皆様、こんにちは。

オーストラリアのゴールドコーストから

ナチュロパスの植村和美です。

 

先日、体重を減らしたいという患者さんが来ました。

どんな食生活をしているか聞くと、

パンや甘いものを多く食べていて、

肉食系で、魚はほぼ食べず(本人いわく

においがきらーいとのこと)、

しかも、生野菜がきらい、

食べる野菜は、じゃがいも、ニンジン、

グリーンピース、カボチャぐらい。

これって、実は以外とオージーに多い

食生活のパターン

オーストラリアは、肥満大国。

2012年の統計では、60%が

体重過多で、そのうち25%肥満だそうで、

これは、きっともっとふえていると思います。

このクライアントさんもそうなのですが、

家族代々同じような食生活をしてきているので、

今更、変えられない。

 

You are what you eat

あなたが口にするものによって、

あなた自身が作られるのだということを

表す言葉ですが、まさにその通り、

食生活は本当に大切だと、

日々クリニックの仕事を通して痛感しています。

 

医学の父と呼ばれるヒポクラテスは、かつて

Let food be thy medicine and medicine be thy food

汝の食事を薬として、汝の薬は食事とせよ

と教えました。

今の食生活をみているとMedicine(薬)どころか

Poison(毒)になっているのじゃないかと思う食べ物が

ありますねー。

 

私のクライアントさんは、

ご家族から食生活を

受け継いできてしまい、

それが普通になってしまっていました。

 

子供にどんな食べ物を与えるか ということは、

その子の将来の体の健康だけでなく、

精神、心の健康をも左右することになると思います。

 

小さい頃に養われた食習慣は、大人になってから

変えることは、ちょっとしたチャレンジになります。

 

オーストラリアでは、食に関する教育というのは、

あまりないように思います。

ここ最近、肥満や若年性糖尿病などが増えてきており、

コミュニティーや、学校などで、

健康的な食生活について学ぶ機会が

でてきましたが、それでも少ないほうだと思います。

 

名古屋短期大学の教授、小川雄二さんと

福井県小浜市で、食育事業に携わっておられる

中田典子さんの共同著書で

「食育五感イキイキ!心と体を育てる」という本には、

傷害事件や

薬に手をだしてしまう非行少年は、

親の手作りの料理を囲んで

一家団欒の食事をするする機会がほとんどない子や、

朝食をひとりで摂ることが多い、

栄養不足、

魚の煮ものや

野菜の胡麻和えなどの手の込んだ料理を

好まない、などの傾向があると書かれていました。

 

お母さんやおばあちゃんが作る料理を

お手伝いしながら、見よう見まねで作ることから、

野菜などの素材のことを学んだり、

材料を切ったり調理の手順から

工夫するということを学んだり、

また、

食事をするときは、

食事の作法を学んだり、

家族でその日あったことを話ながら、

わいわいと食卓を囲んだりすることで、

ソーシャルスキルを自然と身につけて

いくことができる、

そんな感じで、食を通して多くのことを、

私たちは学んでいるのだと思います。

 

食事というのは、ただ単にお腹がいっぱいになるだけが

目的ではないのです。

 

前記の本の著者は、自身が教える短期大学で

主催されるオーストラリアで保育実習をする

という企画を通して、オーストラリアの保育園を

訪問されています。

そこで目にされたランチボックスの光景。

 

サンドイッチ、クッキー、スナック菓子、

ジュースやフルーツといったものが入った

ランチボックスをほとんどの子が家から

持参していますが、

このような食生活をしていると、

大人になってからの影響が懸念されると、

指摘されていました。

好きなものを子供に与える、

楽しく食事を過ごす

という意味ではよいかもしれませんが、

肥満とそれが原因となる

病気疾患の数が

後を立たないことからもわかるように、

食生活は大きな影響を与えていると思います。

 

