片目だけじゃなきゃ見れない世界がある
寂しさを我慢してる背中に、おいで、と声をかける優しい風。
迷惑をかけられればかけられるほどポッケのお菓子が増えていく。
向かってくる人混みをみながら今までであったことのあるひとたちのかおを思い出していた
知ってる人を探してるのに知ってる人ひとりもいないから思い出から錬成して作り出してるみたいだった
あのひとの青春を思った
わたしの力ではどう叩いても壊せないのわかってて、でも壊した先にあるものを見たくて、でもその先に何もなかったらどうしたらいい?
ジュリアは汚いおじさんの話を真剣に聴いていた
イヤホンの中の叫びと、そとのひとの嬌声がシンクロする
取り残された島でもやっていけるよ
どうして隠しているかというと、わたしには、消せない刻印があるから。二の腕のところに、所属と名前が刺繍されているのだ
黄色い皮膚に縫い付けられた、紺色の刻印。
刻印としか言いようのない憎たらしい何か。
あかりが青っぽかったので、つい飛び出してしまったのだ。そして怨念を、拾う
自転車のハンドルが手放せないから、中指を立てることができない。ピースもできない。写真の中に自分じゃないみたいな自分がいて、笑顔に見える顔をやっている。
たくさんの人を傷つけたくさんの人を殺してきた自覚があるからこそ、好かれる詩は書けない、いいこなしもかけない。
わたしがゆっくり歩くのは世界が憎いからだ。