きみに名前をよばれるたびに、私はこの名前でほんとうによかったと思うんだ
きみが犬を飼いたいと言うたびに、よみがえる記憶
傷だらけの私と犬を助けてくれたきみ
アレルギーのくせに
無理して家にいれてくれた
不穏な発疹を発しながら
心配する私に 言いはった
猫はだめだけど犬は平気なのだと
傷だらけの私と犬をやすませてくれたきみ
言葉にはしないけど、
ほんとは優しいのわかってる
弱さを知ってる
いつも狭き門へむかう
いろんな持ち物を犠牲にして
誰かを守ろうとする
単純で不器用で
協調性がたりない
だけどそんなきみが愛されるのは
きみの真心をわかっているから
虚弱で無愛想で
社交性がたりない
だけどそんなきみを愛してるのは
きみの真心をわかっているから
そんなきみをこっそり愛してるのは
きみの宝物をわかっているから
傷だらけの手当てをしてくれたきみを
傷だらけにはしたくないから