ピアノに限らないことですが、何かをしているときに自身が感じている難しさ煽りと、それを見たり聴いたりしている人が感じる難しさ凝視は必ずしも一致しません。

聴いている人が「これはめちゃくちゃ難しそうだね!」といっても実もそれほどの技術を必要としなかったり、「地味な曲だなあ」と思われていても実は演奏が困難な作品もあります。


値段と比べて実際の効能が高いことを「コストパフォーマンスが良い」とか言うように、音楽においても求められる技術に対して比較的に大きな効果が得られる曲を「演奏効果が高い」とか言ったりします。


演奏家はそういう事はよく承知していますので、プログラムはそういう事もよく考えられて組まれているものです。また、ピアノの歴史を見ても近代に近づくほどピアノも改良されて多くの作曲家がその可能性を最大限に引き出そうとしてきた事も、関係しています。ピアノの可能性を大きく高めたのはショパンやリスト、そして印象派のドビュッシーやラヴェル、ロシアのラフマニノフやプロコフィエフなどあげればキリがありませんが、ありとあらゆるピアノの奏法が、求められる音楽に沿って発展してきました。リストのピアノ曲は難曲揃いとよく言われますが、実際に弾いてみると全ての箇所がとても効率的に、ピアノを効果的に響かすように書かれていることがわかります。


逆にベートーヴェン、ブラームス、シューマンなどの作品はピアノの可能性を追求するというよりはその音楽の方にピアノの奏法を当てはめると言った感じで、演奏効果よりも音楽の内容に焦点が当たっているため、ピアノの奏法的に非効率的で弾きにくい曲が多いです。シューマンのピアノ協奏曲などは私が本当に苦労した曲の一つです。逆にこれらのドイツものと呼ばれる作品群はピアノのテクニックを勉強する上で欠かせないものです。皆さんの先生方が古典派の作品を必ず勉強するように口うるさく言う理由の一つですね。


さて、本日は運動会でお馴染みの曲オッフェンバックの「天国と地獄」序曲を演奏してみました。非常に「演奏効果の高い」編曲となっていますニコニコ





私のチャンネルではクラシックを中心に、世界の名曲を紹介しております。ソロ演奏だけでなく、多重録音による演奏も取り組んでおりますので、ご視聴いただけると嬉しいですおねがいおねがい