オステオパシーは整体みたいなものでしょ?とよく言われますが、明治時代に初めて日本にオステオパシーが紹介され、その後大正時代にアメリカの三大整体として紹介されたオステオパシー、カイロプラクティック、スポンディロセラピーを日本式にアレンジして作られたものが山田式整体術と言われていることから、整体はオステオパシーと密接な関係にあると言えるでしょう。

 

カイロプラクティックに関しても、創設者のダニエル・デビット・パーマー氏がオステオパシーの学校で学んだ記録が残っていることからオステオパシーから何らかの影響を受けているかもしれません。実際、骨格の歪みを矯正して正常な状態に戻すことにより体が持つ自然治癒力を鼓舞するという考え方はオステオパシーと非常によく似ています。

 

カイロプラクティク創設者 D.D. Palmer氏

 

ただし一般的によく言われるのは、カイロプラクティックは背骨の歪みを取り除くことで神経の流れを改善してくのに対して、オステオパシーは骨格だけでなく筋肉、神経、内臓、血液やリンパの流れなど体全体をみて機能障害の原因となる部位へアプローチしていくことを特徴としています。

 

Smartt J.(2016)『Osteopathy Explained』より

 

日本の治療院などに行くと肩こり、腰痛など症状そのものに対しての局所的なアプローチを行うものが多く見受けられます。もちろん、一時的であれ痛みから解放されることはとても重要です。なぜならそれこそが患者さんが第一に望むことだからです。しかし、その痛みの原因がどこからくるものなのかを見つけ出さない限りすぐにぶり返してしまいます。

 

痛みの原因は、必ずしも痛みがある場所にあるとは限りません。そのため、オステオパシーでは症状そのものにフォーカスするのではなく、体全体を一つのユニットとして捉えその症状の原因を探っていきます。そういった意味でオステオパシーは「病気(症状)を中心とした」治療ではなく「人(体全体)を中心とした」治療法であると言えます。

 

また、同じオステオパスでも関節をボキボキと鳴らす高速低振幅手技、いわゆるスラストを多用する先生もいれば、一切ボキボキはせずに治療する先生もいます。中には頭蓋仙骨手技(クラニアルオステオパシー)と呼ばれるハタから見るとほとんど動きのないテクニックのみを行うオステオパスもいます。「体全体を見てバランスを整えることにより自己治癒能力をサポートをする」という哲学そのものがオステオパシーであるため、そのテクニックや方法論は施術者により様々です。

 

一見ほとんど動きがないように見えるクラニアルオステオパシー

Chila A.(2011)『Foundations of Osteopathic Medicine』より

 

整体やカイロプラクティックにも同じことが言えると思いますが、結局のところ施術者と患者との信頼関係というものが治療効果に大きな影響を与えます。その治療にネガティブなイメージがあればどうしても体に力が入ってしまい効果的な治療が期待できません。ですから、ホームページをチェックしたりレセプションに確認するなどして、自分の好みに合った治療家かどうかを事前に見極めることが大切です。