おにぎりの思い出。

私の通っていた幼稚園は、お昼はお弁当でした。
幼稚園生活にあまり馴染めずにいたのですが、
お昼にお弁当のふたを開けると、海苔や紅生姜を
使って作られた笑顔の女の子のおにぎりが入っている事がよくありました。今で言うキャラ弁のようなものですね。
お弁当の時間になり、ふたを開けてそのおにぎりを見るといつも
「ああ、お母さんは私が幼稚園で楽しく過ごしていると思っているんだろうなぁ」と少し悲しい気持ちでお弁当を食べたものでした。

   「万次郎さんとおにぎり」

絵本の1ページ目を開くと見開きで、収穫を迎えた田んぼと真っ青な空が描かれています。
そこにカカシのように両手を広げて立つ万次郎さん。ページをめくると万次郎さんがふっくらした手で大きなおにぎりを10こ、ぎゅっころぎゅっころと作っていく場面が描かれています。そして出来上がったおにぎりに海苔を巻いていくのですが、9こまで巻いたところで海苔が足りなくなってしまいます。戸だなを探しても見つかりません。するとおにぎりたちがムズムズと動きだして…

そのあとは確固とした意志を持ったおにぎりたちによって予想外の方向におはなしが進んで行きます。作者は文が本田いづみさん、絵が北村 人さんです。
この絵本に登場するのは万次郎さんと万次郎さんのお家と田んぼとおにぎりと、最後の方に出てくるでっかい太陽だけです。豪快で善良そうな万次郎さんが作ったふわっとして美味しそうなおにぎり。最初は静かに並んでいたのにいつの間にか目や鼻が現れて、ぺったらぺったらと表に飛び出して行きます。
おにぎりたちにはある目的があって…。

ネットで本の紹介を見ても細かいところまでは分からないので買うまで結構迷う事が多いのですが、たまたま、小さな子供がこの絵本を読む動画を見て、その子が床に足を投げ出してうつむいて絵本を読む姿がおにぎりを連想させて…。1ページ1ページじっくり読み進める姿に惹かれすぐに購入ボタンを押してしまいました。縦と横の比率が同じくらいの小さな子供はちょっとおにぎりに似てもいるのかもと思ったのでした。







この絵本の姉妹版のような「万次郎さんとスイカ」という絵本があってそちらもいつか読んでみたいなと思っています。