オステオパシーは1874年にアメリカのアンドリュー・テイラー・スティル医師によって確立された手技によって治療を行う代替療法で、体の構造と機能は深い相互作用をもつという原則に基づいています。オステオパシーの施術者は、テクニックよりもその哲学を重視し、「人間の身体を一つのユニット(単位)として捉え、局所ではなく体全体を見てバランスを整えることにより自己治癒能力を引き出す」という医療哲学をもとに治療を行います。

 

オステオパシー創設者 Dr A.T. Still

 

20世紀前半に急速に世界中に広まり、現在アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、カナダなどの先進国を中心とした世界50カ国以上に約125500人のオステオパスが存在します。うちアメリカでは約82500人のオステオパスが存在し、MD(メディカルドクター)いわゆる一般医と共に医師として認められています。残念ながら西洋医学以外の代替医療に消極的な日本では一般的にあまり知られていません。

 

イギリスにオステオパシーを伝えた Dr J.M. Littlejohn

 

頭蓋オステオパシーを開発した Dr W.G. Sutherland

 

私が学んだオーストラリアではアメリカとは異なり、オステオパスは投薬・手術は行わない代替療法医として国家資格認定されています。全てのオステオパスは大学、大学院で最低でも5年間の専門教育を受け、生理解剖学、神経学、物理運動学、病理学、医療診断などを含めた幅広い知識を必要とされます。技術面でも5年間の実技、うち2年間のインターン実習を経て安全で効果が高い技術を習得します。

 

また、オーストラリアのオステオパスは一般医と同様に自らが診断することを許されるプライマリー・ヘルスケア・プラクティショナーとして筋骨格系の検査はもちろん、心臓血管系、呼吸器系、神経系、内分泌系などに対しても基本的な検査を行えるようにトレーニングされています。そのため信頼度の高い評価、診断により必要に応じて一般医や他の代替療法医と連携してより迅速な対応ができます。

 

オステオパシーでは新生児から高齢に至るまで、全年齢が治療対象となります。半数以上の方が筋骨格系の痛み、特に首、背中、腰の症状により来院されます。また、頭痛や喘息の症状も比較的多いほか、手足の捻挫やむくみ、事故や手術後の筋力低下や可動域の減少による症状、妊娠中や産後の症状、さらには特に症状がなくても定期メンテナンスとして来院される方もいます。

 

カイロプラクティック、整体などと同じカテゴリーに分類されるオステオパシーですが、その治療テクニックはとてもジェントルでほとんど刺激を伴わないのが特徴です。症状だけにフォーカスした対症療法ではなく、体全体を一つのユニット(単位)として捉え、ホリスティックなアプローチで自然治癒能力を高めるのがオステオパシーです。オステオパシーによって、本当に体を癒すのはあなた自身だということに気付くはずです。