釜寅体験 | ぴいなつの頭ん中

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殻付き。そにっくなーすが言葉を地獄にかけてやる

釜寅ってカーマ・スートラの略なのかな。
官能的な食べ物ということなのかな。
釜寅のかにいくら釜飯を今日食べました。
カロリーは951kcal。
これをお昼に食べるために1日の摂取カロリー調整しましたとも。朝はプロテイン。夜はセロリの漬物。

さて、なぜ釜寅を食べることになったかというと、通販型同人即売会のテキレボEXというイベントに5月後半出店していて、その売り上げが芳しかったら売り上げで何か贅沢なものを食べようと思って、前から決めていたのです。
いつも出ている文学フリマも終わったら売り上げで焼肉を食べてるので、そういうことをやろうって思ったんですよね。
本を作るのにもお金がかかるから100%純粋に収入となるわけではないんだけど、なんか本を売ったお金でご飯を食べているという贅沢な感じがします。
ただ普通に何かを食べるのではなく、一旦本にしてからお金にしてる感じ。経済回している感じがすごい。
この感覚が異様に気持ちいいのです。
単なる食事に自分の努力が挟まっているみたいな。

でも今回はただの打ち上げ以上の重みがある気がしている。

通販だから対面じゃないから手続きも面倒だし、普段やってる通販はあんまり動かないし、どのくらい売れるのか正直全然自信なかったの。
だから自分にしてはものすごい勢いで宣伝をしまくっていた。Twitter宣伝まみれになっていたから、うるさいっつって嫌われたらどうしようみたいな気持ちと闘いながら。
目標を持ってそれに向かって頑張って(宣伝をして)、目標が達成できたからご褒美みたいな、ほんと打ち上げ以上の意味があったんです。
本を書くこと自体は頑張ることに含まれないの?ってことになるかもしれませんが、本を書いてから売り出すまでにとんでもなく時間がかかってるのでその頃には本を書いていた時の努力とかはほとんど忘れていることが多いの。
まあ日記を1年分出したときは、手書きのものを全てワードで書き直したのですごくお尻痛かったし頑張った気がしたのだけど。

いつもご褒美的なものを設定すると、目標が達成する前に挫けて自分にご褒美をあげてしまったり達成できずに終わったりしていたので、釜寅は奇跡でした。

目の前にちょこんと、思っていたよりも小さめな釜に入った釜飯。漬物3種類。おだし。お茶漬けみたいに食べる用のわさびとのりとねぎ。
これすぐ食べ終わっちゃうんじゃないかと思ってましたがまず漬物に手を伸ばした時のわたしの手は震えていました。
漬物、大根がぽりぽりしていて美味しかった。他のやつもよくわからないけど美味しかった。そして釜飯。取皿みたいなのがついていたのでほんのちょびっとずつとります。なんてことだ、いつも開いた冷蔵庫の前でしゃがんで数十秒でサラダチキンを食べ終わってしまうわたしが、お米炊いたら2合あっという間に食べ終わっちゃうわたしが、ほんのちょこっとずつ、釜から釜飯を出して食べている。しかも味わって噛み締めている。ごはんは意外と深くて、おこげもついていました。掘り下げる掘り下げる。しかしほんの少しずつ。体が自然とほんの少しずつをとるように動いてるのです。そして少しずつ食べる。
お米おいしい。久しぶりのお米。白くてふわふわのお米。柔らかすぎないお米。かにはよくわからないけどおいしい。いいカニとカニカマの違いがわからないバカ舌だけどおいしい。そしていくら。いくら多めで注文しました。いくらは潰さないようにそっと持ち上げてよそいます。プチプチでプチプチで口の中がとても楽しく美味しいいくらの味が広がります。
釜の中が残り半分になったところで、わたしはお出汁に移行しました。取皿のお茶碗にお出汁をなみなみ注いで、熱い熱い言いながらゴクゴク飲みました。おいしい。お出汁ってこんなにおいしいんだなあ。おでんパックのおだしはがぶ飲みするけども、それとも何か違う感じの味がする。温かさが体に染み渡る。じんわり。
ひとしきりお出汁をたのしみ、またほんの少しずつ釜飯を取皿によそって、お出汁をかけて、少し混ぜる。
美味しい。
ただし、これは問題もあって、プチプチ楽しむべきいくらが蛋白質変性を起こしてゆで卵みたいに固まり、なんか薬みたいに飲み込みにくくなったのです。これは誤算でした。
のこりはお出汁と釜飯は別々に食べ、食べ終わったあと、今までにないような満足感がありました。

目標があってそれに向かって頑張ったご褒美という特別感だけでなく、食べたいものでしかも贅沢なものを選んでピンポイントで注文したということがでかかったのかもしれません。
目標をもつってすばらしい。
たまの贅沢するってすばらしい。
普段の、無駄にたくさん食べたくなるみたいな衝動がなかったことに驚きました。
昔クドカンさんがネットで、過食が止まらないと相談してきた人に対して「高いものを食べましょう」と言っていて何言ってんだこいつと思ったことがあったんですが、食べ過ぎないためには高いものでいいものを選んで精神的な満足感を得るというのもテなのかもしれません。クドカンさんごめんなさい。ようやくわたし、あなたの言っていたことがわかりました。

とにかく自分でも驚くくらいに釜寅体験が特別なものになってしまいました。
釜寅最高でした。ダイレクトマーケティングというのかしらこういうの。
でも釜寅さんからお金は一切もらっていません。
おいしかった。
しあわせ。
書きながらあまり集中力が持たなかった。
夜はやりたいことが多すぎますね。