スイカの花粉
スイカは、一般的に雌花と雄花が同じ株内に着きます。
基本的に節ごとに雄花が着生してきますが、6節から7節毎に雌花が着生します。
大きくて品質の良い果実を成らせるには、3番花(18節から21節の雌花)に授粉して着果させることを目標にします。
スイカは、同じ株の雄花の花粉を雌花に授粉しても受精して着果する植物で、アブラナ科のように自家不和合性は認められません。
スイカを成らすには、花粉の力がとても重要です。
朝早く、日が昇ると共に明るくなってくると、花弁が開き始め、雄しべの葯から花粉が出てきます。
出てすぐの花粉は少し湿っていますが、しばらくすると乾燥して発芽する能力を持ちます。
花粉の力はこの時が最大で、条件がよければ90%以上発芽します。
しかし、時間と共に発芽率は低下しますので、朝早く授粉作業をすることが望まれます。
乾燥したスイカの花粉はラグビーボールのような形をしていますが、人工培地上の花粉は水分を含み、丸い形になります。
花粉が雌しべの柱頭に着くと、人工培地上で見られるように発芽し、気温によって異なりますが、まる一日間ほどかかって、花粉管が花柱を通り子房の中の胚珠に到達して受精します。
これによって胚の発生が始まり、ホルモンが分泌されて子房が肥大し、スイカの果実へと成長していきます。
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