それは、妻の言葉。
私と妻は妻が4か月年上の同い年夫婦。
103歳で亡くなった母は「死ぬのは85歳位が丁度良いよ」と言っていた。
妻と私は67歳。
67歳で、妻は「満身創痍だ」と、自身と私に対して言う。
67歳から、母の103歳まで、「36年も、もう、そういう歳なんだと言って生きるのか」
私が「離婚するか」と聞くと・・
妻は、離婚はしたくないと言う。
私は結婚前から「籍は関係ない、大事なのは二人の気持ちだ」と言い続けて来た。
妻は言った「こんな夫婦が居ても良いんじゃないの」と。
今、私は手を繋ぎ、妻の施設や病院や叔母の病院に送り迎えをしている。
「二人とも杖だと周囲は優しいね」と言いながら。
義理の弟は、何故か「姉の手を繋ごうとはしない」私の大きな心配事。
姉弟の絆に期待するだけである。
今日、ゼロセンチだった夫婦が、7/5過ぎには6,300Kも離れる。
今日、握った手が可愛く感じた。
結婚以来、手を繋いだ記憶が無い私である。
それでも君は、「過去も未来も無い、今を生きようとするのか」
妻は言った「実はね、病気になる前にお友達とカナダに行く約束をしていたの」
「でも、病気で行けなくなっちゃった」
勿論、叔母の面倒のこともある。
私は、「大丈夫、2,3年頑張ったら来れるようになるさ」
「来たら、俺が宿なしでキャンピングカーに乗ってたりして・・でも来いよ」
「行きたい所へ連れては行けるからな」
「但し、私が生きていたらの話だけどな」
そう言った。