4/26自動筆記 | ぴいなつの頭ん中

ぴいなつの頭ん中

殻付き。そにっくなーすが言葉を地獄にかけてやる

あっくんが生まれた日

忘れもしない

チョコレートが大好きだった小さくて白い犬の話

いつも小説みたいな記録を書くねと言われていた

八百屋の一番よく見えるところにひとりじめスイカが売っている

夏が来たんですよ

夏が

散歩していると研ぎ澄まされる

年々わたしの意識ははっきりしていくように思う

幼い頃が茫漠としているのは

記憶が褪せかけているせいなのか

飛ばされてしまったのか

それとも

わたしはずっと昏睡状態だったんだろうか

コーマスケールにも測れないほどの些細な意識障害

喪失していくのは

些細で幸せなひとときたち

つらい時の記憶ばかりが

マラソン大会の風景

カレーの匂い

はっきりとしている

なんで給食ってどこも同じ匂いなんだろう

慢性病棟もそう

どこに行っても甘ったるく煮こまれた匂い

人間の動物臭さってこういう匂いなのかもしれない

愛してきたものたちのこと

そのいくつかは忘れてしまっている

大好きだった絵本のタイトルをわたしは

思い出せない