肝臓から食べて行こうと思いました
大事なところときいたためです
みんなが大事だっていうことに踊らされて
みんなの価値観に乗って生きてる
僕をも殺すつもりでした
次に足を切って焼きました
いつもだれかのあとばかり追っているから
足は両方焦げ付くまで焼きました
次に目を引き抜いて食べました
ゼリーのようにつるりと
目に見えるものばかりを信じてしまいだまされて
ほんとうに欲しいものが分からなくなっている
可哀想な僕たちを救うためでした
脳とその先にのびている神経を
引き摺り出して食べました
電気信号に乗せてくだらないことばかり浮かべ
ありもしないものをありがたがり
みえないものを無視し続ける
都合のいい電気機関など要らなかったからでした
脳はとても不味く口に残りました
心臓はぷるぷるとしていた
さっきまで休まず動いていたポンプ
こんな小さな筋肉を休まずに働かせる鞭を持ったからだが憎かったからでした
心臓が頑張れば頑張るほど僕はどうしようもない思いに駆られていました
口は嫌々食べました
カルシウムは溶けてしまいました
出鱈目ばかりを空気に乗せて
僕を傷つけていたその口は
死んで蛋白になってもなお
醜さと感情を残していました
手は汚ないから食べないでおきました
その辺に転がして置いたら猫が食べました
昔此の手は僕を殴り僕を壊した
汚い手でした
猫に毒が回らないように
きちんと吐かせてやりました
残してしまったほかの肉と共に
ソーダに溶かして棄てました