渡辺繁一のブログ -56ページ目

渡辺繁一のブログ

演出の効果を設計する

いきなり質問です。

300円の競馬新聞と無料の競馬新聞。
あなたはどっちを信用するか?
この質問をすると、ほとんどの人は300円の競馬新聞に書いてある情報が正しいと感じる。
つまり、金額がある方が価値が高いと感じるのだ。
内容が全く同じであっても、その情報の信頼度はその販売価格に依存していることがわかる。


たとえば、この私が書いているブログ、これは無料でみんなが見ることができるのだが、
「クリックして100円を払わないと見る事ができない情報。」
という「フィルター」を設けるとどういう事が起こるのだろう?
最初に起こるのはみんな見ない(笑)。
でも読者の中には「ちょっと気になる」人がいてクリックして情報を得ようとする。
「100円以上の価値がある情報であるという意識でブログの文章を読む」のである。同じ情報を無料で配布した場合は、その情報を無料であるというフィルターを通して読む事になるので情報の感じ方が100円の場合にくらべ低いのだ。

もう一つ例を、A氏とB氏がおのおの違うセミナーを申し込んだ。
A氏の受けるビジネスセミナーは10,000円。B氏の受けるビジネスセミナーは無料。
会場は、都内の某所、15時~17時までの2時間。
当日、大雨、山の手線が人身事故の影響でストップ。

A氏は、電車が使えないのでタクシーで会場に。
そのとき、心の声はこんな感じかも知れない。
(大変だ、遅れると、○○先生の話を聞き漏らす、今日は10,000円の元をとらなきゃ。)

B氏は、電車が使えないので諦める。
そのとき、心の声はこんな感じかも知れない。
(それほど無理をしてでも参加する必要性を感じない、雨と電車事故もあるし・・・・)

A氏とB氏に明らかにセミナーに対する意識が違う事が解る。
セミナーを受けている最中においてもその意識が大きく働くと考える。
A氏がセミナーを受けている2時間とB氏がセミナーを受けている2時間。
物理的には同じ2時間だが、情報の吸収力があり良質の時間を維持しているのは、
明らかにA氏の2時間。

セミナーで参加者から金額集めない、これは主催者の善意の現れでもあるのだが、本当にセミナー参加者の事を考えるのであれば、無料にしないことが参加者の意識を高める事につながり、結果として良質の時間を共有する事ができると考える。



自分自身が商品を売りたいという姿勢と

「売れる人になる」ということと。
「売りたい人になる」とは言葉は似ているが全く違う結果を発生させる。


典型的な「売りたい人」はこんな感じ。

ものが売れない経験を数多くした私は、いまでもそうなのだが、
1.もの『サービス」が売れない事には生活の基盤が安定しないというものすごく強力な痛みのレバレッジで「売る」意識をもってしまう。
2.提案したものがすごく自分にとって魅力的であると感じる(やってみたいと強く思う)快のレバレッジで「売る」という意識を持つ。

この2つのレバレッジでモノ「商品」を売ろうとするとどういうことが起こるのだろう?

安売りして(自分に)良いものを提供してしまう。

「良いもの」がクライアントのニーズを満たすもの、期待を超える何かがあり、クライアントの気持ちに触れた場合、より深い信頼性の関係を構築できる。
ただ、「良いもの」が自分にとって「良いもの」であって、クライアントにとって「良いもの」で無い場合があると、その結果は双方にとって大きな不幸を招く事になる。


安売りは、クライアントにとって他より安ければ充分な武器になりうるので競争力は強く、制約になる確立は格段に上昇する。ただ、「自社の利益を企業努力で削り・・・」を習慣的に行っていたのでは健全な運営状況とは言いがたい。かつ、ブランドのイメージをダウンさせる可能性がある。

喉から手がでるほど仕事が欲しい状態。予算が無いと言う場合、自分(自社)から値段を下げ、制約に持って行くことは避けるべきである。
相手(クライアント)がその仕事を頼みたくてはいけない状況(クライアントから見ると痛み)になり、「予算削減の依頼」がクライアントからあった場合にその「予算を下げたい」問題を解決するという考えが必要だ。「価値を下げずにコストを押さえたい。」とクライアントが思っていると考える。
これは、対等な交渉であると考える、そうするといろんな建設的な協調できるアイデアが生まれてくるはずである。例えば、「コストは下げるが、クライアントに対してバーターを持ちかける事ができるかも知れない。」

「自分の商品がすごく好きで、それをいち早く世の中に出して見たい」という意識が強いとどうなるか?自分から「買って欲しい」「自分の為に」「自社の為に」という感覚になってしまっている。
相手にとって本当に必要なものでどういう価値を与えるものであるという観点で説明(プレゼン)をしていない可能性が高い。その状況下では。
クライアントはその価値を理解していない。
クライアントはコストダウンをリクエストする。
納入することが自分の商品を出すことになるので、コストダウンに応じやすい。
価値がはっきりしていないのでクライアントからみるとノーブランド、つまり性能がそこそこでコストメリットが感じられるので購入に踏み切ったということになる。従って、次回、同じような案件があった場合、自社よりコストダウンした会社に注文が行くことになる。
受注した場合、クライアントはどういう理由で注文したかを認識する必要があり、その理由をどう利用するか考える事が重要である。

商品がある場合はその商品のカタログや図面、プレゼンの資料などでクライアントは提案の内容を「理解」することはできる。でもその「理解」は性能対コストであって、価値対コストでは無い。
もたらされる価値 対 コスト の関係を明確にする必要があるのだ。それを明確にすることがブランドをつくる意識につながる。

■商品(サービス)によってもたらされる価値と金額の関係に一貫性が必要、それがブランドの信頼をつくり出す。


■相手のニーズを先読みして、喉から手が出るほど欲しい状態をつくるのがプレゼン。