私は、クリニックの近くにある

ある幼稚園から依頼を受けて、

親御さんを対象とした

「如何に子供に野菜を食べさせるか」

というセミナーを開催したことがありました。

レシピと実際に作ったいくつかの

料理を携えて、意気揚々と

出かけていったのですが、

親御さん自体の食に対する意識が

なかったり、また、生まれたお国柄の

違いで、食生活の違いなどがあり、

こちらが提供しようとした理想と

現実のギャップに

ちょっと戸惑う場面がありました。

 

でもこのような地道な努力が大切なんだなー

と思います。

 

改めて、日本の食生活は、

本当に理想的だと見直す日々です。

 

私は、この幼稚園でおこなったセミナーで、

”いただきます” の精神をお伝えしました。

 

いただきます という言葉には、

食事を作ってくれた人への感謝、

食材を栽培し、育ててくれた人への感謝、

そして、私たちの栄養となってくれた

食材そのものに対する感謝が

込められています。

 

私たちは、ごはんと味噌汁、

そしておかずという組みわせで

食べることが多いですが、

味をあまり持たない控えめな

ごはんを食べることによって、

おかずの味が引き立ちますし、

味噌汁を飲むことで、違う味を

味わことができます。

 

日本の食材も、季節に合わせた

海の幸、山の幸、里の幸が豊富にあり、

海藻や、きのこ類、豊富な種類の野菜

など、料理好きの人にとっては、

作り甲斐のある食材ばかりです。

また、日本ならではの、味噌や

醤油、納豆、漬物などの発酵食品

も豊富です。

 

こんなに素晴らしい日本の食事を

提供したい、

それを食育の一環としていきたいと、

頑張っている人がいます。

 

幼児教育コンシェルジュの岸田ひとみさん

なんかかっこえー肩書やわー。

最近親しくさせて頂いている

とても大切な友人の一人です。

この素晴らしい食育と、知育、体育、徳育を

しかも日本語で提供している家庭保育園Family Day care

それはブリスベンにあるんです。

名前は、ひよこ園

(名前の由来はこちらからどうぞ)

 

ひとみさんは、ソーシャルメディアを使った集客法やビジネス法、

オンラインセミナーなどでご活躍の

マッカイ清美さんを通じてお知り合いになりました。

 

お会いしたときから、そのつぶらな瞳と一途な情熱、

特に、将来は幼稚園作りをめざして、

こんなことしてみたいーという思いは、

熱すぎて、私はいっぺんにメロメロになりました。

ひとみさんは、言ったら、絶対に行動する人、

そしてそれを絶対に実現できる人。

最近は、食に関する興味もどんどん膨れあがり、

いろいろなワークショップに参加して、

ご自身の家庭保育園で提供する食事に生かせるようにと、

精力的に知識を吸収するスポンジボブスクエアパンツ状態です。

 

これからの食育の在り方を、

きっと先導していける、船頭さんのような存在に

(オヤジのようなダジャレすみません)

なる方だと思います。

私、もし小さい子供がいたら絶対に預けたいと

思うなー。

 

同じような思いを持っておられるご家庭が多く、

ひとみさんのところのデイケアに入るのに、

今はなんとキャンセル待ちだそうです。

 

特に、日本人とオーストラリア人の

ハーフで生まれてきたお子様を持つ

ご両親や、

日本人でもオーストラリアに移住してきて、

オーストラリア式の生活に慣れている

ご両親にとって、

ご自身の子供たちには、

日本的なマナーを身につけたり、

日本人が持つ、目上を敬う心だったり、

礼をつくす精神など、

小さいときから学んでほしいと思う

方もいらっしゃると思います。

それに加えて、美味しい日本食を

提供してくださるデイケアとなると

人気がでて、すぐに定員が埋まってしまうのも

うなずけます。

 

ここ最近は、

アレルギーや注意欠陥多動性障害などの

子供たちが増えてきています。

 

食を正し、食を通して、

自分の体を大切にして、

他人に思いやりをもって、

地域や

社会とつながり、貢献できる

将来を担う子供たちの多くが、

このひとみ先生の

ひよこ園から巣立っていくことでしょう。

ひとみ先生のご活躍を

益々楽しみにしています。