ーピーター・S・ビーグル「心地よく秘密めいたところ」より
「すべての生物は二つの基本要素で構成されている」栗鼠は言った。「目的と詩だよ。自分自身であることによって、つまり、鴉は鴉、栗鼠は栗鼠であることによって、われわれは第一の要件を満たす。きみは飛ぶことで、ぼくは木に登って。しかし、どんなつまらぬ最低の生物にも詩があるんだ。もし、われわれがそれを探しもせずに放置しておくなら、われわれ自身も未完成のままになる。食べ物もない、避難すべき宿もない、愛もない一生、雨の中で暮らす一生ーーこれだって、詩のない一生にくらべれば、何でもないさ」