スイカの果実肥大2
スイカは、雌花の柱頭に雄花の花粉がかかることによって刺激され、子房が肥大します。
雌しべの柱頭に授粉してから花粉管が伸長して行き、約一日経って花粉管が胚珠に到達します。
花粉管が到達すると受精し、卵細胞が分裂して胚の発生が始まります。
それと同時に胚珠からホルモンが分泌されて、前記事にあるように細胞自体の肥大が促進されて果実が肥大します
授粉がうまくいかなければ、子房の肥大は途中で止まるか、肥大しても均等に肥大せず、偏った形になります。
これは、花粉管の伸長が途中で止まり、果梗付近の種子が成熟せずにホルモンが果実全体に均等に行き渡らないためです。
受精した胚珠は種子に成熟し、肥大と共に褐色に色づいてきますが、受精にあずからなかったものはある程度肥大しても色づかず白いシイナとなります
成熟した種子のある部分は綺麗に肥大し、シイナの部分の果実は肥大が進みにくく、写真のように全体として偏ったいびつな形になります。
スイカの肥大では、初期の授粉がとても重要であることがわかります。
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