リコピンと肝機能

スイカに多く含まれる重要なカロテノイドの1つ、リコピンは、11の共役二重結合を含む赤色の脂溶性色素で、これが、リコピンに強力な活性酸種消去能を持たせています。

また、リコピンは脂溶性なのでオイルとなじみやすいです。

 

オイルの中でものバージンオリーブオイルとアルガンオイルには、機能性食品と考えられるビタミンEなどの多様な植物化学物質が含まれています。

スペインやアルジェリアの研究では、バージンオリーブオイルおよびアルガンオイルとリコピン摂取の組み合わせから、ラットの肝臓のリコピン濃度ならびに肝酵素に対する影響をしらべています。

バージンオリーブオイルおよびアルガンオイルの摂取により、ALT、AST、ALP(アルプリンシブ)の肝酵素のレベルが低下していました。

これらのオイルにリコピンを加えることで、肝リコピン濃度を高めて血清肝酵素への効果を大幅に改善し、ALT、AST、ALPレベルがさらに低下し、肝組織を保護することが分かりました。

これらの結果は、バージンオリーブオイルおよびアルガンオイルにリコピンを含むことで、肝臓を損傷から守る天然抗酸化剤として利用される可能性が示されています。

 

また、トルコの研究でラットを用いた試験では、リコピンは肝臓の一酸化窒素や酸化ストレスの指標のマロンジアルデヒドのレベルを低下させました。

さらに、胆のう施術で機能低下させたラットの肝臓のグルタチオンやカタラーゼ、スーパーオキシドディスムターゼなどの活性酸素を消去する物質、酵素の働きを強めてくれて肝臓を保護してくれることがわかりました。

 

 

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