ヤフオクで、京都の【深和】って言う業者が出品のアニメチックな魚文の皿を見つけました。この時は、第一印象からも、またヤフオクの説明にあった私の知り合いでもある九州の山村氏の添え書きからも、ビルマの古陶であることは理解出来たのですが、この皿の驚くべき所以までは露程も思っていませんでした。

 

 

さて入札状況ですが推測するに、

1 評価5369は業者か? → 同業者の入札金額の吊り上げ

2 それとも小刻みの入札による貧乏臭いヤフオクファンか? 

3 イタズラ → 最近、多いらしい

何れにしても最後の落札まで、貧乏臭い入札につき合わされました。

 

では、本品の画像をご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

サイズは幅32.5cm、高さ4cm、高台径25.5cm

 

本品を仕留める前後にタイの友人と情報交換したのですが、本品はOsotspa Public Company Limited (บริษัท โอสถสภา จำกัด (มหาชน))のプライベート・コレクションだったことが解りました。以下は、所蔵時の図録にあった本品の写真です。

 

 

 

 

山村氏の箱書きの通り、ビルマの古陶で間違いは無いです。皿を洗ってみましたが、強烈な土の香りがしており、土色も赤土、皿の幅も30cmはあります。その他、諸々の諸条件も合致しており真贋チェックはOKです。

 

 

 

そもそもビルマの古陶は荒らしさが目立つのですが、本品にはその荒らしさが無いのが特徴で、また、絵柄が魚紋であることから、本品はタイの古陶、特に北タイ、パーン、ワンヌアの青磁に似ています。また、藻を咥えた魚の構図は、シーサッチャナラーイ陶の魚紋から伝わった感じを受けます。このことから、本品は14世紀後半から15世紀にかけてのものだと推測が立ちます。また、ひょっとすると、タイの陶工がビルマに行って焼成したのではないかと言う推測も出来る、タイ・ビルマの合体作と言えます。

 

Osotspaって言う会社はタイの華僑の会社で、今でも栄養ドリンクなどを販売しており、昔、大正製薬のオロナミンCを販売していたことでも有名です。この会社のコレクションが何故、日本の九州に渡って来て、京都の業者の販売となったのか、このルーツは興味津々です。いずれにせよ、大作が私のところへ来たことは、スーパーラッキーでした。