんだよっ!!!」

男二人の探検隊の笑顔にカメラを向けて、見つけた物が’宝物’になる事を願いながら、私はシャッターを切りました。