基本的な話なのですが、

「ウイルスとは何でしょうはてなマーク

今だったら、即刻「病原体」と答える人が多そうです。

しかし、事実としては、

「ヒトに病気をもたらすウイルスはごくごく一部」

なんですね。

病原体になるウイルスは、

ウイルス全体のおおむね「0.0002以下」。

実際は、もっと低いと思われます。

 

この数字の根拠となっている推定には、

細菌や単細胞生物のウイルスが含まれていないので、

現実の比率はもっと下がるはずです。

 

この「ウイルスは病気を引き起こすもの」

という考え方は、

19世紀のパスツールやコッホなどの

「病原菌が病気を引き起こす」という理論から始まり、

1890年代に実際にウイルスが発見されたことで

確定的となりました。

 

しかし現実には、その後の遺伝子研究、

特にヒトの遺伝子の解析が登場して以来、

「私たちの体内に常在する(内在性)ウイルス」

の存在がわかってきたこと、

そして、その種類と量が

膨大なものになることがわかるにつれて、

「ウイルスは主に病原体」という観念は、

少なくとも科学の世界では消えていきました。

私たちのDNAコードそのものも、

基本的にはウイルス配列からできているそうです。

わたしたちは内在性ウイルスでできているのに、

そこに介入していいのかはてなマークという話です。

 

ウイルスが哺乳類をつくっていた

で、シンシチンというウイルスがなければ

哺乳類は生まれなかったという話をしましたが、

遺伝子に組み込まれうるウイルスは レトロウイルスだけ、

しかも、現在の地球のウイルスで、

人間に感染するウイルスは

HIV(エイズウイルス)」だけです。

今度のワクチンに使われる手法も、これですね。