たったひとつのものを求めて
自転車に飛び乗る夕方
『日没までには到着』
『坂道でも漕ぎつづける』
自分だけに課したルール
あの日ときめいた 心に貼り付いて離れない歌を耳にあてながら
オレンジ色なんて言い方じゃ かわいそうだと嘆きたくなるほど
かがやいて沈む太陽
さよならはどうしてこんなにかなしいんだろ
さよならはどうしてこんなにきれいなんだろ
一瞬、糸がからまって
泣き出したくなるんだけど
ほのかに甘い痛みを、からだの奥で感じてるんだよ
別れのうたばかり口ずさむのは
もう準備ができたってことかな?
せつなさに負けぬよう
強い風におされぬよう
口ずさむというより 唇から流れるように
絶望ってどうしてこんなにキラキラしてるんだろ
切り刻まれれば切り刻まれるほど、鋭くなってくみたいで
確かに辛くはあるんだけど、ほのかに甘い痛みが美しくもあるんだよ
やたら涙もろくなっているのは
もう準備ができたってことかな?
せつなさをうけいれて
強い風を押し返して
涙流すというより 光のカケラ生み出すように