とんび【邦画】
2022年製作・公開
KADOKAWA
泣かされた!ネタバレあり。
過去に2度もドラマ化されたという この作品。
ぜんぜん知りませんでした。
キャストを見て、CSで録画視聴。
映画のタイトルが 『とんび』
私は勝手に、任侠物なのか?と、想像して見ました。
いや~。冒頭から泣かせてくれましたよ。
字幕がない上、阿部ちゃんの聞き取りにくいセリフ回しに、方言がキツイ。阿部ちゃんのセリフは、何度も巻き戻して(昭和的な言い方よね(笑))聞き直した。それでも、雰囲気と周りのキャストのセリフから、問題なく、物語に入りこめた。
簡単なストーリー
昭和37年から令和元年までの、親子の物語。
昭和の描写は、車から生活様式まで、事細かに懐かしい。
酒に喧嘩に不器用な 市川安男=阿部寛が、きれいな奥さんが妊娠したところから、物語は始まる。
瀬戸内海の備後市が舞台。
・阿部ちゃんが こどもが出来たことで、酒断ちしている姿
・阿部ちゃんが、奥さんの美佐子=麻生久美子の料理をする後ろ姿に、ドキドキしている姿
・阿部ちゃんが、仕事が終わったら、一目散に家に帰る姿。
・息子 旭が生まれ、『とんびが鷹を産んだ(ちょっとセリフが怪しいけど)』と、周りから祝福される。
なんだろう。それだけで、涙がジワリ。
雨の日、動物園に行きたいと駄々をこねる息子。仕事に行くという 阿部ちゃんに、妻は『旭に仕事している姿を見せたい』と、同行する。
この時点で、嫌な予感しかない。
荷崩れが起き、旭を庇って、妻の美佐子=麻生久美子は亡くなってしまう。
そこから、ヤスの親代わりの和尚。息子の照雲=安田顕と妻の幸恵=大島優子。小料理屋のたえ子=薬師丸ひろ子らが、地域一体となって、旭をともに育てていく。
旭の成長と共に、様々なで出来事が起こり、不器用ながらも市川安男=阿部寛は、真摯に向き合う。
私は、市川安男=阿部寛のように、子供と真摯に向き合ったのだろうかと、自問自答する。涙腺は常に崩壊状態だ。
出来のいい、市川旭=北村匠海は、早稲田大学に合格。
就職した先で出会った、7個上のバツイチ子持ちの由美=杏と、結婚したいとの事。
あ~、こうして、書いているだけで、涙が出てくる。
市川安男=阿部寛は、母親を亡くし、父親は失踪し、母方の叔父に育てられた。家族を知らない、市川安男=阿部寛。
父親は再婚しており、連れ子から連絡があり、意思の疎通は出来ない状態ではあったが、会うことができた。
市川安男=阿部寛は妻を亡くした時、『自分なんか生まれてこなきゃよかった、自分がいなければ、妻は死なずに済んだ』と、自分の存在を否定し泣き崩れていた。そんな、市川安男=阿部寛が、旭を育てて、仲間がいて、父親との再会に『産んでくれてありがとう、幸せだ』(ちょっと聞き取れなかった台詞だけど、そんな内容だった)と、父親の手を握る。
そんな市川安男=阿部寛に、孫が出来るという。
この上ない幸せに、見ているみろるも、ティッシュが離せない状態。鼻をかみながら、見ていましたよ。
そして令和。
100年生きると言っていた 市川安男=阿部寛が亡くなったようだ。息子家族が、市川安男=阿部寛の家に集まり、見送る準備をしている。
ラストシーンは、海辺で、孫が遊ぶ様子を見ながら、
亡き妻と息子と遊んだ思い出を重ねた シーンでした。
阿部ちゃんの演技がいい
こうも、喜怒哀楽。
息子のしでかしたことに、体当たりで、向き合い。
息子の成長を喜び、子離れの葛藤、孫の誕生と、
分かりやすい演技で、コミカルに、キュートに演じている。
私は、子供に対して、こんなに愛情を注げたのかな。
向き合ってきたのかなと、思う。
そして、私の親は、こんなにも、思っていてくれたのかなと、思った。人生の節目節目で、親は親なりに、葛藤していたのかなと。
表現は違えど、子の立場から、親の立場から、誰しもが
心に刺さる作品になったのではないのかなと思う。
泣ける映画でした。
覚書
監督
瀬々敬久
原作
重松清
脚本
港岳彦
主題歌
ゆず
市川安男=阿部寛
美佐子=麻生久美子
市川旭=北村匠海
由美=杏
健介=井之脇海
美月=田辺桃子
たえ子=薬師丸ひろ子
照雲=安田顕
幸恵=大島優子
海雲=麿赤兒
広沢=濱田岳
尾藤社長=宇梶剛士
萩本=尾美としのり
島野昭之=田中哲司
編集長=豊原功補
出版社守衛=嶋田久作
村田=村上淳
葛原=吉岡睦雄
トクさん=宇野祥平
泰子=木竜麻生