罪の声 【映画2020年作品】 | nature-adocument

nature-adocument

日経先物mini☆コスメ☆ふなっしー☆ランチ♪☆ドラマ・映画

・・・一度しかない人生あきらめずに生き抜こうと思います・・・

罪の声

2020年作品

 

この作品が、日本アカデミー賞で多数受賞していたのは知っていた。

助演賞のコメントで、宇野祥平が恐縮していたのがとても印象的でした。

 

モチーフは、昭和生まれならだれでも知っているであろう、

あの事件。

 

元、新聞記者の作者の取材力で、

事件の詳細は、事実であろう。

 

事件以外の部分では、救われない悲しみの渦が幾重にも渦巻いていた。

主演は、小栗旬。記者だ。だけど、この物語を進めていく、ナビゲーター役であった。

W主演らしいが、アカデミー賞等では、助演の星野源。

こちらも、もうひとりの罪の声の主にたどり着くまでの、相棒といったところか。

もちろん、事件に自分の声が使われたという、苦しみは計り知れない。

 

本当の意味での、主演は、宇野祥平と母ではなかったか?

宇野祥平が、助演賞を受賞したのが分かった。

(日本アカデミー賞に対して、信頼できるんだと思った)

 

父・夫を信じ、事件に巻き込まれ、

逃げた先から、連れ去られ、

その先で人質扱いを受け、監禁生活。

逃げようとした姉は、逃亡中に亡くなり、

宇野祥平と母は、逃げられぬ生活になすすべもない。

 

母の受けた、暴力は、人として、女性として

ひどいものだった。

正常な精神状態では、生きていられない。

 

宇野祥平は、暴力の末、

事件を起こし、どさくさの最中に逃亡する。

逃げるときに、母を見た。

母は、行けという。

宇野祥平は、この時、母を捨てたのだ。

 

この葛藤は、ラストシーンで、涙を誘う。

 

壮絶な逃亡生活から救い出したのは

小栗旬と、星野源。

 

宇野祥平は、自ら、声の主は自分だと公表し、

母親探しをする。

 

母との再会で、涙する宇野祥平の演技は圧巻だった。

 

年老いた母は、娘の声が聴きたいという。

聞かせた声は、事件に使われた録音テープだった。

 

このラストで、全部宇野祥平が持っていった。

 

星野源の罪の声も、壮絶だった。

今もそばにいる母が、録音したのだから。

母に問いただしても、悪びれた様子はない。

何十年も、その事実を胸に、育てていたのかと思うと、

やりきれない。

 

淡々とした星野源さんのせりふ回しが

やりきれなさを増長させる。

 

この作品が、事件の映画ではなく

巻き込まれた子供たちや家族にフォーカスを当てた

壮絶な物語であった。

 

賞を取るのも、納得でした。

【キャスト】
出演者
小栗旬
星野源
宇野祥平

 

【原作】

塩田武士『罪の声』