乗りこんだ自転車
かろやかに、どこへゆこうか
懐かしい場所の前を
あの頃の僕たちが同じように
国語で習った詩とか
運動会の歌とか
僕たちにはそれでよかった
競走しつつ歌ってた
白い太ももで嗤うタトゥー
黒い蝶は刻み込まれて
それを味見したのはたぶん
僕以外にもいるのでしょう
遊ぼう
ゆうぐれに
昔みたいに自転車に乗って
待ち合わせはぼくらの秘密の場所
君を救えるのは僕だけだし
僕を救えるのも君だけなんだ
遊ぼう
あけがたに
昔みたいに突然電話して
待ち合わせはぼくらの秘密の場所
つみかさねた秘密を
一人で数えるのはもうやめな