みなさま、ほんとうに、自分を労ってくれたりほしい情報をくれたり、弱みをみずからさらして優越感と共感に浸らせてくれるものが大好きなのですね。
わたしはもう自分自身がなんなのかわからないし、生まれ変わったら花かライオンのたてがみになりたいし、前世はフタコブラクダの二番めのコブだったので、愛情を湧き水のごとく与えられても、自分の心をわざと切り刻むことによって生じる快楽に溺れ続けて、苦しい思いばかり選んでしまうのです。
みんなこうして、ひとりきりで死にます。
才や能や華があろうとなかろうと、一人きりで最後は灰になる。
仮令、出会った人たち一人一人に、すこしばかりの刻印を必ず残せたとて、そんな傷はすりむいた傷よりも小さく、癒えて消えてしまうことだってままあるのです。
あなたに死ぬほど大きな刻印を残したい。
わたしに死ぬほど深い刻印を残してほしい。
あの日棄てた女はどうしているだろうと思う気持ちはいつまであなたにあり続けるのでしょうか。
優しさは胸いっぱいに、そのポンプで押し出され身体中を真っ赤に流れているのに、自意識が邪魔をするのです。
あなたへの思いは溢れて内臓をよごすほどに湧き出ているのに、裏切られたくない、きらわれたくない、否定されたくない、無視されたくない、そのような自己保護本能が邪魔をして、うまく伝えきれないのです。
自信はもとうと思って持てるものではありません。
どうかその肩にやさしくとまる勇気をこのちいさな雀に与えてください。